フランス:揚陸艦、エジプトへ売却…対露輸出中止の2隻

毎日新聞 2015年09月24日 20時44分(最終更新 09月25日 02時15分)

 【パリ宮川裕章】フランス大統領府は23日、ロシアへの売却契約が解消されたミストラル級強襲揚陸艦2隻について、エジプトへの売却で同国政府と合意したと発表した。エジプトは今年、既に仏製戦闘機やフリゲート艦も導入しており、対テロ戦などを見据えた軍事関係の強化が、さらに進んだ形だ。

 フランスは2011年に総額12億ユーロ(約1610億円)でロシアと売却契約を交わしたが、昨年のウクライナ危機を巡り国際社会のロシア批判が高まり、今年8月に契約解消で合意した。この時フランスは、ロシアからの求めで、新たな売却がロシアの国益に反しないよう約束した。

 仏ルモンド紙などによると、今回のエジプトへの売却額は9億5000万ユーロで、サウジアラビアがエジプトに資金援助する。エジプト、サウジ両国は近年、フランスと軍事協力関係を強めており、仏側にも、中東地域での外交上の影響力拡大と、武器輸出促進につながるメリットがある。

 2隻は全長約200メートルの大型艦。エジプトへの売却後は地中海と紅海に配置される見通し。

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