海上保安庁は19日までに、火山活動による面積拡大が続いていた小笠原諸島・西之島(東京)で、海岸線が後退し、面積がわずかに減ったと発表した。波による浸食とみられる。2013年11月の噴火以来、同庁の観測で明らかな面積減少が確認されたのは初めて。
海上保安庁が16日、航空機で上空から観測した。面積は東京ドームの約57倍に当たる約268ヘクタールで、前回8月19日観測の約272ヘクタールより減少した。火山ガスの放出や溶岩の流出は続いており、今後また面積が拡大する可能性はあるとみている。
同乗した東京工業大火山流体研究センターの野上健治教授は、火山ガスが火口周辺の噴気帯から漏れ出していることから「ガスが火口直下にたまらず噴火が減少したと推察されるが、活発な火山活動は続いていると考えられる」と分析した。〔共同〕
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