山崎豊子展開幕に秘書の野上孝子さん「先生のお葬式」

2015年9月25日13時2分  スポーツ報知
  • 秘書の野上孝子さんと甥の山崎定樹さん

 2013年に89歳で亡くなった直木賞作家・山崎豊子さんの生涯の軌跡を紹介する「追悼 山崎豊子展」が25日、東京・日本橋高島屋で始まった。

 「白い巨塔」「沈まぬ太陽」などのベストセラーの直筆原稿、7月に発見されたばかりの戦時下の日記、再現した書斎や愛用品の展示など戦後を代表する社会派作家の創作の裏側に迫る初の展覧会だ。

 52年間にわたって秘書を務めた野上孝子さん(75)は「私は後ろを追いかけるだけでしたが、すごい人だったと今さらながら思います。読者の方に先生の足跡をご覧いただける。こんなにうれしいことはありません。ある意味で先生のお葬式だと思っています。永遠にお別れしなくてはならないと思うとさみしいですが、このような展覧会を開いてもらい、先生は幸せ者だと思います」と万感の表情だった。

 山崎豊子文化財団事務局長で、山崎さんの甥にあたる山崎定樹さん(56)は「叔母はいわゆる大阪のオバチャンですが、親族でも会うためにはちゃんとアポイントを取らないと会えない人。企業秘密の人でしたが、今回の展示で小説を書く時の入口を見てもらえたら」と話していた。

 10月5日までの開催で入場料は一般800円。来年2月まで横浜、京都、大阪の各高島屋店舗でも催される予定だ。

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