スパムブックマークの判定アルゴリズムが改訂
はてなブックマーク開発ブログににてスパムブックマーク判定アルゴリズムの改訂がアナウンスされた。
- 休日などに、人気エントリーの表示数が減少する問題を改善しました
- iOS・Android版アプリにおいて、人気エントリーと新着エントリーの重複をなくしました
- トップページや人気エントリー内で重複しているエントリーについて、特定のフォーマット(まとめ記事など)において重複判定の精度を改善しました
- R15向けコンテンツの判定精度を改善しました
- スパムブックマークの判定精度を改善しました
スパムブックマークの明確な基準はアナウンスされていないし、なんとなく動作を観察した結果を公開するのも公益に反するので控えるけれど、今後も返報的なブクマや業者的なブクマのスコアを下げる流れが強化されていくものと思われる。トピックス絡みの汚染も対策してほしいよね。
第三者の倫理の外側にある権力
身内ブクマや互助会的なものについて、自然発生的なものである限りは否定的に捉える必要はないと思っているし、第三者が倫理に訴えるのは余計なお世話だ。
なので「スパム扱いされるからやめよう」と自粛を呼びかけるのはちょっと違うんじゃないの?って思うわけです。「知り合い同士はブクマしやすいよね」っていう性善説をカマトトぶりながらも信じていたのに「新着に載らなくなるから止めよう」と明言されると、やっぱりそっち目当てだったのか……とも思えてしまいます。
だけど、小学生でも分かるようなアルゴリズムとポジティブなフィードバックがセットになっていると猿のようにボタンを何度も押したくなる人や、副作用そのものを求める人々を止められないとも考えている。要するに言えば、システムに最適化するための努力が報われすぎることで、人間側の行動が規定されている現状にある。
環境管理型権力に行動を束縛される僕ら
「Google Adsenseのガイドラインの影響でブロゴスフィアにシモネタが減った」という冗談が言われているのだけど、そういう側面も確かにある。過去のテキストサイトには、おもしろAVレビューや、小学生レベルのシモネタが頻発していたし、現代においても広告停止の縛りがなければ書いていた人がもっといるものと思われる。
ネット社会においては人間同士の倫理的な取り決めよりも、システムのフィードバックによって行動が影響されやすい。この場合においてはアーキテクチャやアルゴリズムなどによって形作られるシステム環境そのものが事実上の権力者となるため「環境管理型権力」という。
ブックマークしあうために交流しましょうみたいな本末転倒論がでてきたり、書きたいことよりもSEOやバズを優先するというのは、まさにシステム環境への最適化によって行動が束縛されている例だろう。
システム環境に最適化する努力が報われすぎないシステム環境
縛りプレイそのものが悪いわけじゃないし、目的は人それぞれだけど、システム環境そのものに人間性を奪われるのも残念だし、はてなブックマークの仕組みそのものを偏らせる原因にもなっている。
そういう意味では、どんどんアルゴリズムをブラックボックス化していくことにオーガニックな反応に平準化してほしい。はてなブックマークマークも10週年。そろそろ人間側がシステム環境に最適化するための努力が報われすぎないアーキテクチャが求められるんじゃないかなと。
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