蹴球探訪
英に逸材16歳「夢は日本のフル代表」
サイ・ゴダード(3月18日)
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【スポーツ】<首都スポ>女子トランポリンの新星・森ひかる 光る大技で光り輝く2015年9月24日 紙面から
スーパーの屋上で出会ったトランポリンに魅せられた2020年東京五輪の強化指定選手に選抜された有望株は、キュートな笑顔で明るくハキハキと受け答えをする、ステキな女の子だった。フリーエアースポーツクラブ(東京都足立区、田中栄一代表)の森ひかる(16)=東京・足立新田高1年=。2年前の全日本選手権で、史上最年少の14歳で初優勝を果たした。高校生チャンピオン経験者の兄・晴太郎(はるたろう、19)とともに、5年後に地元東京で開催する大舞台で金メダル獲得を夢見る。自他共に認める負けず嫌いの16歳を追った。 (フリージャーナリスト・辛仁夏) ポーン、ポーン、ポーン。天井高の倉庫に、トランポリンのネットの音が響く。選手たちは黙々と、跳び上がりながら宙返り技を繰り広げていた。足立区に20ほどもあるトランポリンクラブの中でも、日本代表クラスを次々と輩出するフリーエアースポーツクラブ。そこで技を磨いている森ひかるは、ジュニア世代の中で最も期待を集める逸材の1人だ。 今季も着実に結果を出す活躍を見せている。2月の初戦、都道府県対抗選手権制覇をはじめ、5月の全日本年齢別選手権で優勝し、世界年齢別選手権(12月・デンマーク)の日本代表切符を獲得。さらに6月の東京都大会、7月のカナディアンオープン・ジュニア部門個人をそれぞれ制した。 「4歳の時にスーパーの屋上にあったトランポリンをやって楽しかったから始めました。大会で格好良く見えた宙返りをやりたくなったから」。7歳で競技にのめり込み、記憶に残る大会という小6で初出場した世界大会で優勝してから、トランポリン界のホープ街道をまっしぐらだ。瞳をきらきら輝かせながら、12年間打ち込むトランポリンの魅力をこう話す。 「地面では味わえない感覚が味わえ、空を飛んでいるみたいで楽しいです。小さいころからやっていないと高いところまで跳べないし、すぐには高く跳べない。一番大事なのはトランポリンをしっかりと使って、真ん中で跳ぶことです」 日本女子ではいまのところ唯一といわれる武器を持つ。10本連続で跳ぶ試合で、「トリフィス」(前方3回宙返り半分ひねり)という大技を1本目にパイル(屈伸)で、3本目にタック(抱え込み)の形で計2本跳ぶ構成だ。このトリフィスを2本跳ぶことで難度点で高得点が狙えるという。 中2で全日本最年少優勝して一躍トップの仲間入りを果たすも、まだまだ世界の頂は高い。17歳になる来年からは本格的にシニアの世界選手権やワールドカップ(W杯)に進出していくだけに、今年はジュニアの世界で頂点に立つことを目標に掲げている。 「世界年齢別選手権で自分の演技をして個人、シンクロで優勝したいです。小6で優勝して以来遠ざかっているので、狙えるタイトルはしっかり取って、絶対に中断しないで自己ベストを出したいです」 生まれ育った東京開催に決まった2020年五輪には「出たいという気持ちがさらに強くなりました。21歳で迎えるので、年齢的にも環境的にも一番いいと思います。大きな舞台で緊張しないくらい練習をしていきたい」と、はやる思いは熱かった。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中 PR情報
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