ドイツとEUを動かした"あの写真”にヤラセ疑惑が急浮上! 難民受け入れ「大混乱」の現場から

2015年09月18日(金) 川口マーン惠美
upperline
アイランが最初に流れ着いたとされる岩場 〔PHOTO〕gettyimages

いったい誰がそれを演出したのか?

アイランが流れ着いたのは、同じ海岸でも、実は、もっと岩場の他の場所だったのだが、そんな場所では報道写真としてインパクトが弱い。そこで、広々とした海岸に、あのうつぶせの姿で置き直したと主張しているネットのページがあるのだ。トルコの警察が、岩場に流れ着いたアイランらしき子供を抱きかかえている写真まで付いている。

ただ、この写真では、警官は後ろ姿だし、アイランは警官の陰になっていてよく見えない。そのため、私は、この写真についても100%は信じていない。このような写真は、作ろうと思えば、いくらでも作れるだろう。

でも、この話が本当だったとしたら、つまり、アイランの遺体が岩場から海岸に移され、そこで撮り直された写真が世界を駆け巡ったのだとしたら、「いったい誰がそれを演出したのか?」という疑問が残る。これによって、人道主義が高まり、EUでの難民受け入れが、一時的にではあれ、加速したことは事実なのだ。

儲かるのは誰か? 戦乱の地からどんどん難民を送り込んでいる密航斡旋業者? それとも、EUを撹乱しようとしている何者か?

実際問題として、数知れない国際犯罪組織が、アラブやアフリカからEUまでの道中のあらゆるところで、ぼったくり値段で人間を密輸している。人身売買の絡んだケースも多い。マフィアの財源になっているという噂もある。いや、イギリスの国際犯罪組織が噛んでいるという情報さえある。

また、難民の通り道となっているEU周辺国では、おそらくその業者から賄賂をもらって、違法行為に目を瞑っている役人も少なくないだろう。いずれにしても、難民の大移動は、今や大々的な犯罪組織の誘導の下で展開しているのである。

次ページ 対日世論を悪化させたヤラセ写真…
前へ 1 2 3 4 次へ

関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事