川島なお美さん、ワインレッドのドレスで天国へ 山田邦子が最後の別れ語る
- 山田邦子(左から2人目)と後藤史郎氏(左端)との結婚10周年パーティーで乾杯する川島なお美さん(右から2人目)・鎧塚俊彦氏(右端)夫妻、倍賞千恵子(右から4人目)・小六禮次郎氏(右から3人目)夫妻(2010年4月)
24日に胆管がんで死去した女優の川島なお美さん(享年54)と親交が深かったタレントの山田邦子(55)が25日、スポーツ報知の取材に応じ、親友との最後の別れを語った。死に装束にワインレッドのドレスを着た川島さんの耳もとで叫んだという山田は、肝臓に腫瘍が見つかった2013年夏に「余命1年」を告げられていたことを明かした。通夜は10月1日午後6時、葬儀は2日午前11時から、いずれも東京・青山葬儀所で営まれる。
山田は24日午後9時半頃、突然の訃報を受け、病院に直行した。川島さんは2時間ほど前、夫のパティシエ・鎧塚(よろいづか)俊彦氏(49)と数人の事務所スタッフに見守られ、眠るように安らかな表情で息を引き取っていた。
病室では家族ぐるみで仲が良かった女優の倍賞千恵子(74)が泣きながら亡きがらに寄り添っていた。山田は、川島さんの耳元で「起きろ!」と願いを込めて叫んだが、反応はなかった。「肝臓が悪かったので顔が黄色っぽく、体中がやせて小さくなっていましたが、ワインレッドのドレスを着せられ、お化粧がされていました」。俳優の片岡鶴太郎(60)らも病室を訪れたという。
最期まで女優魂を見せつけられた。山田には、13年夏の人間ドックで肝臓の腫瘍が見つかった時点で「余命1年」と診断されたことを明かしていた。それでも、舞台の仕事を優先させ、手術は半年後の昨年1月に。鎧塚氏は山田に「あの半年が悔やまれる」と何度も無念をにじませた。ただ川島さんは希望を捨てず、10軒以上の病院を訪ねて自分に適した治療法を探し求めていたという。
抗がん剤を勧める医師に川島さんは「(副作用で)髪が抜けたら、舞台に立てなくなる! 女優として美しい姿でいたい」と拒否。山田は「この35年間、苦労してキャリアを積み重ねて、やっと主役を任されるようになった。女優・川島なお美の完成形が見えてきただけに本当に悔しかったと思う」と心情を思いやった。
2010年には、沖縄・宮古島で行った山田と制作会社社長・後藤史郎氏の結婚10周年パーティーに川島さんと鎧塚氏も招待した。「朝食の時、なお美ちゃんが『私たち、朝シャン(寝起きにシャンパンを飲むこと)しちゃったの』と笑っていたのが印象的」と振り返った。通夜、告別式とは別に鎧塚氏が中心となり、川島さんが大好きだったワインを飲みながら思い出を語り合う「しのぶ会」が企画されている。山田は突然の別れに戸惑いながらも「これまで何事も全力投球だったから、ゆっくり休んでね」と呼び掛けた。
訃報・おくやみ