横領容疑で検察の捜査を受けているアン・ジョンボク前慶南FC社長(59)が漢江に飛び降りたが救助されていたことが分かり、韓国プロサッカー界で再び「外国人選手をめぐる入団不正」問題がクローズアップされている。アン前社長は21日夜7時40分ごろ、ソウル市麻浦区の城山大橋北端から漢江に飛び降りたが、救助された。アン前社長は2013年から2年間にわたり慶南FC代表取締役を務めたが、エージェントの男(45)と組んで外国人選手と契約する際に年俸を水増しし、数億ウォン(1億ウォン=約1000万円)を横領した疑いで21日、釜山地検から事前拘束令状が請求されていた。アン前社長は容疑を強く否定しているとうい。エージェントの男は拘束された。
プロサッカーは以前にも同様の外国人選手不正で騒動になったことがある。04年にエージェントとチーム職員の間で裏金取引があったことが明らかになり、10人が拘束された。09年にはエージェントからわいろを受け取った現職の監督が初めてで拘束された。しかし今回は前社長がかかわっているとあって、さらに波紋が広がっている。アン前社長とエージェントの男は外国人選手を韓国で獲得する際、その選手の契約金や年俸を実際より水増しし、差額を手にしていた疑いが持たれている。
プロサッカー界は今回の事件を個人の不正問題と見ているが、まかり間違えば11年のプロサッカー八百長事件の時のように、興行に悪影響を与えるのではないかと懸念されている。他チームの元代表も検察の捜査対象になっており、捜査が拡大されるといううわさもある。
韓国プロサッカー連盟としても、不正を根絶するこれといった対策がないのが実情だ。各プロサッカーチームは外国人選手を登録する時、連盟に移籍同意書と契約書を提出するだけで良い。連盟関係者は「チームによって外国人選手の獲得方法が違うため、連盟があれこれ指図したり干渉したりするのは難しい」と言った。結局は各チームの自浄努力に期待するしかない状況なのだ。KBS解説者のハン・ジュンヒ氏は「各チームはエージェントにだけ依存せず、チームスカウトを長期間海外リーグに派遣するなど、外国人選手選抜システムを整備する必要がある。こうした不正が続けばリーグの質が低下するだけでなく、望ましくない状況が続くことも懸念される」と語った。