東証:今年2番目の上げ幅 561円高の1万9136円

毎日新聞 2015年08月28日 20時20分(最終更新 08月28日 22時02分)

 ◇上海市場も連日の大幅高 連鎖的な世界株安への警戒感和らぐ

 28日の東京株式市場は、前日の米国市場で株価が大幅上昇した流れを引き継いで3日続伸した。日経平均株価の終値は前日比561円88銭高の1万9136円32銭と、1週間ぶりに終値で1万9000円台を回復。上げ幅は今年2番目の大きさだった。中国・上海市場も連日の大幅高になるなど、連鎖的な世界株安への警戒感が和らいできた。

 28日の東京市場は、外国為替市場の円相場が1ドル=121円前後の円安水準となったことや、米先物市場で原油価格が急上昇したことから、自動車などの輸出関連株や、石油や商社などの資源関連株が大きく買われた。東証1部上場企業の96%が上昇する全面高の展開となった。

 日経平均は中国経済の減速懸念を受けた世界株安で、25日までの6営業日で計2800円超下落したが、懸念が和らいだ26日からの3営業日で計1300円超上昇し、下げ幅の半分近くを取り戻した形となった。

 一方、中国市場は、代表的な指数である上海総合指数が2日連続で大幅上昇した。終値は、前日比4.82%高の3232.35だった。9月3日に予定されている軍事パレードを控え、軍需関連株などが値上がりした。ただ、「政府系金融機関が買いに入った可能性がある」(市場関係者)との指摘もあり、上昇基調が続くかは依然、不透明だ。

 今後の市場の関心は、米国が9月に利上げに踏み切るかどうかに集まっている。SMBC日興証券の丸山義正シニアエコノミストは「今後発表される中国の経済統計が良いと米国が判断すれば、利上げ決断の引き金となる。確率は40%だ」と予測している。【鈴木一也、北京・井出晋平】

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