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【ゴルフ】

近藤共弘、開き直って逆襲

2015年9月25日 紙面から

10番でティーショットを放つ近藤共弘。2アンダーで9位=大利根CCで

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◇アジアパシフィックOP・ダイヤモンド杯<第1日>

 ▽24日、茨城県坂東市、大利根カントリークラブ西コース(7101ヤード、パー70)▽曇り、気温21・9度、北1・1メートル▽賞金総額1億5000万円、優勝3000万円▽133選手(アマチュア14人)▽観衆2353人

 近藤共弘(38)が6バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの68で回り、首位と4打差の9位でスタートした。昨季は最終戦まで賞金王を争いながらも、今季は一転して絶不調。低迷打破を期す秋の陣に向け、「開き直ってやっていく」と反攻ののろしを上げた。2週連続優勝を狙う石川遼(24)=カシオ=は69で15位。S・ストレンジ(オーストラリア)が64で回り、単独首位に立った。

 17番パー4。フェアウエーのど真ん中で、近藤はうめきにも似た声を上げ、しかめっ面を浮かべていた。「カットボールを打ちたかった」という2打目は、まさかのシャンク。右の松林に急角度でぶち込み、よもやのダブルボギーをたたいた。せっかくバーディーを積み上げてきたのに…。

 だが、ホールアウトした表情はどこか晴れやかだった。「気にしてもしょうがない。もう開き直ってきている。そのくらいの方がいい」。重苦しくなるどころか、達観したような笑みを浮かべていた。

 5月の関西オープンで5位に入って以降、8戦続けて予選で姿を消した。絵に描いたようなどん底だった。クラブを替え、スイングの修正を繰り返した。ただ、考えを巡らせ、技術的な進化を求めると「あまりにもずれちゃった」。試行錯誤するうち、理想と現実のスイングが大きく乖離(かいり)。1度でもミスをすると、「今までは怒って前を向くのに、今年は怒りもせずへこんでいく」。培ってきた自信まで喪失していた。

 変えたのは技術ではなく、思考の変化だった。もどかしさも歯がゆさも現実の苦境として受け入れ、「ダメ元の気持ち。今までは考えすぎていた。もともと考えるタイプじゃない」と、近藤らしく腹をくくった。この低迷期を糧にできれば、もっと強くなれる−。

 スコアに結び付かずとも、「練習場では去年よりも良い状態の球が出ている」と言い、「秋からは頑張って、結果にこだわらないと」と前を向いた。どん底を味わった男による逆襲の秋が、いよいよ幕を開けた。 (松岡祐司)

 

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