安保法成立で自衛隊の活動拡大を急ぐ日本政府

 安保関連法案の可決後、安倍内閣の支持率は共同通信の調査で前月に比べ4.3ポイント低い38.9%、読売新聞の調査で4ポイント低い41%に低下した。国民の過半数が反対する法案を力で押し通した安倍政権に対し、日本国民も不安を抱いていることを示している。

 しかし、日本政府はそうした不安感を無視したまま、安保関連法が成立するや、直ちに自衛隊の活動を拡大し始めた。

 読売新聞によると、日本政府が米軍の後方支援を行う手続きを定めた「米日物品役務相互提供協定」の改定案を秋の臨時国会に提出することを決めた。同協定は米軍と自衛隊が共同作戦を行う際、燃料などの消耗品を相互に迅速かつ効率的に提供するためのものだ。安保関連法の改正で自衛隊が世界のどこへでも出動し、同盟国の艦船、部隊を護衛できるようになったことと関連がある。

 防衛省が最近、2016年から追加導入する戦闘機空中給油機3機を決定する際にも米軍機に空中給油を行うことを念頭に機種を選択した。中谷元防衛相は「新たな任務を遂行するためには、装備、訓練などを含め、確かな形で自衛隊を派遣すべきだ」と述べた。

 日本政府はまた、安保法案が可決されたことを受け、直ちに自衛隊の海外任務を拡大する動きを見せている。NHKによると、防衛省はアフリカの南スーダンで平和維持活動(PKO)を行っている陸上自衛隊に「駆けつけ警護」など新たな任務を加えることを検討している。出動警護とは自衛隊が緊急事態が発生した地域に出動し、外国の部隊を警護することを指す。

 自衛隊と米軍の共同訓練も活発に行われる。海上自衛隊は今月末から10月初めまで米ハワイにある米軍訓練場で射撃演習を実施する。8月にも防衛省は海上自衛隊員3000人が参加する図上演習を実施した。中国と領土紛争になっている尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺を念頭に置いた離島防衛訓練だったという。12月には埼玉県の航空基地で自衛隊創設以来初めて、海外に抑留された日本人を救出する演習も実施する計画だ。

 読売新聞によると、安倍晋三首相は来月の内閣改造で安保関連法の可決に功績があった中谷防衛相と岸田文雄外相を留任させる方針とされる。安保関連法の処理過程で「必ず国会の今会期中に成立させなければならない。緊迫感を持て」と与党議員を促した谷垣禎一・自民党幹事長も留任する見通しだ。

東京=キム・スヘ特派員
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