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 政府は、中東からの難民支援策の一環として、シリア難民の若者を留学生として日本で受け入れる検討を始めた。受け入れ人数や選考方法、在留資格といった具体的な条件について、外務省や法務省などが詰めの調整を続けている。

 政府関係者によると、受け入れの対象として検討しているのは、内戦や過激派組織「イスラム国(IS)」の台頭による戦火を逃れて、シリア国内のほか、トルコやレバノンなど周辺国に避難して学習機会を奪われている若者ら。受け入れ人数は数十人程度とみられ、規模は限定的だが、若い世代の人材育成に貢献できると判断した。

 日本は、難民認定基準が主要国と比べて厳しいとされる。これまでに日本で難民申請をしたシリア人約60人のうち、難民認定したのは3人にとどまる。政府は基準の緩和は当面行わない方針だ。

 菅義偉官房長官は24日の記者会見で、難民支援について「最終的な詰めの段階に来ている。できるだけ早く支援ができるようにしたい」と語った。菅氏は「難民の希望も、地理的要因もある。欧州と日本は違う」とも指摘したうえで、「国際社会と連携しながら、何ができるのか検討している」と述べた。(武田肇、鈴木暁子)