【シリコンバレー=兼松雄一郎】米サンフランシスコ市は22日、市内の公立公園に従軍慰安婦の記念碑を設置することを決めた。中韓系の住民を中心とする戦後70年を記念した取り組みで、米国の主要都市での設置は初めて。米国では慰安婦問題は一般的に「女性の人権問題」として捉えられており、サンフランシスコのようなアジア系やリベラル派が多い地域では記念碑や像の建設運動が盛り上がりをみせている。
記念碑の建設は「人身売買や女性への暴力に反対し、過去の過ちを記憶するため」との趣旨で、市議会では満場一致で可決された。建設運動は中華系米国人の政治家を中心に、現地の韓国系や日系米国人の団体、人権団体も巻き込み、組織化された活動が展開された。慰安婦の碑や像は米国ではこれまで、カリフォルニア、ニューヨーク、ニュージャージー、ミシガンなどの州の郊外で建設されてきたが、大都市の中心部にはなかった。
サンフランシスコ