パパ甘く考えてました。
日当たりって大事だね!こんばんはかまどです。
いつも「グレーテルのかまど」をご覧頂きありがとうございます。
番組のホームページに何だか気になるリクエストを発見。
「ハルヴァ」?「米原万里さんのハルヴァ」?「ハルヴァ」?何でもおいしいなんてもんじゃなく一口でとりこにされる味だとか。
ハルヴァってね米原万里さんのエッセーに出てくるお菓子で読んだ人はもう食べたくて食べたくてもうたまらなくなるんだって。
何だろう?気になるわ。
米原万里さんとはゴルバチョフさんの後ろにいる女性ですよ。
ロシア語通訳の第一人者で作家としても活躍した方です。
彼女が書いた「旅行者の朝食」という本に出てくるハルヴァという謎のお菓子に皆さん魅了されちゃったって訳ね。
米原万里さんが絶賛したハルヴァって一体どんなスイーツなのかかまどがお教え致します。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末裔が暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
う〜ん!サ…サンバ。
ク…クク…クサ。
分かんないな。
これ一体どこの言葉なの?クサ…クサ…。
な…何苦労してるの?いやちょっと姉ちゃんのこの文字が解読できなくてさ。
何だろうか?ハホハホ?えっ何?何て言った?ハラショースパスィーバパジャールスタ!えっ?ボルシチピロシキフロシキナベシキイイカゲンニシトキ。
ちょっ…待って待って途中から日本語になっちゃってるから。
あれでしょ?ロシア語でしょ?そうなのよ。
ロシア語って事は分かったけど。
それは分かったの?あれ何て書いてあるの?あれは。
伝言は「ハルヴァを作って!」って事です。
「ハルヴァを作って」。
一体どんなお菓子なのか全く分かんないんだけど。
かまどもねはるか昔に食べた事があります。
記憶がうっすらとしてますので今回ちょっと無理です。
いやちょっとかまどだけが頼りなんだから。
これちょっと教えてよ。
分かった。
記憶を呼び戻して頑張ってみたいと思いますがついてきてくれますか?という事で今宵ひもとくのは米原万里のハルヴァ。
私は宮澤首相そして日本国民に対してG7サミットをこれだけすばらしく準備されて下すった事に感謝致します。
ロシア語の同時通訳者として活躍した…来日した要人と共に歴史の転換期に立ち会ってきました。
後に作家へ転身。
数々の名著を発表した彼女が食べ物について書いたエッセー「旅行者の朝食」の中にハルヴァが登場します。
米原さんとハルヴァの出会いは1960年代のプラハ。
父親の仕事の関係で9歳から14歳までをここで過ごしました。
当時この町で彼女は旧ソビエトが作った学校に通っていました。
授業は全てロシア語のインターナショナルスクール。
さまざまな国の子どもたちが学んでいましたが初めは言葉が全く通じず孤独を味わったといいます。
異国での生活になじんだ頃旧ソ連から来た女の子イーラがふるさとのお土産としてくれたのがハルヴァでした。
見た事も聞いた事もないお菓子ハルヴァとの出会いでした。
同じ学校に通い一緒に食べたという妹のユリさんは…。
とにかく初めて食べる味で濃厚ですよね。
フワッと口に溶けてあっおいしいってみんな思ったけどあっという間に消えました。
しかしその味の記憶が消える事はありませんでした。
手に入らないからというのはあるんじゃないですか。
だってチョコレートだったらあちこちで手に入るし。
ある時期から日本って何でも手に入る所になっちゃったけど。
簡単に手に入れる事ができないからこそ米原万里さんのハルヴァへの思いは募っていったのです。
どう?ハルヴァの事書いてるページ見つかった?え〜っとね…うん見つかったよ。
え〜?何だかこれ難しそうだね。
できるか不安だしサボンソウって初めて聞いたしね。
サボンソウっていうのは材料を泡状にするのに必要な薬草なんだけど家庭で手に入れるのはなかなか難しいのよ。
ああそうなんだ。
だから今回はかまどが我が家でできるレシピを考えてみました。
おっありがとうかまど。
はい。
ハルヴァとはどんなお菓子なのか。
手がかりを求めたのはイーラのふるさと旧ソ連。
ロシア語の語学番組でもおなじみハルヴァが大好きというオクサーナさんに聞きました。
ハルヴァはやっぱり手間ひまかかるせいかあんまり家で作るよりはどこの店でも売ってたのでみんな買って食べてたと思います。
そう言って見せてくれたのは…。
これは家にあったハルヴァなんですけれどもちょっと開けてしまいまして。
私も1切れ味見をしてしまったんですけれども。
こんな感じです。
これがハルヴァ。
不思議な姿ですがどんな味なんでしょう。
旧ソ連の国々ではひまわりの種をペーストにして砂糖を入れたハルヴァが一般的だとか。
イーラがくれた缶のように容器に入ったものもあるんです。
(オクサーナ)友達のうちに親戚のうちに遊びに行く時は手土産として持っていったり。
人を招いたりした時もそれを出したり。
まあお茶の友ですね。
同じようなもの似たようなものはあんまりないので何か代わりになるものはないから。
実はハルヴァはごまやナッツ小麦粉で作るものなど多種多様でモロッコから中国まで広い地域で食べられているとの事。
ハルヴァという名前もそもそもはハルワというアラビア語が基になっているとか。
イスラムの食生活の歴史に詳しい専門家に伺うと…。
11世紀に書かれた書物にも「ハルワは作り方も種類もさまざま。
ただし砂糖が使われる」と記されています。
では中東生まれのハルワがなぜ広い地域で食べられるようになったのでしょうか。
イスラム商人が各地にもたらしたハルワはその後のイスラム王朝の支配によって根づいていったと考えられるそうです。
1,000年前最先端の文化を誇ったイスラムのお菓子。
ハルワに出会った人たちにとって…当時の人々の目にハルヴァはおしゃれでぜいたくなお菓子として映ったのではないでしょうか。
これまずはハルヴァのベースとなる材料を決めなきゃいけないんじゃない?これらが使われているみたいなんだけど。
米原さんのエッセーには旧ソ連の出身の女の子のお土産だって書いてあったじゃない。
じゃあひまわりの種でいってみましょうよ。
いってみようか。
じゃあ味のキメテを言ってみて下さい。
米原さんがエッセーに書いていたような味を目指します。
まずはベースを作っていきましょうか。
OK!ロシア語で「ダー」っていうのよ。
ダー!ダーでお願いします。
ダーダー。
ハラショー。
じゃあここでオキテどうぞ。
ひまわりの種をローストしていきますよ。
重ならないようにしてくれたらそれを170度のオーブンで15分ぐらいローストして下さい。
こうやってローストする事で種の水分を飛ばして油分を残しますよ。
何か香ばしいいい香りが…。
するでしょうするでしょう。
入れちゃって。
入れた。
さあして下さい。
いきますよ。
どのくらいだ?それがペースト状になるまで。
これ結構時間がかかりますね。
何かちょっと固形に…あっちょっとペースト状に。
それでいい。
植物油入れてみて。
見えるの?そっから。
うん。
何かおみそみたいな。
みそじゃないけどね。
うんそれは分かってる。
もう一回じゃないの?どう?OK。
結構これとろっとしてきた。
OK。
ダー!ダ…ダー!子どもの頃に食べた一口のハルヴァに魅了された米原万里さん。
仕事でイーラのふるさと旧ソ連を訪れる度に記憶の味を捜しました。
捜し求める事およそ20年。
米原さんはついにその味に再会します。
それはギリシャのハルヴァでした。
思い出の味に重なったというギリシャのハルヴァとはどんなものなのでしょうか?アテネから50kmほど離れたドラペツォーナという町にある老舗のハルヴァ作りの様子です。
熱した砂糖水を強く混ぜ白いキャラメルを作ります。
110度になったキャラメルをごまのペーストに注ぎ熱い状態のまま混ぜていくと…。
ペースト状だった生地が次第にふんわりまとまってきます。
この時に抱き締めるように混ぜるのがポイントだとか。
ギリシャでは宗教上動物性の食品を避ける時期によく食べられるというハルヴァ。
確かにごまと砂糖で作られたハルヴァは栄養満点のスイーツですね。
続いての材料は見て下さい。
卵白と粉砂糖ですけれども。
オキテどうぞ。
1対5って何の事?卵白1に対して粉砂糖が5という事でございます。
これ大事なんだ。
これ大事なので覚えて下さい。
サボンソウは材料を泡状にするのに大切な役割をするって言ってたでしょ。
だからね卵白と粉砂糖を1対5にする事でサボンソウの代わりにしますよ。
はあ〜。
これ練るように混ぜるのかな?じゃあね。
真っ白しろになった?そんなもんかな。
そして生地を作っていきます。
はい。
鍋にまずはバターをね。
溶けたら火を止める。
小麦粉入れた。
小麦粉。
入れた。
はい。
軽く色づいてくるまで。
あっ色づいてきたよ。
OK。
じゃあ火を止めて。
今度はペーストね。
さっき作ったやつ入れます。
混ざったらここにクローブとカルダモンを入れます。
神秘的な香辛料の味もね書いてあったもんね。
どうよ?その香り。
あっすごいしてきた今。
そうでしょう?すごい。
ハルヴァについて調べるうちにパリから上海まで自転車で旅しながら各地のお菓子を研究しているという方のホームページを発見!調理師専門学校で学んだあとパンやケーキの職人をしていたという林周作さんに各国で出会ったハルヴァについて聞いてみました。
その後ボスニア・ヘルツェゴビナへ移動した林さんはカフェーでフランスと同じゴマペーストのハルヴァを発見。
その後訪ねたトルコではなんとハルヴァの専門店があったそう。
こちらもトルコのハルヴァでウン・ヘルヴァというのだとか。
旧ソ連のアルメニアで出会ったのはやっぱりひまわりの種を使ったハルヴァ。
クローブとハチミツが利いた個性的な味だったそう。
アゼルバイジャンでは温かいピタパンに包んで食べる小麦粉とくるみのハルヴァ。
ウズベキスタンではコットンオイルとミルクのハルヴァ。
とっても滑らかな口当たりだったとか。
そしてインドにもありました。
林さんどうもありがとう。
まだ旅は続くとの事。
くれぐれもご無事で!それにしてもさあハルヴァって一口に言ってもいろんな種類があるんだね。
すごいねえ。
うん。
じゃあシロップ作りますよ。
はい。
水と砂糖。
ハチミツを入れて130度になるまで煮詰めますから。
おいしいんだよね懐かしの。
ハチミツのいい香りが。
グツグツいってるねえ。
おっ130度!はい火を止めて下さい。
はいオキテどうぞ。
材料の温度が下がらないように手を休めずに作っていきます。
卵白と粉砂糖のペースト入れます。
それがサボンソウの代わりなのでどうなるかと言いますと…。
まだまだまだ混ぜて混ぜて混ぜて。
お〜お〜!お〜お〜!来た来た〜!サボン来た〜!ええ〜!何これ?ちょっとびっくり。
サボンソウはねシャボンソウともいうからね。
下の方からすくうように混ぜて下さい。
あんまり混ぜ過ぎたらボロボロになるので。
そうなんだ。
ふんわり。
ふんわりしてきたね。
はいじゃあOKです。
熱いうちに容器に入れてね。
軽くならして下さい。
そして彩りに砕いたナッツを載せますよ。
このさっチャッチャッチャッでいいの?そのチャッチャッチャッチャっていうの何?よし!そしたらそれね常温ですよ。
常温で?常温で冷めるのを待ちますよ。
常温で待つ。
うわ〜うれしい。
じゃあ出来た!
(インターホン)あっ姉ちゃん帰ってきた。
姉ちゃんお帰り。
今日はね幻のハルヴァに挑戦したよ。
米原万里さんが子どもの頃に出会った未知のお菓子ハルヴァ。
ロシア風にひまわりの種を使ってみたら香ばしさとこくもひときわ。
彼女が長年捜し求めた味に少しは近づく事ができたかしら?ロシア語同時通訳者そして作家として活躍した…何事もとことん調べ尽くして妥協しない。
それが仕事に対する一貫した姿勢でした。
思い出の味に再会したあとも彼女のハルヴァへの興味は衰えずついに一冊の料理辞典に出会います。
そこには最良のハルヴァはイランやアフガニスタントルコにある事。
カンダラッチと呼ばれる職人の秘伝の技によって作られる事が記されていました。
イーラがくれたハルヴァよりもっとおいしいハルヴァがある。
旅はまだまだ続くはずでした。
2006年米原さんはがんで亡くなります。
56歳でした。
しかし彼女がまいたハルヴァの種は今も育ち読者の興味をかきたて続けています。
作家冥利ですよね。
あんなみんな知らないものを書いてそれをみんな食べたいと思ってくれるっていうのはね。
だから万里やったなって思いまして。
すごくうれしかったです。
異なる文化を持つ人間同士の交流を見つめ続けた米原万里さん。
(米原)どの言葉もすごい膨大な文化というものを抱えてて。
その民族の歩んできた歴史とかね今の政治状況とか全部入っている訳ですよねそれぞれ違う。
1,000年という年月をかけ各地に広がっていったハルヴァ。
その土地ごとの個性を放ちながら今も人々に愛され続けています。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?ハルヴァ僕にとって初めて出会うお菓子でした。
米原さんが長年魅了され続けたハルヴァは奥深くてまだまだ分からない事がたくさんある。
そして僕も好奇心をかきたてられました。
ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
じゃあかまど開けるよ。
どうぞ〜。
じゃん!おっ!どうでしょうか?いい感じに固まってるんじゃない?固まってる〜?ワクワクするでしょう?じゃあちょっとぜいたくに。
よいしょ。
うわっ来た〜!ほらっどうよ。
頂きますよ。
え〜どんな味なんだこれは。
頂きます。
んん〜?でも甘い。
かめばかむほどねナッツの味とね香辛料の味が増してくるというかね。
米原さんが残して下さったエッセーのおかげでね私たちが自分なりのハルヴァを探すという楽しみを得る事ができたんだもんね。
イランにトルコにロシアにギリシャにいろんなハルヴァがある訳でしょ。
これ探すしかないよね。
はるばるね。
2015/09/18(金) 21:30〜21:55
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど・選「米原万里のハルヴァ」[字][デ]
「ハルヴァ」という名のスイーツをご存じ?ロシア語通訳の第一人者として活躍した米原万里が愛し、その味の記憶を追い続けた魅惑のスイーツ。ハルヴァの味わい、魅力とは?
詳細情報
番組内容
ハルヴァとは、主に旧東欧・イスラム諸国でよく食べられているスイーツで、ゴマやヒマワリの種などの穀類と砂糖、植物油などを練り合わせたペースト状のもの。1960年代プラハで子ども時代を過ごした米原さんは、旧ソ連出身の友人にもらったハルヴァの味に感動、以来「あの時の味」を探し続けた。その過程が著書「旅行者の朝食」に記され今も多くの読者を魅了している。ハルヴァの魅力を探りながら、究極のハルヴァに挑戦する。
出演者
【出演】瀬戸康史,井上ユリ,尾崎貴久子,オクサーナ・ピスクノヴァ,林周作,【語り】キムラ緑子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
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