マツケン「詐欺防止チラシ」の偽物を使った詐欺にご用心
「暴れん坊将軍」などでおなじみの、俳優・松平健(61)がキャラクターを務める政府公報の高齢者詐欺防止チラシのニセモノが出回っていることが24日、分かった。被害は確認されていないものの、偽チラシは電話番号などがすり替えられており、詐欺行為を目的としたものとみられる。マツケンはスポーツ報知の取材に「とにかく自分だけで判断せず、周りに相談して下さい」と被害に遭わないように呼び掛けた。
「高齢者詐欺 急増中じゃ!」。甲冑(かっちゅう)をかぶったマツケンが「未然奉行」を名乗り、高齢者に詐欺被害に遭わないよう訴えている政府公報チラシが偽造された。詐欺を目的としたものとみられる。政府公報を担う内閣府の広報担当者は「政府公報チラシの偽造は聞いたことがありません」としている。
内閣府と消費者庁によると、本物のチラシは両面印刷で、警告文と相談先の消費者ホットラインの電話番号を載せている。昨年9月、新聞の折り込みチラシとして全国約3600万世帯に配布。さらにPDFファイルをホームページ上に公開し、自治体などでの印刷・掲示を呼び掛けている。
一方、偽のチラシは片面印刷。警告文の中身も、電話をかけるように誘導するような内容に変更。実在する「国民生活センター」を名乗り、本物とは異なる電話番号を記している。
8月、関西に住む70代男性が偽装に気付き、消費生活センターに相談。連絡を受けた消費者庁が偽の番号に電話したが、既につながらなかった。今月24日までに同庁が把握している中で被害は発生していないが、詐欺に巻き込まれる恐れがあるとして警告している。
偽チラシはカラーコピーなどではなく、PDFファイルを加工したものとみられ、一目では判別できないほど精巧につくられている。より広く頒布させるため、ファイルをホームページ上に公開したのが裏目に出た形だ。
マツケンは2012年から「未然奉行」キャラクターを務める。内閣府は起用理由を「時代劇のイメージがあるので衣装が合いますし、年配の方の心に最も届く方なので」と説明。偽チラシの存在を伝え聞いたマツケンは憤りつつ「とにかく自分だけで判断せず、家族や友人、周りに相談してください」。不届き者は「成敗いたす」と言わんばかりだった。