ジュネーブ=上遠野郷
2015年9月21日21時48分
沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は21日昼(日本時間同日夜)、スイス・ジュネーブの国連欧州本部内で開かれたシンポジウムで講演し、沖縄に米軍基地が集中する現状について「県民の自由と平等と民主主義が無視され、自己決定権がないがしろにされている」と訴えた。
翁長氏は同日午後には国連人権理事会の定期会合で同様の考えを説明し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の県内移設反対を主張する。
シンポジウムは「沖縄における軍事化と人権侵害」と題し、東京の人権NGO「市民外交センター」や、翁長氏を支える市民団体などが主催。翁長氏は、人権理事会に参加する外交官やNGO関係者ら約50人を前に20分ほど講演した。
翁長氏は講演で、琉球王国が日本に組み入れられた明治初期の琉球処分や、県民の4人に1人が亡くなったとされる沖縄戦、米軍基地が集中していった戦後の歴史などを説明。選挙などで普天間の「県内移設反対」の民意は示されているとして、日本政府が名護市辺野古への移設計画を進める現状を「非常に理不尽さを感じる」と批判した。
米国に対しても、「日本の国内問題」との立場を崩さない姿勢を問題視。「(米軍基地を)国民全体で負担できない日本政府のせいなのか。知らんぷりを決め込む米軍のせいなのか。辺野古に基地をつくろうとする真犯人が誰なのかを考えてほしい」と呼びかけた。
翁長氏は現地時間の21日午後3時(日本時間午後10時)からの人権理事会の定期会合にも出席し、沖縄の現状について発言する。(ジュネーブ=上遠野郷)
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