もうすぐ大学が始まる。
東京よりも鬱屈とする京都では冬になると大学でもトップクラスに汚い、自分も他人も見ていられない肌はさらに血やら膿やらを吐き出しカオスになるし、女はタートルネックやらを着て胸を強調してくるだろうから生きるのが苦しくなる。
親の年収が数千万円でも自分は生きているのが苦しいのだから、やはり金ではもう如何にもこうにもならないのだろう。
でもどうして生きているかというと、父の作った人形がある街で4桁の番号をもらえるかもしれないのだ。
4桁の番号を手に入れると自分は数十億円の資産が手に入るそうだ。
しかし、父親が死ぬと全てがおじゃんになる。数十億円の資産も入らないし、父が稼ぐ金はなくなる。
ただでさえキモい容姿はより年をとり酷く醜くなるのは確定済みだ。
もし、父が生き続けて、数十億円の資産が入っても今の醜い肌や髪、全て、腎臓は治らない。
どうにもならないのはわかっている。
だけど、人形が4桁の番号をもらって容姿が変わらないことに絶望するまでは生きたい。
もしくは4桁の番号がもらえないと分かったときまでは。