春日太一の「雪中行軍な人生」
時代劇・日本映画・テレビドラマなどの研究家・春日太一のブログです。
★
香取慎吾の座頭市の感想文について、今さらながらの真相
以前、この
ブログで香取慎吾版の「座頭市」について書いたことがあります。
http://
jidaigeki.no-mania.com/Entry/34/
それ以降、今でも「春日は香取座頭市を褒めている」という声をチラホラ聞きます。
しかし、これを読んでもらうと分かると思いますが、内容は全く褒めてないです。
ただ、書いてある通り、
スタッフワークと俳優陣は今でも本当に悪くなかったと思っています。
一つ残念だったのは、
香取慎吾の記述が結果として多くの方にピンと来ないものになってしまったこと。
実はパンフで殺陣師の菅原俊夫さんにインタビューをさせていただいた際、
香取の壮絶な役作りを聞いて感銘を受けたんですよね。
で、その勢いで本編を見て、こちらも心を動かされた。
ところが、実際のパンフでは
香取の役作りや現場でのハード過ぎる撮影ぶりのエピソードは
全てカットさせられてしまいまして。
なので、
「なぜ春日がこうも香取を評価しているのか」
自分と菅原さん以外には誰にも理解できない状況になってしまいました。
ただ、菅原さんほどの男が惚れ抜いた男ですから。
自分も心中したれ、という気持ちで飛び込んでいきました。
そこに関しては、今も後悔はないし
「あれがトラウマになって春日は新作評をしない」ということでもありません。
ただ、一つ気づいたのは。」現場の熱さは必ずしも観客には届かない・・・ということ。
当然といえば当然のことなのですが、
これが、一度「現場」の空気に触れてしまうと見えなくなってしまう。
だから、映画を語っていく上での熱さと冷静さのバランスの重要性については、
あれから凄く考えました。
おそらく、以前の自分だったら「進撃の巨人」に際しても町山智浩さんの熱に突き動かされて、
飛び込んでいった気がします
自分は基本的に直情的な人間だし、心意気を第一義に動くところがあるから、
「適温」で過ごすということは今後も難しいのかなと思っています。
ただ、「中の人間」に心酔し過ぎて「観客の目」を忘れてはならない。
その戒めはあります。
そこが、香取座頭市を経ての今の自分なのかな、と。
あえて、今さらになって、
今でもたまに聞かれることのある「香取座頭市」評への全てを書いてみました。
これでもまだいろいろと言う人はいるかと思いますが、
以上が自分の偽らざる全てです
PR
2015.09.24 (Thu)
01:00
感想いろいろ
Comment(0)
★
この記事へのコメント
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
編集用パスワード
コメント
Prev:
NKKラジオで時代劇の特番します!
Page:
[182]
[
181
]
[
180
]
[
179
]
[
178
]
[
177
]
Top:
春日太一の「雪中行軍な人生」
カレンダー
08
2015/09
10
S
M
T
W
T
F
S
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
リンク
春日太一のtwitterアカウント
日々は楽しい(大地丙太郎監督のブログ)
談話室オヤカタ(10分ほどコーナーをいただいているネットラジオ)
カインズ情報局
閑話休題(気鋭の活動弁士・片岡一郎氏のブログ)
木曜邦画劇場(週刊文春の連載が掲載されています)
カテゴリー
未選択 ( 2 )
告知(著書など) ( 85 )
告知(講演など) ( 35 )
近況 ( 33 )
役者 ( 7 )
感想いろいろ ( 8 )
時代劇事情 ( 5 )
大衆文学研究会 ( 1 )
最新CM
勉強になりました
[09/22 百々ちゃん]
追伸
[09/22 はぐれ道]
ちゃんばラジオ聴きました
[09/22 はぐれ道]
無題
[06/20 ピーチ]
無題
[05/10 さいとうちえ]
最新記事
香取慎吾の座頭市の感想文について、今さらながらの真相
(09/24)
NKKラジオで時代劇の特番します!
(09/21)
「春日太一、サンキュータツオ、宮地昌幸の偏愛映画放談」リンクまとめ003
(08/05)
入江悠監督との対談
(07/10)
週刊文春「木曜邦画劇場」3周年!
(06/28)
最新TB
プロフィール
HN:
春日太一
性別:
男性
職業:
著述業
自己紹介:
時代劇・日本映画・テレビドラマの研究家です。
バーコード
RSS
RSS 0.91
RSS 1.0
RSS 2.0
ブログ内検索
アーカイブ
2015 年 09 月 ( 2 )
2015 年 08 月 ( 1 )
2015 年 07 月 ( 1 )
2015 年 06 月 ( 1 )
2015 年 05 月 ( 4 )
最古記事
トークショーのお知らせ
(12/28)
『天才 勝新太郎』刊行
(12/29)
無念は湖の底へ?
(12/29)
こだわりの手帳
(12/30)
2009年を振り返る
(12/31)
アクセス解析
忍者ブログ
[PR]
Designed by
0x85ab
.