Updated: Tokyo  2015/09/25 20:51  |  New York  2015/09/25 07:51  |  London  2015/09/25 12:51
 

キャタピラーが下げを主導、世界経済の減速懸念で資本財株安い (1)

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    (ブルームバーグ):世界経済の減速を示す新たな証拠を探している株式投資家は24日、それほど苦労する必要がなかった。米キャタピラーの発表と最新の米経済指標だけで十分だったからだ。

S&P500種株価指数の業種別で資本財・サービスが3営業日続落。一時8月安値からの上昇率が1%未満に縮小した。キャタピラーが鉱業とエネルギー産業の減速を受けて売上高見通しの下方修正と人員削減を発表した。世界経済の成長鈍化が米製造業の需要にどの程度影響を与えるのかと企業が思案する兆しの中、8月のコア資本財受注も前月比で減少した。

連邦公開市場委員会(FOMC)が17日、金融市場の混乱と中国の景気減速が欧州や米経済に影響する恐れがあるとの懸念から、事実上のゼロ金利政策を維持することを決めたのを受け、世界経済の成長ペースが再び注目されている。世界の株式はFOMCの発表から毎営業日下げる一方、米株はこの6営業日のうち5日間で下落した。

ソラリス・アセット・マネジメントで15億ドル(約1800億円)の運用に携わるティム・グリスキー最高投資責任者(CIO)は、素材株と資本財銘柄は「経済成長率に大きく依存しており、ここにきてそれが響いている」と指摘。両業種は大口の輸出業者であり、中国や日本、西欧経済が減速、あるいは悪化がこうした銘柄の重しになっているという。

資本財銘柄が節目を試す中、中国の景気低迷は別の景気敏感業種にも影響を与えている。S&P500種の全10業種のうち先月25日の安値を初めて下回ったのが素材株だ。これは先月の株価急落時の最悪水準であり、チャートウオッチャーが注目している節目でもある。

グリスキー氏は、「株式市場には若干のパニック売りが見られる」と分析した上で、「8月時点では世界経済をめぐる懸念はそれほど強くなったが、今では再びリセッション(景気後退)という言葉を使う人々の声が聞かれる。この言葉に言及しただけで一部の投資家は震え上がっている」と述べた。

原題:Caterpillar Leads Selloff as Industrials Sink on Growth Concern(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Anna-Louise Jackson ajackson36@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Jeff Sutherland jsutherlan13@bloomberg.net Jeremy Herron

更新日時: 2015/09/25 10:52 JST

 
 
 
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