■「TOKYU」使って良し
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2008.10.02 |
石巻の建設会社への東急電鉄の訴え棄却
東京地裁判決/
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石巻市鹿又の建設会社「藤久建設」がホームページ(HP)のドメイン名に使用した「TOKYU」が、東急グループとの混同を招くとして、東京急行電鉄(東京)がローマ字表記の使用差し止めなどを求めた訴訟の判決が九月三十日、東京地裁であった。
大鷹一郎裁判長は「称呼が同一であるといって、藤久建設と東急グループの営業を取り違える要因はない。藤久の取引相手は宮城県内・近県の企業、一般家庭など。ドメイン名だけで工事の依頼を受けることは想定できない」などとし、東急側の訴えを棄却した。
藤久建設は一九七四年創業。建設、住宅建築、ガーデニングなどが業務。会社名は創業者の故伊藤久信氏の真ん中二文字を取った。九八年にHPを立ち上げた。
判決について、藤久建設の伊藤秀樹社長は「原告の主張が通れば、大手企業と類似した名称を商標に使っている地方の中小・零細企業はHPに称呼を使えなくなる可能性があった。妥当な判決」と評価。「異業種の大企業がなぜ当社のような小さな会社を訴えるのか理由が分からず、初めは何かの間違いだと思った」と話している。
東急側は「長年かけて培ってきた東急ブランドは財産。判決文をよく検討し、今後の対応を検討したい」としている。
東京急行電鉄によると、東急に関する類似訴訟などはこの四年間で約百件あるが、主張が認められなかったのは「記憶にない」という。
東急側の訴えが藤久側に届いたのは今年一月二日。約九カ月にわたって口頭弁論が展開された。 |
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