カタルーニャ自治州、スペインからの分離独立なるか-27日に州議会選
2015/09/25 16:19 JST
(ブルームバーグ):スペインのカタルーニャ自治州で27日、重要な地方選挙が実施される。
カタルーニャ人の多くにとって今回の州議会選挙はスペインからの分離独立の賛否を問う決定的な投票となる。昨年の住民投票は憲法裁判所が差し止め命令を出していた。一方、スペインの中央政府にとっては、法的根拠はなく、カタルーニャ自治州のマス首相の空想の飛躍であり、地域経済の再建という重要な任務から当局者の関心をそらすものだと映る。
以下にカタルーニャの現状と方向性を読み解いてみる。
◎カタルーニャは本当にスペインから独立するのか。
恐らくそうはならないだろう。だがマス首相は分離して権限を拡大するプロセスを開始するのに十分な支持を取り付ける可能性が高い。マス首相率いる独立派政党連合は定数135議席の過半数を確保できないと予想されており、別の分離派であるCUPと組めば最低ラインの68議席に届く公算が大きい。
マス首相率いる政党連合は過半数議席を確保できれば1年半後に独立宣言を行うとしており、それに向けて徴税機関や中央銀行、軍の設立と通貨ユーロへのアクセス確保のための行程表を策定している。
◎なぜ注目すべきなのか。
スペインはソブリン債務が約1兆ユーロ(約134兆円)あり、カタルーニャ州は国内総生産(GDP)の約2割を占める。仏アルストムや独フォルクスワーゲン(VW)といった国際的な製造業者がカタルーニャ州に工場を置いており、ユーロ圏加盟で為替リスクが取り除かれた状態にある。
同州が混乱した形で分離独立すれば、ギリシャ危機はささいな変化にすぎないように見えるだろう。
◎市場はこれまでのところどう受け止めているのか。
投資家は成り行きを見守っているが、現段階ではマス首相が目標を達成することよりもボラティリティ(変動性)をより懸念している。カタルーニャ州政府債の利回りは州議会選日程が発表された8月3日以来100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)余り上昇した。一方、スペインのソブリン債はイタリア国債に比べて下落している。
バルセロナに本拠を置く資産運用会社GCVガエスコ・ヘスティオンのファンドマネジャー、ハビエル・セブリアン氏は、投資家が分離独立を現実的リスクだと考えているならプレッシャーはもっと強いだろうと指摘した。
原題:Catalonia Isn’t Really About to Break Away From Spain, Is It?(抜粋)
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更新日時: 2015/09/25 16:19 JST