【コラム】韓国外相は口先で国が守れると思っているのか

 ルーズベルト大統領が考える国益とは、他国の手を借りてロシアの南下を防ぎ、米国は「漁夫の利」により中国で利益を得るというものだった。この時、「代わりに血を流す」と手を挙げたのは日本だ。中国の「東進(東方進出)」をけん制するため血を流すという安保法が成立した今の日本と似ている。程度の差はあるが、「一撃を加えられる」国だということもほぼ同じだ。米国はロシアを阻むため日本を戦場に引き込み、日本を引き込むために韓国を捨てた。当時の韓国は「一撃を加える能力」はもちろん、独立を維持する方法すらなかった。

 今は能力がないからと言って国が捨てられる時代ではない。だが、少なくとも「一撃の能力」なしに外交の主導権を行使するのは許されていない。先月の南北危機はそうした能力が試された場だった。北朝鮮の潜水艦が半数以上いなくなり、後方の火力兵器が前進配備された時、韓国はどんな一撃の「切り札」を切るのか。韓国海軍哨戒艦「天安」爆破・沈没や延坪島砲撃事件を経た韓国は何が変わったのだろうか。結局、今回もステルス機・爆撃機・原子力空母など米国の戦略資産を引っ張り出した。米中日はそういう韓国を目の当たりにした。南北統一外交を主張する前に、統一を行うことができる能力を備えるべきだ。「一撃も加えられない」国のために大国が介入しないのは今も昔も同じなのだ。

 韓国政府は今回の危機に関して大きな勘違いをしているようだ。韓米同盟を「天下無敵」と言った尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部(省に相当)長官の言動がそうした認識を現している。今回の軍事危機で韓国の役割はどれだけだっただろうか。一撃の能力を備えた上であのような発言をしなければ、うつろな言葉にしか聞こえない。

 国は口で守るものではない。兵士たちに対する大統領の1泊2日間の特別休暇証付与も同じだ。兵士たちに本当に必要なのは、休暇証よりも敵の攻撃から自らを守ることができる「一撃の能力」だ。

国際部=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)部長
前のページ 1 | 2 | 3 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース