秋葉原に船で出て来てみた

■羽田~秋葉原間の舟運の実現を目指した社会実験を実施します(国土交通省報道発表資料)
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo03_hh_000091.html

社会実験に参加して来ました。
各メディアで取り上げられ知ってる方も多いと思われるこの実験。報道資料にある通り、これは観光としての新しい可能性を探るもの。羽田から秋葉原なんて電車でも40分あれば着いてしまいます。それを2時間半かけてゆっくり水上からどうですかというこのシルバーウィーク限定の試みは、休日分の申込が早々に閉じてしまうほどの人気ぶり。急遽増便が決定したほどでありました。
以下、写真かなり多めでお送りします。

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羽田空港国際線ターミナル。この写真は3階。集合場所は2階のバス乗り場前ロビーです。
まずは空港から多摩川河川敷へ。




こんなところに船着場あったんですねえ…。初めて見たよ。位置的には、天空橋駅で一旦地下にくぐる東京モノレールが地上にもう一度顔を出すところです。そのタイミングで空港向かって右側を見ていれば、多分見えると思います。
乗船した便は船長さんが女性でした。パンツルックで格好良かったなー。


ちょっと風景が寂しい。国交省主導ということもあって、運航会社さんは自前で羽田近くに持っている船着場を今回は使っていません。実際に民間が定期便を通すようになったらここではなくなる可能性はありますが、実験である内はまたここを使う可能性は高そう。
もし次回実験があったとして参加するつもりの方は、羽田発を選んだ方が楽しいかと思います。ここに着いても一般の人ほとんど見届けたりしてないし。


天空橋。移設しようとすると祟りが起きると曰くつきの赤鳥居。15年くらい前にようやく今の位置になったんでしたっけね。この辺り、すぐ近くが民家ということもあってマイクでのガイドを一時的にやめ肉声でのガイドになっています。そういう箇所が何箇所か有り。
釣りしてる人がいっぱいいる場所だけれど、魚逃げないのかなあ…。


ズンズンと橋の下をくぐっていきます。ちなみに秋葉原到着までにくぐった橋・道路・水門はおよそ40ほど。


整備場駅。普段こんなところで降りません。新型モノレールがちょうど入って来たところ。


整備場駅過ぎてすぐのところにある羽田可動橋。これはその羽田側で左にもうひとつあります。その2つが橋そのものが旋回することで道路が繋がる日本ではかなり珍しい構造…なのだけど、90年の開通後8年ほどで使用停止。ただ今後の羽田拡張に備えて撤去はしていないそう。再び陽の目を見る日は来るのだろうか。




昭和島の向かいにある東京消防庁第二方面訓練場と、そこから少し進んだところにある大田市場。大田市場の取扱いは青果物と水産物、それと花。ここから大田市場を挟んだ向こうが首都高湾岸線になります。


多摩川から天空橋に入って以降、神田川へ入るまではほぼ北上が続きます。ここは大井ふ頭中央海浜公園、みなさん連休にBBQ堪能しまくりですな。場所を問わず、船から手を振ると川岸や橋の上から手を振り返してくれる方は結構多かったんですが、一番リアクション良かったのはここでした。子供とか羨ましそうな顔してたし。わかる。わかるぞー。
あ、そうそう。今回の運航はベビーカー対応可能でした。座席にまで持って行けないけど、置いておける場所はあるようです。




品川区八潮団地。最寄り駅は大井競馬場前駅。東京ドーム8~9個分くらいの広さに住居棟が72棟ある、それなりに広域な一角です。


!? どうやら船上カフェらしい…。








京浜運河を北上し、天王洲アイル駅の手前で一旦左折。水門を抜けた先に船着場があって乗降する方がいらっしゃいます。多くは秋葉原まで行くんだけど、ちょっとそれは長いなーという向けですね。
今日、この品川の船着場には運行会社さん所有の別の船が停まっていて、船上結婚式の準備をしているところでした。ここからレインボーブリッジに出て2回くぐってお台場抜けてからの東京ゲートブリッジくぐって帰って来る2時間半コースらしい。色々なプランがあるんですな。
ちなみに水門に書かれているのは「しながわ」。水門の向こうに見える円柱ビルは汐留の電通ビルですね。






天王洲アイル。ここの一部も昔の「台場」。優雅な午後を満喫されてる方多数。


レインボーブリッジ。空に橋の白が映えますね。天気が良くて本当に良かったです。


隅田川側から見る築地市場。この辺りになると遊覧船が増えて来ます。隅田川の遊覧はいくらでもあるし、特段珍しい光景でも体験でもないので、この辺は飛ばし気味で。


月島。年に6~7回くらいはもんじゃ食いに行くのがもう何年続いてるだろう。もんじゃいいよねもんじゃ。


そのすぐお隣佃島の、この写真は佃公園のところ。


清澄橋とその向こうに建つ東京スカイツリー。


江東区の芭蕉記念館と史跡展望庭園。ここに行くなら最寄は半蔵門線の清澄白河駅ですが、こっちからってこういう景色なのね。


松本零士デザインの遊覧船ヒミコの後継、ホタルナと船上でスレ違い来たー!




北上して来た隅田川から左折して神田川へと入ります。神田川のクルーズ自体は元々あります。もちろん万世橋を船着場としては使っていませんが…。いっぺんでいいから花見の季節で神田川クルーズしたい。で、毎年大体忘れる。
写真は浅草橋の隣の橋、柳橋にある小松屋さん。佃煮で有名ですね。


小松屋の旦那が乗ってきて10分ほど歴史をお話してくれたり、歌を披露してくれたり、佃煮船上販売してくれたり。船上販売なんかやられたら勢いで行ってしまうのか、買われた方は結構多かったように感じました。これが商売ってやつだ。


秋葉原までもうすぐ。この辺、すごくダメだと思うのだけど、建物がみんな川に背を向けてるんですよね…。昼ということもあって屋形船はまだ出て行ってません。


秋葉原が見えてきたー。書泉だー! いつもそこのみずほのATMで金下ろしてますお世話になってます。


万世橋が見えて来た。とても見慣れた光景。
万世橋を発着する船の珍しさに、場所も相まって橋の上から見届ける方が大勢。






万世橋発着場。
ここがこのような構造になっているのは、かつて地下鉄を建設する際に資材を神田川を通じて運んでいたのでその名残。ここには国鉄万世橋駅だけでなく、地下鉄万世橋駅もかなーり僅かな期間ながら存在していたということなんですね。なんと85年も前のお話です。
今回はクルーズ利用客に対してのみ、橋の下も扉を開けて公開されていました。普段はこうやって中に入ることも出来ません。


万世橋の脇に臨時乗船場としてこんな感じにテントが。「社会実験」と思いっきり書かれているので、通りがかった人はそりゃあ気になりますよね。羽田にはこんな書かれ方されてませんでしたけど。




船着場の構造上、横付け出来ないのでこのような形で停めることに。乗降の安定性は特に問題ありませんでした。ただ、こうやって停めてる時に他のクルーズ来たらどうするんだろうというのはあって、そこは運航会社間の調整になるのかな。

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こうして休憩込みで2時間半のクルーズは終わったのでした。あっという間でした。見慣れてる隅田川はともかく、京浜運河と万世橋付近の景色は期待通りに楽しめたと感じています。
こういう古い古い遺構の再活用は非常に良いこと。万世橋マーチエキュートもそうですが、丁寧に使っていけば使わないまま放ったらかしにしているよりよっぽどマシでしょう。定期運行実現まで漕ぎ着けてくれたらと思っています。

大雑把な解説だけどこんな感じで。googleマップで経路を確認しながら写真で雰囲気だけでも伝われば幸いです。
もし定期便実現前に実験がまたあったのなら、ぜひ応募してみて下さい。

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