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【VW排ガス不正問題】
「摘発」したのは米地方大学 性能の高さを調べようとしたら…
【ワシントン=小雲規生】独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が違法ソフトで排ガス規制を逃れていた問題で、発覚のきっかけとなった実験を行った米ウェストバージニア大に注目が集まっている。同大学は過去にもディーゼルエンジンの排ガス規制逃れの解明に貢献したことがあり、一地方大学の実験能力に驚きの声があがっている。
同大学の研究班は、自動車などの環境性能向上を目的とする米民間非営利団体(NPO)の依頼を受けて、BMWのスポーツ用多目的車「X5」、VWの乗用車「ジェッタ」「パサート」のディーゼル3車種の排ガスの成分を、実際に路上を走行させて実験した。
欧米メディアによると、研究班に実験を依頼した米NPOは当初、欧州車の環境性能の高さを立証して、欧州でも米国並みの高い排ガス基準を作るよう促すつもりだった。NPOの関係者は「VWやBMWを疑うつもりは全くなかった」と話している。