日本叩きで知られるホンダ議員が「失職」の危機
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慰安婦問題など日本叩きで知られる米議会下院のマイク・ホンダ議員(74 民主党)が苦境に陥っている。
ホンダ議員といえば、下院連続当選8回のベテラン政治家で07年7月に慰安婦問題で日本を糾弾する決議を下院で成立させた張本人である。
そのホンダ議員が過去の選挙活動での一連の不正行為の容疑により議会当局の厳しい調査の対象となっている。
米下院の倫理調査部は、2014年下院選挙などにおける、同議員陣営の行動に関して以下の容疑を指摘した。
(1)支援者1000人から各1000ドルの選挙寄付を集める「千羽鶴作戦」を立法活動目的の資金や時間を費やして進めた。
(2)国務省高官を招き、有権者と懇談させる立法活動で参加者に選挙寄付を求めた。
(3)事務所の立法活動のための会合を観光地で頻繁に開き、選挙寄付集めの作戦の打ち合わせばかりしていた。
(4)有権者が外国訪問のビザを取得する作業に協力し、その見返りに選挙寄付を求めることを検討した。
以上の容疑が事実と立証されれば、連邦法違反となる。
倫理調査部はホンダ事務所のメール記録や同議員とその補佐官らからの事情聴取を基に報告書を作成、これらの容疑を「事実だと信ずる顕著な理由がある」と発表した。
なぜホンダ議員は強引な資金集めに走ったのか。その背景には、14年の選挙で、ホンダ議員の対抗馬となったインド系米人弁護士のロー・カナ候補(39)の存在がある。
同選挙においては、ホンダ議員を長年支援してきた在米中国系の反日組織「世界抗日戦争史実維護連合会」が、カナ候補の応援にまわったため、ホンダ議員は大苦戦、最終的にわずか5000票差で、勝ちを拾った。その過程のなりふりかまわぬ資金集めが、裏目に出たというわけだ。
ホンダ議員は倫理調査部の聴取に対し「自分たちの行動はいろいろな解釈ができる。ただたしかに適切にみえないこともあったようだ」と一部の容疑を認める答弁をしたという。今後、この案件は下院倫理委員会にまわり、下院全体としての公式調査がなされ、ホンダ議員への懲戒などの公式処分も考えられる。
“日本叩き”で名を馳せたホンダ議員の運命も、いまや風前の灯だ。