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<VW>欧州でも不正認める…組織的関与か、幹部4人辞任へ

毎日新聞 9月24日(木)23時47分配信

 【ロンドン坂井隆之、ベルリン中西啓介】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が米国でディーゼルエンジン車の排ガス規制を不正に逃れていた問題で、ドイツのドブリント運輸相は24日、同社が欧州での不正を認めたことを明らかにした。記者団の質問に答えた。不正の舞台が、北米からディーゼル車の最大市場である欧州に広がることが確実となったことで、問題はさらに深刻さを増した形だ。

【図でわかりやすく】VWによる排ガス規制逃れのイメージ

 また、ドイツメディアは24日、VWグループ技術開発責任者で子会社アウディ取締役のハッケンベルク氏▽VWのノイサー取締役▽子会社ポルシェのハッツ取締役−−の3人と、北米法人のホーン社長が、不正の責任を取って25日の監査役会で辞任すると一斉に報じた。4人が不正にどこまで関与していたかは不明だが、ホーン氏を除く3人は不正が起きた当時に開発部門の責任者を務めており、経営陣による組織的な関与の疑いも出ている。

 米環境保護局(EPA)によると、VWはディーゼル車に搭載した違法なソフトウエアを使って検査時にだけ排ガスの有害物質を低減させ、規制を逃れていたとされる。同社はこれまでに不正に関連する車両が全世界で約1100万台にのぼると発表していたが、北米以外の地域は明らかにしていなかった。

 ドブリント運輸相は、省内に設置したVW問題調査委員会で排気量1・6リットルから2リットルのディーゼルエンジンを搭載した車が該当することを明らかにし、「具体的な台数は近く公表する方針だ。VWと詰めの作業を進めている」とした。また、BMWやダイムラーなど、VW以外の独メーカーにも調査を実施する方針も示した。

 フランスのロワイヤル・エコロジー相は24日、VW以外の不正の有無を確認するため、仏大手ルノーなどが製造した自動車約100台の抽出調査を実施すると表明。欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会の報道官も同日、「EUの法令に違反する不正な車両が何台あるのかの全体像が必要だ」として、各加盟国に調査を求める方針を表明した。

 経営責任を巡っては、ウィンターコルン会長兼最高経営責任者(CEO)が23日に辞任している。

最終更新:9月25日(金)6時40分

毎日新聞

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