4歳男児暴行死:病院は「虐待の疑い」児相に通告していた
毎日新聞 2015年09月21日 22時47分
札幌市手稲区で17日、4歳男児が義父に殴られて死亡した事件で、男児が持病の治療のため入院していた同市内の病院が1日、同市児童相談所に「体にあざがあり、虐待が疑われる」と電話で通告していたことが21日、児相への取材で分かった。児相は両親らへの面会などから、「虐待は裏付けられない」と判断し、一時保護などは行わなかった。
この事件では、17日午前1時半ごろ、札幌市手稲区新発寒7の2の運送業、宮北明容疑者(24)=傷害致死容疑で逮捕=が自宅で義理の息子の海人ちゃん(4)を殴り、出血性ショックで死亡させたとされる。道警札幌手稲署は21日、宮北容疑者を札幌地検に送検した。
児相は病院からの通告を受け、3日に海人ちゃんと母、8日には宮北容疑者とそれぞれ面会した。両親はあざの原因を「転んだため」などと説明し、あざも古かったことから、児相は子育て支援をしながら様子を見ることにした。海人ちゃんは14日に退院し、3日後に死亡した。
児相の山本美皇子(みおこ)相談判定2課長は「命が失われたことを深刻に受け止め、対応については今後、検証していく」と話した。【小川祐希】