早野透=桜美林大教授・元朝日新聞コラムニスト
2015年9月22日15時45分
戦争に行く――。かつて出征する若者に使われた言葉がまた使われるようになるのかもしれない。そのとき日の丸を振って見送るのかしら。
参院で、安保法案の採決が迫った9月18日の金曜日、わたしも国会正門前のデモ集会のなかにいた。曇り空、雨ぱらつく。
野党の議員や教授や評論家がマイクを握って演説する。
きょうは何の日か知っていますか、1931年9月18日は満州事変が起きた日、日本の侵略戦争が始まった日ですよ、そんな日に戦争法案を成立させるなんて、などと演説した人もいた。
よくまあ連日連夜、ここに集まったな。若い人、ミドル、高齢者、車いすの人。
隣のお爺(じい)は「ここに来たのは55年ぶりだよ。60年安保騒動のとき、おれ捕まったんだ」と若き日の武勇伝を語る。
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