早めに医療機関を受診して頂きたいと思います。
今日はどうもお話ありがとうございました。
ありがとうございました。
(テーマ音楽)
(出囃子)
(拍手)
(拍手)
(三遊亭圓丈)三遊亭圓丈と申しましてよろしくお願いを致しますね。
もう本当にどんどんどんどんねあれですねもう季節も変わってもう大変でございます。
ね?テレビなんかでニュースなんかでも時々何かボ〜ッと他の事やってて聞いてると「えっ?どういう事件なの?」ってありますね。
この間聞いたら何か別な事言ってたんです。
「え〜昨日お伝えしました『4人逮捕』の事件でございます。
あの『4人逮捕』は実は『誤認
(5人)逮捕』でした」って。
(笑い)「どういう事件なんだ?それは」という。
本当に訳が分かりませんですね。
もう何か一体何が起こるか今はね分からないような時代になりましたけれども。
本当にもう時代がどんどんどんどん変わりましたですね。
ええ。
でもう我々ね寄席なんかでも結構最近はお客さん入ってます。
はい。
もう今から20年ぐらい前が一番ひどかったですね本当に。
もう僕なんかあの当時そのちょっと前ですかね東京は35年ぶりの大雪だって時がありましてそれで池袋演芸場って所でやる。
お客さんの来ない事で有名だった。
(笑い)10人入ると大入袋が出るっていう。
(笑い)そこへ上がりましてね落語を喋ってね。
でも割と用心深いですから何人ぐらいいるんだろうと雪の日にですよ表へ回って足跡を数えたんですよ。
(笑い)足跡が3つですよ。
「お客さん3人か」。
甘かったんです。
1つは支配人ですよ。
(笑い)もう1つは売店のおばちゃんと。
「お客さん1人じゃねえかよ」みたいなね。
ええ。
お客さんてなぁ何か勘違いする人がいるんですね。
こうそういう雪なんかでねもう電車なんか止まっちゃってね?それで「もう交通手段が無くて行ってやると芸人どもは涙こぼして喜ぶだろう」って来る方いるんですけどはっきり言ってありがた迷惑です。
(笑い)もう誰もそんな時喜びませんでね。
ですからまぁ何でもない必要な時に来るというこれがもう正解でございますよ。
ねっ。
まぁいろんな事があるんでございますけれどもね。
しかしまぁ時代がどんどんどんどんと変わってきましてねええで最近やっぱりドラマなんかでも本当に浮き沈みが激しいっていうかね〜時代劇ってのが本当なくなっちゃいましたですね。
ええ。
で大体時代劇っていうのはね主人公が決まってて最後にね悪人どもにこうね決め台詞をバシ〜ッと吐いてそれからバッタバッタと斬るというのがこれが大体全部こう統一されたあれなんですけど。
ええ?こういう主人公の中でですね悪人に対して一番ひどい事を言ってたのがあの「破れ傘刀舟」という。
これはひどい事言ってましたよ。
何と言ってたか。
「手前ら人間じゃねえ」。
人間じゃない。
(笑い)決めつけちゃうんですから。
しかもそのあとですよ「地獄へ落ちてうじ虫になれ」ってうじ虫ですよ。
ね〜?いくら相手が悪人たって希望ぐらい聞いたらどうだっつうの。
(笑い)「お前はなに虫になりたいんだ?」。
「え〜テントウムシで」とかやれっつうんです。
無いですね〜ええ?もうこういう時代劇もね今本当にこう廃れてきたっていうか。
一方刑事物も少なくなりましたね。
刑事物で今頑張ってるのがね?「相棒」ですよ。
水谷豊さんの。
すごいですねあの「相棒」。
ええ?本当にマナーのいい刑事です。
大声出しません。
廊下を歩く時は静かに行きます。
ええ。
で走らない。
笑わない。
動かない。
息しないって「本当かよ?」みたいな。
ええ。
もうそんな感じですよ。
で僕なんかやっぱりそれよりも前の。
そうするとアクション刑事ですよ。
ええ?アクション刑事。
ありましたですね「あぶない刑事」という。
「あぶない」っつうんですよええ?「あぶない刑事」ですよ。
ええ。
あれなんかもう前やったの見たらひどかったですよね刑事同士がですねお互いこう拳銃を引っぱり出してですね「カチッ『ヘヘヘヘヘ』」なんてやったりなんかしてんだ。
署内で。
懲戒免職ですあんなの。
(笑い)訳が分かりませんですね〜。
そんなのがあったりとかねもういろいろあります。
そしてね?それが更にいくと「太陽にほえろ!」ですよ。
ね〜?「太陽にほえろ!」。
皆さんの前ですけど太陽に向かってほえてる人見た事ありますか?
(笑い)いませんよそんな奴。
太陽に「ウワ〜ッ」て。
ばかだっつうんです。
でも「太陽に向かってほえろ」。
ね〜。
あの当時は殉職とかなんかありまして。
良かったですけれどもねあれはあれでまぁ良かった。
僕はやっぱり更に世代的に言うともっと前ですからその前の社会派刑事物が好きだったんです。
これは良かったですね。
男のね?刑事は汗と涙っていうかそこに何か男のこう良さがあるんですよ。
ええ?で自供に追い込むところがドラマの山場ですよ。
ところがですねこのね?犯罪を犯した若者はですねもう本当に青春時代貧しいね?いろんなところからこうあれをされてで社会に対する復讐みたいな意味で犯罪を犯す訳です。
しかも頑としてもう捕まっても自供しない。
そしてこう最後に出てくるのが刑事のカツ丼です。
(笑い)良かったですね〜。
この刑事のカツ丼が出た瞬間にもう一変するんです態度が。
「刑事さん。
カツ丼じゃないですか」。
「ああ。
俺がお前に差し入れするんだ。
食えよ」。
「はい。
カツ丼なんかもう5年も食べてないんです。
頂きます」。
「よく噛んで食えよ。
昨日か?田舎のお母さんの所へ電話をしたんだ。
お前のお母さんがな…」。
「アア〜ッ。
私がやりました」。
すごいです。
(笑い)これはすごいですよ。
ええ?葵の印籠の百倍効果ありますあれは。
もうあれに敵う物はありません。
まあ〜本当にすごいですね〜。
ええ。
でもですよただ今の時代にそういうふうに差し入れしたら同じような事が起こるかっていうとそれはやっぱりそうでもないでしょうね。
ええ。
「おい。
俺がなカツ丼差し入れたからああ?食って自白し…」。
「ばか野郎この野郎何だってこんな物食って俺自白しなきゃいけねえんだばか野郎」。
「お前そう言うけどこれ上カツ丼だぞ上カツ丼。
俺なんかふだん昼間の時なんか280円とかそういう弁当探してんだお前。
それがお前1,300円とかお前4日分とか5日分だぞお前」。
「ばか野郎そんなあれだったらな〜俺がお前にカツ丼おごってやらぁ」。
「容疑者さん。
私がやりました」なんてね。
(笑い)もう最後は自分で自白したりなんかしましてね。
いろんな事があるんですけれどもね。
そろそろ噺に入ろうかなと思ったりなんかしてる訳でございますね。
(笑い)まぁそんな事でございましてね「どうするんだ?」というね。
今日は何やるかといいますと「掛け算デカ」というそういう他愛もない刑事物の落語でご機嫌を伺おうという。
ええ。
「刑事物の落語って俺知らねえよそんなの聞いた事ないよ」ってそういう顔した人がほとんどですけども僕は今まで300本以上新作作ってますけど刑事物は7〜8本は作ったですかね。
だから私にとっては別に珍しいもんでも何でもない訳で。
ええ。
それではですねいよいよ刑事物の落語というええ「掛け算デカ」というこれをやってみたいなと思います。
ええ。
ごく気楽に聞いてくれれば。
そのうちにまぁ何か面白い所あったら「アハハ」と笑って頂ければ十分でございましてね。
「デカ長今ね本庁から電話がありましてええ銀座の宝石店でええ盗難事件が起こりましてうちの捜査三課にも出動要請が来ましたんで」。
「おう。
分かった。
すぐに行かせよう。
ああ。
あっ全部いろいろな事聞いとけよおい。
エ〜トナ何だ?おい今日みんな出払ってるな。
あ〜おい新米新入り。
お前だお前だ。
お前な今の話聞いたろ?すぐ行ってこい」。
「あっあの〜僕本当に新入りで今月からあの〜刑事になったもんですからあんまり捜査の事とかあまり分からないんであの〜私一人で…」。
「いやいやいや。
お前にはなベテランの刑事つけるからああ大丈夫だ。
おい。
Gパンデカはどうした?Gパンデカは。
何?ああ『GパンデカはGパンを洗ってまだ乾いてないので今日はお休み』?ばか野郎この野郎何を考えてんだ本当に。
しょうがねえな全く。
あの〜スニーカーデカはどうした?スニーカーデカは。
ああ『スニーカーデカはスニーカーを洗ったばっかりでまだ乾いてないので今日はお…』。
ばか野郎本当に。
うちの奴はみんな1つずつしか持ってないのか本当にもう。
しょうがねえな全く。
あ〜ダダダいい。
あとなえ〜あの〜英国キザ野郎ええ?スコッチデカはどうした?スコッチデカは。
ああ『スコッチデカは今日はお休みです』?お休みですってお前昨日も一昨日も休んでるだろ。
うん『スコッチデカはスコッチ
(少し)しか働きません』。
ばか野郎」。
(笑い)「何くだらない事言ってんだ本当に。
客席が凍りついてんだろ本当に」。
(笑い)「いいかげんにしろ本当にもう」。
「であの〜デカ長。
私のあの〜相棒…」。
「え〜今探してんだよ。
おい。
掛け算デカはどうした?おう『さっき電話があって』うん『あと10分ぐらいで到着する』って?分かった分かった。
いやお前のな相棒は掛け算デカだ。
いいな?」。
「あっ掛け算デカですか?あの〜掛け算デカって人はあの〜仕事はできる?」。
「いや。
仕事はできない」。
(笑い)「仕事はできないけど掛け算ならできる」。
「あの〜それであれなんでちょっとすみませんけどアハハできれば他の…」。
「やめるか?あ〜いいんだいいんだいいんだ。
とにかくな刑事なんてなぁこう相性だ。
相棒だからな相棒同士がうまくいかなかったらこんなもん仕事なんかうまくいかないんだ。
だからそう無理になコンビ組んでくれる必要もないんだ。
やめるか?あっそうか。
やめろ」。
「いいですか?」。
「ああいいいいいい。
じゃあなお前能なしデカはどうだ?」。
(笑い)「能なしデカって方はあの〜仕事はでき…」。
「できる訳ないだろう?お前」。
(笑い)「能なしなんだからお前。
去年の暮れか?ええ?うちの課の二階の階段からダ〜ッて落っこってええ?意識不明になったんだから。
これは一回やっぱり脳波を取ったほうがいいってええ?MRIでこう頭脳の中診たんだ。
そしたら頭蓋骨の中に脳が無かったっつうんだ」。
(笑い)「いや笑ったなあれは。
これが本当の脳なしだなんてな〜。
じゃあお前能なしと行け」。
「いえいえいえ。
あの〜やっぱり私あの〜エヘヘさっきのか掛け算デカの方…」。
「おうおうじゃじゃあじゃあお前なすぐに行け。
ああ。
で奴が来たらなあとを追っかけて行かせるようにするから。
いいな?じゃあ行ってこい」。
「はい。
じゃあ行ってきます」。
「おう」。
「いや〜先輩遅いよな何やって…。
もう1時間経つのに来ないんだから。
冗談じゃないよ全くな〜。
俺って相棒運が悪いんだよ。
最初に組んだ相棒がねええ?これが小咄デカっつうんだ」。
(笑い)「会った最初に必ず小咄やるんだ。
『刑事の俺は小さいか?デカ』」。
(笑い)「『デカデカ』って笑うまでやってんだよ冗談じゃないよ。
2人目が謎かけデカだよ。
ええ?『さぁそれではお題を頂戴致しまして何々とかけまして。
はい整いました』ってすぐ整っちゃうんだよ。
もうそういうのは得意なんだけどところが捜査になると全然整わないんだよ。
ああいうのは駄目だなおい…。
何だ?おい向こうから誰か駆け出してきたぞおい。
ええ?おい何だ?おいタッタッタッタッタッタッタッタッて。
おいもしかしてこっちへ駆け出してきて『掛け算デカ』とかなんか言うんじゃ…」。
「こら〜っ俺のギャグを使うな」。
「何だ?おい」。
(笑い)「とんでもないなこれえらい事になっちゃったな何か訳の分かんない奴が来たなおい」。
「うん掛け算デカさんさんさん参上〜っ。
3×3×3は27。
私が掛け算デカだ」。
(笑い)「お前が今度来たあれか?ええ?何だ?お前の名前は。
うん新入りデカか?そうそうそうとりあえず聞いてる。
今日はなお前とは今日が初めてだから自己紹介をさせてもらう。
私の名前はええ?掛け算デカこと本名は二二が四二三が六二四が八そう私の本名は二四が八警部補だ」。
(笑い)「格好いい名前じゃないですか」。
「そうだ。
ただ二四が八ではないぞ。
先祖代々掛け算の家系だ。
江戸時代に九九を完成させたのは家の二四が八掛ける。
しかもそれだけじゃないええ?よくあの蕎麦で名前あるだろ二八蕎麦というあの二八蕎麦を考案したのが家のご先祖様だ。
二八蕎麦を考案。
そして二八の三十二文で売った」。
「売り過ぎじゃない?それ」。
(笑い)「二八の十六文とかなんかじゃないですか?」。
「いや。
いいんだ」。
「よくないですよ」。
「あ〜しかしななかなか大変なんだこれは。
何が大変かってお前分かるか?ええ?これが大変なんだよ」。
「何が大変?」。
「いやいやいやいやいやいいか?二八十六でなこれがもういいところばかりじゃないんだ悪いところもある。
何が悪いかというとだな家は掛け算の家系だ増える式はいいんだ足し算掛け算。
ところがその反対に引き算割り算は決して使ってはならない。
15歳の誕生日までに使えなかった。
だから私はええ?15歳の誕生日までにそういう式が使えなかったから算数の成績が悪かった」。
「そりゃ悪いでしょう。
ヘエ〜ッそういう事があるんです?」。
「そういう事があるんだ。
ああ。
そういう事でな?そろそろこれから引き揚げようじゃねえか。
ああ?ご苦労…」。
「いやいや引き揚げるってまだ仕事してないじゃないですか。
これからあの〜捜査…」。
「あっ捜査があったな〜」。
「それであの〜私が来るまでちょっと調べておきましたんでええリポートにしときました今回の事件」。
「あ〜そうか。
なかなかお前は仕事のできる奴だな。
あ〜なるほどなるほど。
ここの店の警備システムはかなり完璧だったと書いてある」。
「そうなんですかなりもう完璧な。
それを破られたんです」。
「そうかハハハハハ。
ではなピタッと当ててみようか?何を当てるか分かるか?何をどれだけ盗まれたか。
盗まれた物はステーキだ。
ステーキがサッなんと18枚盗まれた。
二九
(肉)十八」。
「何を言ってる」。
(笑い)「何ばかな事言ってんですか。
何で…?宝石店ですよ宝石店でステーキがある訳ないじゃないですか。
ええ?ここの中にあったのはええ?『オフェーリアの瞳』という2億円相当のエメラルドですよ」。
「2億円相当のエメラルド」?「それが盗まれたんです。
しかも一瞬にして機をつかれて盗まれてそのあとに挑戦状が置いてあった」。
「何だ?お前の持ってるそれが挑戦状か?読んでみろ」。
「はい。
読んでみます。
ええ。
え〜『本庁の刑事さんの皆さん。
本当にばかな仕事ばっかりしててご苦労さまです。
私は今回もうやる事が無くなったので次からはもう店ごと頂こうとこう考えています』。
うん『怪人ルート二面相』」。
「何だ?おいまたあいつの仕業か」。
「何ですか?知ってんですか?ルート二面相」。
「知ってるもなにもこいつはなもともとエリートデカだったんだ。
そして通称がルートデカと言った」。
「えっ?いやそのルートデカのルートっていうのはルート2が『一夜一夜の人見頃』っていうあのルート」?「そう。
あのルートなんだよ」。
「あのルート」。
「そういう事だお前。
大変だぞこれは。
ああ?でなあいつがルートデカで俺が掛け算デカ算数つながりでよくコンビを組んで事件を解決したんだ。
ああ。
でなんといってもあいつが一躍脚光を浴びたのはええ?あのオウムのサリン事件だ。
アジトが分からなかった。
その時に彼がピタッと言い当てた。
『ルート5富士山麓にオウム鳴く』そう言った」。
(笑い)「ええ?これでもうビタ〜ッと当たった。
彼は2階級特進をしたんだ」。
「すごい」。
「すごいのなんの。
ああ。
そこでもうなんといっても気に入られたのが警視総監だ。
もう特別に食事に招待をした。
警視総監が食事に招待をするんだお前どんないい所へ行くかと思って考えた。
それがなんとええ?ガード下の安い焼き鳥屋なんだ。
1人1本ずつだ。
3人で行ってええ?ビールの中瓶1本だ。
こんな安い金なのにところがそれをポケットマネーから払わないこれを官費で支払った。
その時に言ったんだ彼が『ルート3』。
ええ?『人並みにおごれや』」。
「まずいじゃないですか」。
(笑い)「それがまずかったんだけどそうなっちゃったんだ。
これが大変な事になったなそこでパワハラが始まった。
だけどなそんな事でウジウジウジウジしてるあの男じゃない。
ええ?あっさりと辞表を叩きつけてそしてその警視総監に対する復讐から自分も泥棒になったとこういう訳だ。
カア〜ッチクショーまたあいつを逃がしたか」。
「いや実はですねそうとばかりも言えないんですここの警備システムがすごいのはこのケースの中の宝石を盗った瞬間から0.2秒以内でこの外に通路ええ?下水道一切全ての通路をバンと音もなく遮断される。
ですからあの時にいた犯行当時にいたのは全てこれがもう見つかっちゃった。
ええ。
ですからもう犯人も当然この中に隔離されてますから全部勾留してあるんです」。
「じゃあいる訳だあいつがウウ〜ッ」。
「それでですねどうも怪しい奴がいる」。
「怪しい奴」?「『私は怪しくない』と言い張る」。
「怪しいぞそれは」。
(笑い)「しかもですね顔を隠しながら『絶対私は怪しくない』」。
「絶対怪しいそれは。
よ〜しそうかそうか。
そいつを呼べ。
ええ?調べようじゃないかハハハ。
え〜どうぞどうぞどうぞどうぞ絶対怪しくない参考人の人どうぞ」。
「私は私は絶対に怪しくない」。
「怪しいんだお前は怪しすぎるんだお前は。
この目は節穴でもこのよ〜背広の下に着たええ?どうだ?この下着に描いたええ?掛け算桜吹雪がお見通しだ」。
「すごいですね〜。
汚い字で九九が書き違えしてあるじゃないですか。
これは何ですか?『二五の三』て違うでしょ?」。
「うるさい。
そんな事はどうでもいいんだ。
もうそろそろええ?お前は自供しろ。
自首をしろ。
な?どうだ?いつまでも泥棒なんかしてもしょうがないだろ」。
「ヘヘヘそうだよな〜。
いや俺もなもうこんな他愛もない犯罪もうばかばかしくなってやめたくなったんだよ。
でもなウ〜ッなんとかしようと思ってたんだけどもし捕まるんなら掛け算デカに捕まりたいとこう思ってたんだよ。
ああ。
だけどなただ捕まる訳にはいかない。
ここでお前に算数の問題を2問出す。
2問当たったら捕まろう。
それが駄目だったら逃げる。
そしてその前に5年前に貸した3,400円の借金も返してもらう」。
「それ嫌だなおい」。
「さあ〜それではいくぞ。
お前の弱点なんかすぐ分かってる。
第1問だ。
いいか?三角形の面積の問題だ。
三角形の面積はいいか?『底辺×高さ÷2』だ。
だけどなお前は15歳まで割り算をとめられていたんだ。
ここで三角形の面積をええ?割り算を使わず出してみろ。
10秒で答え」。
「10秒?いやそんな」。
「さぁいくぞ。
チャッチャッチャッ」。
「いやいやややめてやめてそんなそんな」。
「ヤッタッタッタッタッ」。
(床を叩く音)「分かった分かった。
答えが出そうだ。
言うぞ。
ええ?三角形の面積を割り算を使わず言うと『底辺×高さ×…』」。
「何だ?また掛ける?」。
「また掛けるんだ。
掛けるええ?0.5だ」。
(笑い)「0.5を掛けても2で割っても答えは同じ」。
「ハハハハハ。
まぁそのぐらいの事は当然できるだろうな。
でも今度はそうはいかないぞ。
お前にとって一番難しい問題を出してやる。
お前は引き算が苦手だ。
しかも『上から10を借りてきて』あれが苦手だ」。
(笑い)「それが分かってるんだ。
問題言うぞ。
『22万2千222から』ええ?『9万9千999を引くといくつだ?』。
1分以内に答えろ」。
「エエ〜ッ?1分以内に?そんなそんな1分以内」。
「さぁさぁさぁさぁさぁさぁどうなる?『上から10を…』」。
「嫌だ。
俺は名古屋人だから借りたくないんだ」。
(笑い)「俺は絶対借り…」。
「借りたくなくたって借りるしかないんだ。
しかもその1回ぐらいの借りじゃないぞ上から5回も連続して借りなきゃいけないんだ。
さぁ借りる…」。
「嫌嫌だ〜俺は嫌だ〜」。
「さぁさぁさぁさぁさぁあと10秒だ。
カッチカッチカッチ」。
「いやいやそんな」。
「あと5秒3秒2秒1秒」。
「ちょっと待て。
こ答えを言う。
答えは12万2千223だ」。
「当たった。
何で当たったんだ?」。
「うんもちろん勘で」。
「勘で?」。
なんとこの男勘で当ててしまったという。
「掛け算デカ」というばかばかしいお笑いを。
(笑い)
(拍手)2015/09/19(土) 04:30〜05:00
NHK総合1・神戸
日本の話芸 落語「掛け算デカ」[解][字][再]
落語「掛け算デカ」▽三遊亭圓丈▽第674回東京落語会
詳細情報
番組内容
落語「掛け算デカ」▽三遊亭圓丈▽第674回東京落語会
出演者
【出演】三遊亭圓丈
ジャンル :
劇場/公演 – 落語・演芸
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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