「良識の府」とも言われる参議院ですが、ここまで愚かだったのかと嘆かわしくなるような写真を見つけました。安全保障関連法案の採決をめぐり、与野党の攻防がピークに達した9月16日午後、法案を審議する参院特別委の理事会室の前で、民主、共産ら野党の女性議員が笑顔を浮かべながら、スマホを使って「自撮り」をしているカットです。産経新聞のカメラマンが見事に収めていました。
写真には4、5人の女性議員が肩を寄せ合って、一人は白い歯をみせて満面の笑みを浮かべています。恥ずかしながら、この方が誰なのかは存じ上げませんが、写真を見る限り、法案阻止を本気で目指す野党議員の緊迫感や真剣さは微塵も感じられません。まるで、国会見学に来たおばちゃんがみんなで仲良く記念撮影しているようにしか見えないのです。この方たちはいったい何をしに国会にいらっしゃったのでしょうか?
安保法制の参院採決をめぐる与野党の攻防は、野党のパフォーマンスがひときわ目立っていました。民主党の小西洋之議員が、委員長席の後ろから自民党議員団の輪に飛び込む「ダイブ」を披露したり、理事会室の前に陣取った野党の女性議員たちが「セクハラ」被害を訴えたりする〝茶番〟もありましたが、なんと言っても極めつけは、生活の党の山本太郎議員による「お葬式」パフォーマンスです。
本会議場の檀上で、喪服姿の山本氏が数珠を片手に焼香するふりをして、議事進行を遅らせる「引き伸ばし作戦」を決行し、議場はヤジと拍手が入り交じる異様な雰囲気に包まれていました。学芸会でもあるまいし、一連のパフォーマンスのどこに「言論の府」である国会の役割や、国会議員の品格を見いだせばいいのでしょうか。法案成立に至るまでのこの4日間、わが国の議会制民主主義が地に堕ちたと失望したのは、決して筆者だけではないと思います。
安保法案審議を振り返ってみると、野党議員や国会前でデモを繰り広げる人たちは「民主主義が蹂躙された!」「民主主義が死んだ!」などと声高に叫んでいましたが、そもそも法案成立に反対することだけが民主主義なんでしょうか? もう言いたくもありませんが、自民党は先の衆院選の選挙公約に安保法案成立を掲げていましたし、それを受けての自民圧勝という結果も「民意」だと思うのですが、なぜか安保法案の審議が始まってからは、こうした民意がかき消され、学生団体「SEALDs」をはじめとする国会前デモや、法案成立をあらゆる手段で阻止しようとする野党議員の声ばかりが、左派メディアを中心に取り上げられることが多かった気がします。
もちろん、少数意見を尊重し、多数派、少数派の双方が納得するまで議論を尽くすというのは、民主主義の本来あるべき姿だと思います。むろん、報道各社の世論調査で反対派の方が多いという事実も当然尊重すべきとは思いますが、「戦争法案」や「徴兵制の復活」などとデマに近いレッテルを貼り、世論を扇動した偏向メディアの影響は全く無視していいのでしょうか。
国会での議論が尽くされていないと指摘しながら、衆参両院での審議時間は、1992年の国連平和維持活動(PKO)協力法を上回り、両院に記録が残る中で最長の220時間にも及びました。しかも、議論の中身は、重箱の隅をつつくような揚げ足取りばかりで、野党側からは対案さえ示されませんでした。あくまで私見ですが、議論とは名ばかりの不毛な審議だったとの印象は正直否めません。
「民主主義」という言葉を自分たちに都合の良い解釈で使っていたのは、実は法案に反対する勢力だったのではありませんか。選挙という民意は無視して、デモという民意だけを尊重することが果たして真の民主主義なんでしょうか。 意味のない政治パフォーマンスで採決をいたずらに引き伸ばした野党のみなさん。国会前で罵詈雑言を叫び、あたかも自分たちの行動が「正義」であるかのように主張したデモ参加者のみなさん。そして、こうした反対派の声だけをことさら強調し、取り上げ続けた左派メディアのみなさん。「民主主義は死んだ」のではなく、「民主主義を殺した」のは、実はあなたたちなんじゃないですか? (iRONNA編集長、白岩賢太)
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