関東・東北豪雨:常総市 避難勧告エリアメール配信せず

毎日新聞 2015年09月21日 20時09分(最終更新 09月21日 21時52分)

堤防の復旧工事が進む鬼怒川の決壊現場=茨城県常総市で2015年9月21日午前10時20分、徳野仁子撮影
堤防の復旧工事が進む鬼怒川の決壊現場=茨城県常総市で2015年9月21日午前10時20分、徳野仁子撮影

 茨城県常総市は21日、関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊した10日に、避難指示や避難勧告に関する携帯電話などへの「エリアメール」を配信していなかったことを明らかにした。市は「防災行政無線で伝えることを優先した。メール入力の余裕はなかった」と説明している。

 エリアメールは、携帯電話会社3社のメール機能を使って緊急情報を一斉に知らせる仕組みで、常総市は2012年3月から運用を開始した。10日に配信したのは午前7時14分の大雨注意情報、午後3時10分の避難所開設情報など7回。午前2時20分以降、計10回出した避難指示・勧告は抜け落ちていた。

 メールの配信作業ができる市職員は市安全安心課の4人。手が空いた人が対応することにしていたが、当日は防災行政無線や消防などとの連絡に追われ、手が回らなかったという。これまでの防災訓練でもメール配信を実施しておらず、同課の斎藤健司課長は「あらゆる手段で情報を伝えるべきだった」と話している。【玉腰美那子】

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