第27回
活発に行われた香港での招致活動
3月18日(金)、セブンズワールドカップが開催されている香港スタジアム内の「スポーツグリル&バー」にてアジア・ラグビー協会と日本ラグビーフットボール協会共催の「アジア・デー・ファンクション」が開催された。日本協会からは森喜朗・招致委員会会長、遠藤利明衆議院議員をはじめ、平尾誠二招致実行委員会ゼネラルマネージャーらが出席した。
このファンクションは、もともと2011ワールドカップ日本招致活動の一部として企画されたものであったが、アジアの仲間である香港協会が今回のセブンズワールドカップを開催していることから、あえて2011年を強調せず、「アジア・デー・ファンクション」として企画された。2011ラグビーワールドカップ招致委員会も、日本でのワールドカップ開催がアジアのラグビー発展につながるということをIRBに訴えてきている。
当日出席したのは、IRB理事をはじめ、特別招待の岡野俊一郎IOC委員、そしてアジア協会の会長や関係者をあわせて100人を越える規模となった。
冒頭にアジア・ラグビー協会のモハン・バラスリヤ会長が挨拶をし、アジア協会の歴史などを披露した。「アジア・ラグビー協会は1968年に、タイ協会が日本協会に相談し、アジアでラグビーの国際選手権を開催しようと提案したことから誕生しました。日本協会はこのアイディアにすぐ賛同し、香港協会とも話を進め、史上初のラグビー国際選手権をアジアで開催するために、8か国によるアジア・ラグビー協会(Asian Rugby Football Union)が誕生したのです・・・」。
バラスリヤ会長は、このあと、アジア協会が果たしてきた役割を述べた後、「このように今日まで発展してきた私たちアジア協会は全員一致で2011年ワールドカップの日本開催を支持しています」と力強く結んだ。
続いて香港協会のジョン・モロイ専務理事が、香港がセブンズワールドカップをこれまでに2回にわたって開催できたことを述べた後、「もし日本でワールドカップが開催されれば、それは間違いなくアジアのラグビーにとってはかり知れないほどの大きな影響を持つでしょう。私たちは日本でのワールドカップ開催を切望しています」と強調した。
さらに岡野俊一郎・IOC委員は、まずIOCの立場から、ラグビーがオリンピックにふさわしい種目であるかを視察に来たことを述べ、「アジアは大変なる可能性を持った地域です。今後もIRBはいっそうこのアジア地域のラグビー発展のためにぜひ全力を尽くしていただきたい」と熱弁し、間接的ながら、ワールドカップの日本招致を訴えた。
スピーチの最後を飾ったのは森喜朗・2011ワールドカップ招致委員会会長。
「今日はこの会場に南アフリカやニュージーランドからの友人たちも出席していただいています」という森会長は、あえて2011日本招致の話は避けて、次のように続けた。
「20世紀は、大変残念ながら戦争や紛争に明け暮れる100年となってしまいました。しかしこの21世紀こそは、真の平和が世界に訪れる時代にしたいものです。そんな中で、ラグビーの持つ規律、自己犠牲の精神、責任感、そして One for all, all for one の精神こそは、今わたしたちが一番大切にしなければならないものだと思います。みんなで強いスクラムを組んで、このラグビー精神を世界中に広げ、ラグビーを通じて世界に平和をもたらそうではありませんか」。
森会長の名スピーチには会場から大きな拍手が生まれ、2011年ワールドカップ日本大会をアジアの仲間、そして世界の友人たちが応援しているメッセージをIRBの首脳陣に伝えることができた。
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