思いだすままに……(35)
今でも気になる事がある……。
息子の事故後、数週間が過ぎた頃だった思う。
京都府警○条署にて息子の事についての事情聴取を受けている時だった。
林○、河○警察官の立会いで、聞き取り調査が行われている時、河○警察官が
「事故当時、二十数台の通過車両が確認されていますので、目撃者がいないか確認を急いでいます。対向飛出し事故としては、少し疑問に思える事がありますので……」
との話しがあった。
その時、老齢な林○警察官の横顔に、逡巡ともとれる表情が一瞬浮かんだのは何だったのだろう……。
一瞬の表情が消えた時、林○警察官が河○警察官に視線を送った。
その瞬間の視線には上司としての威圧があり、その気配を察した河○警察官は沈黙した。
私は何かしら違和感を感じたが、その答えは見つからなかった。
七年も過ぎたと言うのに……、
あの時の異様な雰囲気が今も頭に残る。
何故、二名の警察官は西○運○、高○英○の、
「突然、車が対向車線から飛び出して来ました。慌ててブレーキを踏みましたが間に合わず、衝突してしまいました」
と言う証言を認めたのだろう。
何故、事故現場を目の当たりにして、高○英○の証言に疑問を感じなかったのだろう。
何かある……。
私には、そうとしか思えない……。
最高裁判所で結審された今……、全てが闇の中に消えて行った。
たとえ、最高裁判所で「棄却決定」されようとも、私は真実を追い続ける……。
何時の日か、必ず真実の分かる時が来る……。