なんという皮肉…… 民主党議員の「暴力行為」が、集団的自衛権の必要性を証明してしまった!

2015年09月21日(月) 高橋 洋一
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民主党に学ぶ集団的自衛権

2.小西洋之参院議員のダイブについては、ちょっと不謹慎かもしれないが、この乱闘は、集団的自衛権を説明するのに好都合だと思った。本コラムの読者であれば、筆者が、国家の集団的自衛権を個人における正当防衛と対比して説明しているのをご存じだろう。

刑法で正当防衛を定めた第36条では、「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」(第1項)とされ、「他人の権利を防衛する」がある。英語でいえば、自衛も正当防衛もまったく同じ言葉(self-defense)である。

自国のための自衛を個別的自衛権、他国のための自衛(他衛)を集団的自衛権という。両者は一体になって自衛である。詳しくは、2014年5月19日の本コラム(「飼い主を守る猫」でも行使する「集団的自衛権」に反対するマスコミの国際感覚の欠如 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39296)をご覧いただきたい。

そこで、筆者はツイッターで、

「民主党小西洋之氏の鴻池委員長に対する攻撃。自民党佐藤正久理事の拳。佐藤理事は鴻池委員長の防衛のためで『他衛』。やはり集団的自衛権は必要だ笑」

とつぶやいた(https://twitter.com/YoichiTakahashi/status/644725585596428288)。

ネットの上では、次の画像もたくさんでている。

 これは、一つの画像で、ぴったり集団的自衛権を言い表している。

民主党は、佐藤正久氏(自民党)の拳が暴力と言うだろう。動画を見れば、鴻池氏を守るための「正当防衛」であるが、民主党では集団的自衛権を否定している人も多いので、他人を守るのは「正当防衛」ではないというロジックになるからだ。

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