ロンドン=梅原季哉
2015年9月25日00時19分
2014年のノーベル平和賞受賞者、マララ・ユスフザイさん(18)が、朝日新聞とのインタビューに応じた。「無人機ではテロの思想を殺すことはできません。そうした考えをやめさせ、子供たちに銃を取らせたくないのであれば、本を与えなければなりません」と語り、各国が軍事よりも教育や医療に振り向けることこそがテロや過激思想に対抗する最善の道だと訴えた。
マララさんはパキスタンで女子教育を認めない武装勢力タリバーンに抗してブログなどで発言したことから、12年10月に銃撃された。英国に搬送され手術で一命をとりとめた後、英国に住みながら、あらゆる子供に対する教育の権利を求める運動を続けてきた。その姿を描いたドキュメンタリー映画「わたしはマララ」(日本では12月公開)が制作されたのを機に、監督らと共に、メディアを招いて記者会見し、個別のインタビューにも応じた。
マララさんは、ノーベル平和賞の賞金も含む「マララ基金」を使って、今年7月、シリア難民の女の子たちを受け入れる学校をレバノンとヨルダンに開いた。記者会見では、シリア情勢について見解を問われ、「今や何百万人もの子供たち、人々が難民となっている。世界が目を向けなければこの戦争は継続し、より多くの人たちが難民になり、より多くの子供たちが教育を奪われることになる」と語った。
日本人2人を含む人質惨殺など非人道行為を重ねる過激派組織「イスラム国」(IS)については、インタビューで「イスラムは平和の宗教で、イスラムという言葉自体が平和を意味する。その教えでは明確に、一人の人間を殺せば、それは人類全体を殺害することだと説かれている。残念ながら、自分たちが真のイスラム教徒だと称している人たちはイスラム教について真実の知識を持っていない」と批判した。
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朝日新聞国際報道部
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