先日の記事でご案内しました、本屋さんの情報がぎっしりつまったムックが発売になりました。
- 『本屋へ行こう!!』(洋泉社)
発売前に見本誌を届けてもらったので、早速読んでみました。自分が関わった本なので、あんまりストレートにほめるのもなんなんですが、これ、おもしろいなあ。もりだくさんだなあ。想像していた以上に本屋愛に満ちた1冊になっていました。自分が執筆で関わったところ以外は、こちらも見本誌を手にするまでどんな内容だか、くわしくは知らなかったので、純粋な読者気分で一気に、かつ楽しく読ませてもらいましたよ。
全4パート構成で、うち3パートが新刊書店関連で、最後のパート4が古本屋さんにあてられています。新刊書店を扱ったパートは、各地の書店を紹介するガイドが充実しているのは当然という感じで、それ以外にも、本屋好き著名人のインタビュー、地方別チェーンランキング、書店フリーペーパー、巨大書店のイラストルポなど、さまざまな切り口の書店関連記事がたっぷりと掲載されています。書店経営やビジネス戦略、複合店の歴史、棚作りの論など、やや専門的なテーマの記事もありますが、いずれも過度に専門的な内容になることなく、業界関係者でない人にもわかりやすいものになっています。
古本屋を扱ったパートも、分量こそ新刊書店関連記事よりも少なめになっていはいるものの、とみさわ明仁さんと吉田豪さんの対談(すばらしい組み合わせ。実におもしろくてもっと読みたい)や、ウララの宇田さんの店主日記など、ただの古書店紹介にとどまらない、中身の濃いものになっています。
先の記事に書きました通り、ぼくは今回、いくつかの記事で執筆を担当させてもらいました。担当した店数はそれほど多くはないのですが、さわや書店フェザン店の紹介記事を書かせてもらえたのは僥倖でした。また、この本屋さんに出会っていなければ、本屋さんに関するこんな文章を書くこともしていなかったであろう、ぼくにとっての原点の1つ、紀伊國屋書店梅田本店への思いを拙い文章にまとめることもできました。いずれの記事も、ぼくにとってはずっと仕上げられずにいた宿題のようなもの。やっと提出できた、そんな気分です。
本ムックには、たくさんの書店員さんが登場していますが、ぼくがイベントでご一緒したりお世話になったりしている書店員さんも誌面に登場しています。元リブロの辻山良雄さん、往来堂書店の店長・笈入建志さんが、それぞれ準備を進めているという新しいお店についての記事があるかと思えば、9/25のbeco talkに出演する「フリーランス書店員」、久禮書店〈KURE BOOKS〉の久禮亮太さんは「僕の考える「いい棚」のつくり方」という、タイトルだけで気になる記事を寄稿していたりします。読みたくなりますよね。
その他の記事や書き手、目次、詳細については、版元の書籍紹介ページをご覧ください。
本屋さんを愛する方、本屋さんに関心をお持ちの方に強くおすすめしたい1冊です。ぜひお近くの本屋さん、できればリアル書店で手にとってみてください。