VWの排ガス不正問題、BMWにも波及する恐れ-調査拡大
2015/09/24 21:40 JST
(ブルームバーグ):ディーゼル排ガス検査で不正を働いたフォルクスワーゲン(VW)の問題が、同業のBMWに波及する恐れがある。ドイツ政府は調査を拡大する方針を示している。
24日の株式市場でBMW株は一時9.7%下落。BMWのスポーツ型多目的車(SUV)「X3」のディーゼル車の排ガス量が、路上走行試験で欧州の規制による制限の11倍に達したとの独誌アウトビルトの報道に反応した。ドブリント独運輸相は排出量に関する無作為抽出検査の実施について、VW車だけが対象ではないと述べた。
VWの「クリーンディーゼル」車に排ガス検査の結果をごまかすためのソフトウエアが搭載されていたことが発覚し、自動車業界全体と検査方法が疑惑と監視の目にさらされることになった。欧州自動車工業会(ACEA)は23日、「これが業界全体の問題だということを示す根拠はない」との声明を出した。
アウトビルト誌によると、国際クリーン交通委員会(ICCT)がBMWのSUVの路上走行試験を実施した。VW車の排ガス検査の試験場と路上での違いについての米調査は、ICCTからの情報提供がきっかけだった。BMWは同社の自動車には試験場と路上で異なる反応を見せるシステムは組み込まれていないと説明した。
バンクハウス・メツラーのアナリスト、ユルゲン・パイパー氏は「BMWに違法行為があったと示唆されているわけではない。しかしどのメーカーもこうしたエンジンを搭載するため、ディーゼル自動車事業全般への長期的なダメージへの懸念はある」と話している。
原題:VW Cheating Scandal Threatens to Ensnare BMW as Probe Widens(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ベルリン Naomi Kresge nkresge@bloomberg.net;ベルリン Tony Czuczka aczuczka@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Chris Reiter creiter2@bloomberg.net
更新日時: 2015/09/24 21:40 JST