【ソウル聯合ニュース】独フォルクスワーゲン(VW)が排ガス規制を逃れるためディーゼル車に不正なソフトウエアを搭載していた問題の波紋が広がるなか、韓国輸入車市場で圧倒的なシェアを誇るドイツ車の地位が危ぶまれている。
韓国で販売される輸入車の大半はディーゼル車のため、7~9月期、10~12月期の輸入車販売が急減するとの悲観的な見方も出ている。すでに一部のショールームでは客足が減り、ディーゼル車に対する顧客からの問い合わせも急増している。
業界が25日に伝えたところによると、8月の韓国輸入車市場のシェアはVWグループ傘下のVWとアウディ、メルセデス・ベンツなどドイツ車が74.6%に達した。次いで日本車(10.2%)、米国車(5.3%)、英国車(3.9%)、フランス車(3.7%)と続く。
VWは燃費が良く、比較的手に届きやすい価格のため輸入車の中でも特に人気を得ている。今年の累計販売台数はVW「ティグアン2.0 TDIブルーモーション」が6069台、VW「ゴルフ2.0 TDI」が4728台、アウディ「A6 35 TDI」が4571台でトップ3を占めている。
だが、今回の不正発覚で状況が変わる可能性が高い。韓国の輸入車販売に占めるディーゼル車の割合は72.3%(8月基準)に達するためだ。ある輸入車ディーラーは、韓国の輸入車市場はドイツ車とディーゼルモデルがなければ成り立たないとし、「外国製ディーゼル車に対する不信感は大きな打撃になりかねず、懸念している」と語った。
早くもソウルにあるVWとアウディの一部ショールームでは客足が衰え、「自分の車にも問題があるのではないか」といった顧客からの問い合わせが急増している。契約金の返還を受けて購入をキャンセルするケースも相次いでいる。また、中古車市場でもVWの車に関する問い合わせは今週に入り70%ほど減少した。
「ゴルフ2.0 TDI」を昨年購入したという顧客は「フォルクスワーゲンの車に問題があるという報道が続いており、店側に自分の車も対象かどうか問い合わせたが、まだ分からないという返答しかもらえなかった」と不満を打ち明けた。