自撮りが原因で事故死した人の数が、サメ襲撃による死者数を超える

2015年09月24日 21時15分

2015年09月24日 21時15分

flickr/ Susanne Nilsson
flickr/ Susanne Nilsson

テクノロジーの進歩は、これまでにない「死因」を作り出した。自撮りがそのひとつだ。

自撮りが原因となった事故で死亡する人が、最近目立ってきている。

海外ニュースメディア「Mashable」の調べによると、今年になって自撮りが原因の事故で死亡した人の数は、サメに襲われて死亡した人の数より多いとのことだ。

自撮りによる死亡者数は今年になって12人

2015年になってから今までのところ、自撮りを原因とする事故で死亡した人は、世界中で合計12人。

一方、サメに襲われて海水浴客が死亡したという事件は、話題にされる機会は多いが、今年これまでの死亡者数は8人。自撮りによる死亡例の方がはるかに多い。

危機感を持つ専門家

大学でスマートフォンが人間社会に与える影響を専門に研究するある専門家は、自撮りによる死者数の増加に「危機感を持っている」と言う。彼は海外メディアの取材を受けて次のように語った。

「自撮りの際にアクロバティックなパフォーマンスをする人が、最近、顕著に増えています。例えば超高層ビルからぶら下がったり、爆弾を手にしてみたり…」

インドの観光名所タージ・マハルで自撮りしようとした日本人観光客が、階段から転落死した事故は記憶に新しい。

「自撮りの最中は、自分をどう見せるかということに意識が集中してしまい、周囲が危険な状況になっていても気がつかないのだろう」と専門家は言う。

ロシア、オーストラリアは事故防止対策を開始

自撮りの危険性にいち早く気づき、対応している国もあるようだ。ロシア政府は、国内での自撮りによる怪我や死亡事故を受けて、「かっこいい自撮りが命取りになるかもしれない」というスローガンのキャンペーンを開始した。

またオーストラリア政府は、やむなく、転落の恐れのある観光名所での写真撮影を禁止することとなった。

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