【社説】韓・米・中・日・露を敵に回した北に韓国は備えを

 北朝鮮が核実験、あるいはミサイル発射を行う可能性が高いとみられる朝鮮労働党創建記念日(10月10日)が近づいていることを受け、国際社会から北朝鮮に向けて発せられる警告やメッセージが以前とは異なった様相を示し始めている。まず米国のケリー国務長官は16日「北朝鮮の核の脅威を終わらせるには、今のような経済制裁だけでは不十分だ」とした上で「(経済)制裁以上の手段が必要になるかもしれない」と発言した。また中国の王毅外相は19日「6カ国協議の参加国は国連決議を実行する義務があり、韓半島(朝鮮半島)の緊張を高める恐れのあるいかなる行動もしてはならない」「東北アジアの平和と安定という大局を混乱させるいかなる考え方や行動も、決して成功しないだろう」などと述べた。これらはいずれも、また誰が見ても核実験などについて公言している北朝鮮を念頭に置いた発言であることに間違いない。

 ロシアも近く安全保障政策の責任者を韓国に派遣し、北朝鮮問題について意見を交換することになっており、また今月14-18日に開催された国際原子力機関(IAEA)総会では、中国とロシアを含む165の加盟国が、北朝鮮の行動に懸念を表明する決議を採択している。その結果、以前のような北朝鮮・中国・ロシア対韓国・米国・日本という構図は誰が見ても成立しなくなっており、それに代わって韓国・米国・中国・日本・ロシア対北朝鮮という新たな構図が少しずつ鮮明になりつつあるようだ。

 北朝鮮はこれまで自分たちが行った核実験やミサイル発射の代償をまともに払ったことがないだけでなく、逆に挑発の規模が大きくなればなるほど、彼らが手にしたのは損害ではなくさまざまな形の支援だった。しかしこのような異常な状況がいつまでも続くわけがない。国際社会は北朝鮮による地雷埋設とそれを受けた一連の動きの中で、これまでになかった北朝鮮の弱点をしっかりと見極めた。それは北朝鮮に対する中国とロシアの忍耐がすでに限界に達していることだ。

 このような状況にあっても北朝鮮が再び核実験あるいはミサイル発射を強行した場合、北朝鮮は世界が以前とは異なった形で自分たちに対するのを目の当たりにするだろう。それは形だけの制裁により事実上の免罪符を北朝鮮に与えていたのとは違う世界だ。その新しい世界の中では、北朝鮮がどのような挑発行為を行ったとしても、その置かれた立場や運命が一層苦しくまた不透明になることだけは間違いない。ところがそれでも北朝鮮は19日「米国が被る核の惨禍は想像を絶したものになるだろう」と表明した。しかしこのような虚勢は今や誰も注目さえしない。米国の6カ国協議主席代表を務めるソン・キム氏は20日、検証可能な非核化を前提とした対話をあらためて提案した。このような米国の態度を見ても、今や北朝鮮に選択の余地などなくなってしまったことが分かる。ただしそれでも北朝鮮は国際社会が差し伸べた手を引き続き振り払う可能性が高いことから、韓国はそれによってもたらされる新たな局面への備えに早急に取り組んでおかねばならない。

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