このほど、東京歯科技工専門学校(大塚弘介校長)が、平成20年度の生徒募集を停止し、37期にあたる現在の1年生が卒業する2010年3月に閉校となることが、明らかになった。以前から、全国の歯科技工士養成機関の運営の厳しさは、関係者の間で指摘されていた。事実、地方での募集停止・閉校が、近年顕著になっていたが、今回のように都市圏での募集停止は初めてであり、関係者には衝撃を与え、今後への影響を懸念する声が出ている。東技専は、数年前から憶測や噂はあったが、学校当局は、毎年懸命な努力をし続け、OBへの生徒獲得への協力依頼、東歯大関係者への協力要請などの努力にもかかわらず学校運営を断念せざる得ない状況に至ったようだ。特に数年前から募集に腐心していたが、高校の進路指導でも、歯科医院経営の厳しさを指摘するマスコミ報道もあり、歯科技工士への展望は、厳しいという評価で一致しているのも、原因とする指摘もある。
こうした背景の中で、全国歯科技工士教育協議会の機能への不満を示す学校関係者もおり、その一人は「歯科界の現状認識を踏まえ、対外的PR、情報共有、連携などの対策を議論するのが、遅きに失した感がある」と述べている。さらに、今回の事態を関係者は次のように受け止めている。「他の学校を含め憶測や噂は、聞いていたので、驚きはありません。小細工をして対応できる状況ではないということ」「これからも、続いて閉校する学校が出てくると思う」「疾病構造の変化で、確かに補綴物が減少するが、歯科医療の質を考慮すれば、問題になるのは当然」「本当に歯科技工士がいなくなり、いま話題の中国に技工物を依存することになるかも」。 東京歯科技工専門学校は、1972年厚生省の認可を得て歯科技工士教育を始め、1976年には、専修学校法による専門学校になり、吉田亨氏(セラミック・ブレスデンタルラボ)、生田龍平氏(総義歯・フェリーチェ)、山口芳男氏(インプラント・フェスタデンタルテクノロジー)など、その分野で活躍しているOBがいる。 ■
[PR] by dentwave | 2009-01-15 13:56 | 歯科技工士関係
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