2015年9月25日04時00分
新国立競技場の旧計画をめぐって、文部科学省の第三者委員会が24日、検証報告書をまとめた。問題の本質に迫れたのか。教訓として報告書から何を学べばいいのか。アスリートや建築家ら、旧計画から見守ってきた人たちに聞いた。
「神宮外苑に巨大なスタジアムは似合わない」と、旧計画の見直しを訴えた市民団体「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」共同代表の大橋智子さんは、報告書の内容に「新しい事実もなく、正直がっかりした」と言う。検証では、新国立競技場の将来構想や計画を審議する有識者会議のメンバーだった大会組織委員会の森喜朗会長へのヒアリングは実施されなかった。「当時何が話されてあんな計画になってしまったのか、第三者の視点から明らかにしてほしかった。せめて一連の調査で提出された資料は全て公開してほしい」と要望した。
2016年大会の誘致活動に関わった順天堂大学客員教授の鈴木知幸さん(67)は、なぜあんなに高額で巨大な施設が必要だったのか、その理由が明らかになるのではと期待していた。だが、報告書にはその問いへの答えは記されていなかった。「根本的な問題が明らかにされておらず、このまま新しい整備計画が進んでいったとき、同じ過ちが繰り返されないか心配だ」と指摘する。
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