ヤクルト−DeNA 1回裏1死一塁、山田が左越えに先制35号2ランを放つ=神宮球場で(北田美和子撮影)
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◇ヤクルト4−2DeNA
14年ぶりのリーグ優勝へまた一歩前進−。首位ヤクルトは24日のDeNA戦(神宮)で、山田哲人内野手(23)が2発を放つなど、4−2で快勝し4連勝。3位以上が確定して、3年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出が決まった。ヤクルトは、26日の2位巨人との直接対決に勝てば、マジックが「3」、引き分けても「4」が点灯。最短Vは28日となった。
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若きスラッガーの描いた2本のアーチで3年ぶりCS進出を決め、14年ぶりのリーグ優勝を視界にとらえた。前日は2安打、2盗塁でチャンスメークに徹した山田が、この日はその破壊力を存分に発揮だ。
「とにかく勝ちたい思いが強いので、ホームランはデカかった。どっちもいい当たりじゃなかったけど、しっかり振り切った分入ってくれた」
初回1死一塁では、内角高めの初球142キロストレートに反応し、肘をたたんで振り抜くと11試合ぶり35号2ラン。3回も魅せた。変化球の読みが的中。外角への127キロチェンジアップをバットの先にひっかけ、再び左翼ポール際に運ぶ36号ソロ。
全く違う球種に難なく対応できるのが、トリプルスリーを確実にした山田の真骨頂だ。
「監督が『思い切っていけ』『右打ちとか考えなくていいぞ』と言ってくれるので、悩まず思い切って振れる」
1試合3発放った8月22日の中日戦(神宮)を含め今季5度目のマルチ本塁打。年間36発は杉浦、池山の34発を抜き、岩村の44発に次ぐ球団日本人歴代2位となった。26日からは敵地・東京ドームに乗り込み2位巨人と天王山の2連戦。勝てばM3が点灯し、最短28日にもリーグ優勝が決まる。
「あとはもう気持ちッス。巨人戦は結果、勝ちにこだわる」
確実にしている個人タイトルは、今は眼中にはない。山田の視線は2001年以来、14年ぶりとなるセ界の頂きのみ。眼下の敵を打ち砕き、何が何でも歓喜の瞬間をつかむ。 (竹村和佳子)
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