アジアで最も安定したヘッジファンド、8月の運用成績もプラスを維持
2015/09/25 09:19 JST
(ブルームバーグ):LHアジアン・トレード・ファイナンス・ファンドは資源関連企業に融資する戦略が奏功し、アジアの競合するファンドの中でボラティリティ(変動性)が最も小さい。株式や債券、商品相場が下落したにもかかわらず、同ヘッジファンドは8月にプラスの運用成績を達成した。
同ファンドによれば、8月の運用成績はプラス0.25%と、2006年9月の開始以降、月間のパフォーマンスはプラスを維持している。ユーリカヘッジによると、世界のヘッジファンドの運用成績はこの間の約3分の1の月でマイナスだった。
中国の経済成長鈍化に加え金利上昇への懸念が強まったため、世界市場では8月にボラティリティが高まり、投資家はリスクの低い投資先へと逃避した。シンガポールを本拠とするユーロフィン・インベストメンツ(EFAグループ)が運用するLHアジアン・トレードは、小麦やコーヒー生豆、鉄鋼、鉄鉱石などの資源を取引・処理する企業に融資することにより価格変動を抑制している。同社によれば、融資は短期で、取引各社が取り扱う資源を裏付けとするためリスクが低いという。
ユーロフィンのフランソワ・ドッタ最高経営責任者(CEO)はインタビューで「当ファンドのパフォーマンスは他の主要な資産クラスのいずれとも相関性がない。特に、リターンは商品相場の下落による影響をほとんど受けていない」と説明する。
同社の概況報告書によると、商品のリターンが16年ぶりの低水準近辺で低迷しているにもかかわらず、同ファンドの今年に入って8月末までのリターンはプラス2.4%となっている。
原題:Asia’s Steadiest Hedge Fund Had August Gain for Perfect Record(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Klaus Wille kwille@bloomberg.net
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更新日時: 2015/09/25 09:19 JST