13歳・藤井聡太二段 将棋界の歴史を塗り替える可能性を秘めた逸材 

2015年9月22日11時34分  スポーツ報知

 将棋界の歴史を塗り替える可能性を持った少年が、関西奨励会にいる。2002年生まれの藤井聡太二段(13)は5歳で将棋を始め、小学4年の2012年9月に6級で奨励会に入会。順調に昇級、昇段を重ねている中学1年生だ。

 愛知・瀬戸市の自宅から対局のたびに大阪までやって来る。このため普段の勉強はインターネット対局がメイン。奨励会幹事の山崎隆之八段(34)は「他の人と群れることがないので、周囲も近寄りがたい独特の雰囲気を持っている。これはトップを走る人に共通する部分」と強さを分析する。

 一流棋士に必須の「終盤の強さ」も並外れている。これはトッププロも参加した今年3月の「詰将棋解答選手権チャンピオン戦」で優勝したことで証明された。小学低学年の頃から詰将棋創作にも熱心だったという藤井二段。現在は師匠の杉本昌隆七段(46)の助言もあり、「解く方」に専念しているそうだ。

 21日の対局は2連勝すれば史上最年少13歳2か月の三段昇段という状況だった。残念ながら2局目に敗れて史上初の13歳でのプロ入りもなくなったが、最年少棋士になるチャンスは残されている。最速でいけば来年9月中に14歳2か月で四段に昇段し、加藤一二三九段(75)の記録を5か月更新する。

 目標の「中学生プロ」は過去に4人しかおらず、加藤、谷川浩司九段(53)、羽生善治名人(44)=王位、王座、棋聖=、渡辺明棋王(31)とスター棋士ばかり。それでも、規格外のスピードで出世を続ける彼なら…と期待せずにはいられない逸材だ。(吉村 達)

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