疲れを残さない生活習慣
忙しい毎日、疲れは残したくないもの。疲れにくい体はどうやって作ればよいのだろうか?
一般には、日頃の生活習慣である。疲れにくい体を作るのに重要なポイントは、代謝の促進、体温を上げる、運動を行う、の三点である。具体的には、良質の睡眠をたっぷり取る、お風呂でリラックスする、バランス良い食事を摂る、食べすぎには注意する、朝きちんと起きて、夜はしっかり寝る、軽い運動やストレッチを毎日行うなどである。
よく、運動は大切だというが、どの程度の運動をすればよいのだろうか?
40歳を過ぎるころから、誰もが自覚する「体力がなくなった」「無理がきかなくなった」。
そんな、疲れやすい皆さんに朗報である。疲れにくい体のカギ、スタミナを左右するのはズバリ、細胞内の「ミトコンドリア」。これを増やすことが、活力や持久力を向上させる決め手だという。
NHKの健康情報番組「ためしてガッテン!」では、疲れにくい体をつくるのにミトコンドリアが、重要な働きをしていることをわかりやすく伝えていた。
ミトコンドリアは細胞の中にある器官で、その働きは「体を動かすエンジン」。体の中のエネルギー源である、ATPを生産するのが主たる機能だ。
ミトコンドリアは、年とともに減ってしまい、ATPが十分に作られなくなると、若い頃のような馬力がきかなくなってしまう。
でもご安心。実は、「エネルギー不足の状態」をわざと作ってあげると、ミトコンドリアを増やす細胞のスイッチがオンになることが分かってきた。
例えば運動なら、たった1分「ちょいキツ」の動きで十分。さらには、食事のカロリーを抑えたり、空腹の時間を長くとることでもミトコンドリアは増えてくれることがわかった。
“ちょいキツ運動”でスタミナアップ!
スタミナ=持久力をアップさせるポイントは、細胞の中のミトコンドリアを増やすこと。
ミトコンドリアは、食事から得た糖や脂質、そして呼吸から得た酸素を使って、ATPという物質を作っています。ATPは、体を動かす“エネルギーのもと”。手足や心臓の筋肉、脳の活動など私たちが生きていくために欠かせないもので、スタミナの有無に大きく関係している。
ミトコンドリアは、30代以降減っていく。でも、暮らしの中に「あること」を取りいれることで、量を増やすことができる。それは、自分が少しキツイと思うくらいの運動をすること。
細胞の中には、「細胞内のATPの量」を監視している酵素がある。通常のウォーキングなどの場合は、それほどエネルギーを使わないためATPが不足することはなく、この酵素が働くことはない。でも、少しキツイ運動をすると、ATPが不足し、酵素の働き(スイッチ)がONに!より多くのATPを作ろうと、ミトコンドリアが分裂を始めて増えてくれる。
1分ずつ繰り返せばOK!
“ちょいキツ”の運動の例として、まずご紹介したのは「インターバル速歩」。「早歩き3分間→ゆっくり歩き3分間」×5回(計30分)を週に4日以上行うトレーニング法で、これまでも“筋力アップ”の方法として何度かご紹介してきた。実は“スタミナ(持久力)アップ”にも効果があった。
でも、仕事や家事が忙しく、1日30分も時間が取れないという人も多いはず。ご安心ください。ミトコンドリアを増やす“スイッチ”は、少しキツめの運動を1分続けるだけでONになる。通勤や買い物の合い間に、小まめに1分ずつ早歩きをしたり、エレベーターを使わず階段を上ったりするだけでもスイッチはONになる。
ポイントは「少しだけ、しんどいな」と思うくらいの負荷を体にかけること。動けなくなるほどキツイ強度は必要ない。外に出るのが面倒なら、家の中でスクワットを10回するだけでもOK。スイッチは1回ONになると、一定時間その効果が続く。小まめに繰り返すことで、ミトコンドリアが着実に増え、スタミナアップ=疲れにくい体を手にいれられる。信州大学の能㔟博教授の研究では、1週間に合計60分間積み重ねられれば以下のような効果があることが分かっている。
1週間後、汗をかきやすくなって夏バテしにくくなる。2週間後、2週間で体重が1キロ減少(*太り気味の人の場合)。 1ヶ月後、歩くのがラクになる 2ヶ月後、体が疲れにくくなる。
食事でミトコンドリアを増やす方法
ミトコンドリアは「カロリー制限」をしたり、「空腹感を感じる」ことでも増やすことができる。
「長寿遺伝子」というものが働くためだと考えられている。逆に食べ過ぎは、ミトコンドリアがATPを作り出すのに必要な量より、糖や脂質を摂取することになり、“メタボ”へとつながっていく。
とはいえ65歳以上の人は、やせすぎでスタミナ不足の場合が多いので、しっかり栄養をとることが大切である。ミトコンドリアを増やしたり、その働きを助ける栄養素もある。
イカやタコ、貝類などに多く含まれる「タウリン」は、ミトコンドリアを増やす働きがあるとされている。一方、ウナギや豚肉などに多く含まれる「ビタミンB群」、レバーなどに多く含まれる「鉄」は、ミトコンドリアがATPを作り出すのを助ける働きをしている。
参考 NHKためしてガッテン!: 疲れやすい体にサラバ!スタミナアップ若返り術
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