えちぜん鉄道:北陸新幹線の線路を走ります 3年間限定

毎日新聞 2015年09月23日 21時02分(最終更新 09月23日 21時45分)

北陸新幹線用の高架上に設けられた福井駅(中央)のホームに入ったえちぜん鉄道の車両。右手前は現在のえちぜん鉄道福井駅、高架左はJR福井駅=福井市で2015年9月23日午後1時25分、本社ヘリから森園道子撮影
北陸新幹線用の高架上に設けられた福井駅(中央)のホームに入ったえちぜん鉄道の車両。右手前は現在のえちぜん鉄道福井駅、高架左はJR福井駅=福井市で2015年9月23日午後1時25分、本社ヘリから森園道子撮影

 福井市の第三セクター「えちぜん鉄道」(愛称・えち鉄)は27日、まだ使われていない北陸新幹線の高架(高さ約8メートル)の一部を借り、3年間限定の営業運転を始める。阪急電車も東海道新幹線の開業直前の1963年に一時利用したが、地域鉄道の車両が新幹線の線路を走るのは初めて。23日は沿線住民向けの試乗会があり、約180人が珍しい体験をした。

 えち鉄は、半年で2度の衝突事故を起こした京福電鉄を引き継ぐため2002年に設立された。JR福井駅に隣接する福井駅と福井県勝山市などを結ぶ2路線があり、通常は1、2両編成で運行している。

 えち鉄は一部線路を高架化することにし、09年に完成していた北陸新幹線福井駅の高架部分約800メートルを工事期間中の「仮線」として借り、レールを敷いた。えち鉄は、高架から在来線につなげる斜面の線路も新設。福井と新福井の2駅は高架に移した。

 試乗会は福井−福井口間の約1.3キロであり、1両電車が5往復した。福井市志比口1の自営業、加賀健太郎さん(34)は「新幹線から見える景色を先取りでき、わくわくしました」と話していた。【村山豪】

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