おはようございます。
7時になりました。
戦後日本の安全保障政策が大きく転換することになりました。
今の国会の最大の焦点である、集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ、安全保障関連法は、きょう未明の参議院本会議で採決が行われ、自民、公明両党と次世代の党の賛成多数で可決され、成立しました。
安全保障関連法案を巡る与野党の攻防が最終局面を迎えた国会。
法案の採決を阻止しようと、きのう、野党側は、安倍内閣に対する不信任決議案を衆議院に共同で提出しました。
民主党の枝野幹事長は、2時間近くかけて決議案の趣旨を説明。
その後、行われた採決では、自民、公明両党や、次世代の党などの反対多数で、決議案は否決されました。
国会前では、日付が変わっても多くの人が集まり、法案に反対する人たちの訴えが続きました。
午前0時10分から開かれた参議院本会議。
各党の討論の発言時間を、15分以内に制限するための動議が、自民、公明両党などの賛成多数で可決されました。
そして法案に、賛成、反対、双方の立場から討論が行われました。
続いて行われた採決。
記名投票の結果、賛成は、自民党、公明党、次世代の党、日本を元気にする会、新党改革など、合わせて148票。
一方、反対は民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちなど、合わせて90票。
安全保障関連法は賛成多数で可決され、成立しました。
法律に賛成する立場のジャーナリストや学者などで作る、平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラムは、心から歓迎したい。
日米の信頼と絆はより深まり、わが国への武力進攻を思いとどまらせる抑止力は、飛躍的に高まると確信するなどとするコメントを発表しました。
国会前で反対を訴えていた人は。
安全保障関連法の審議は、衆議院でことし5月26日から始まり、与党側は、国会の会期を通常国会としては、過去最長の延長幅となる95日間、延長して、今の国会での確実な成立を目指しました。
そして衆議院での委員会審議は116時間余り、参議院での委員会審議は100時間余りに上りました。
安全保障関連法の成立により、戦後日本の安全保障政策は、大きく転換することになります。
成立した法律の内容です。
自衛隊の活動がこれまでよりも広がることになります。
まず、集団的自衛権の行使が初めて可能になります。
限定的ですが、アメリカなどが武力攻撃を受けた際に、日本が武力攻撃を受けていなくても、武力を行使できるようになります。
また、日本の平和と安全の確保を目的とする後方支援は、地理的な制約がないことを明確にしました。
従来は後方地域に限定していた活動場所について、今回の法整備では、現に戦闘が行われている現場では実施しないとしています。
国連のPKO活動については、受け入れに同意している国が、安定して統治していることなどを要件に、活動に参加する国連職員や他国の部隊が武装集団から危害を加えられそうな場合に、自衛隊が武器を使って救援する、いわゆる駈け付け警護が可能になります。
そして武力攻撃に至らない、グレーゾーン事態への対処では、日本の防衛に資する活動を行うアメリカをはじめとする、外国軍隊の艦船などを、自衛隊が武器を使って防護できるようになります。
また、海外で日本人が緊急事態に遭遇し、危害が加えられるおそれがある際には、活動をする国の同意があり、治安が維持されていて、協力が得られる場合に、自衛隊が武器を使用して、邦人の救出活動に当たれるようになります。
防衛省は、今回成立した法律に基づく初めての任務として、現在、南スーダンで国連のPKO活動に参加している陸上自衛隊の部隊に対し、国連職員や他国の部隊が、武装集団から危害を加えられそうな場合に、武器を使って救援する、いわゆる駆け付け警護や、外国軍隊と共に、武器を使用して宿営地を防護する任務を与えることを検討しています。
そしてこれと並行して、法律に基づいて、ROEといわれる、部隊行動基準を策定することにしています。
部隊行動基準は、任務ごとに自衛隊の部隊が行動できる地理的な範囲や、携行できる武器の種類、使用方法などを定めたもので、自衛隊はこの新たな基準にのっとって、活動に当たることになります。
安全保障関連法を巡っては、憲法との関わりが焦点となりました。
安全保障関連法を巡って問われたのは、次の2つの点です。
1つは法案そのものが憲法に違反するかどうかという点、もう一つが、憲法改正ではなく、憲法解釈の変更という手法に問題がなかったかです。
合憲か違憲か、それぞれの専門家に聞きました。
小林名誉教授は、研究者などおよそ100人の原告団を作り、今後、国に賠償を求める訴えを起こすことにしています。
裁判では、1000人規模の弁護団の結成を目指すとしていて、法律の施行後に、東京地方裁判所に提訴するということです。
このほかにも複数の個人やグループが、各地で裁判を起こす準備を進めるなどしていて、法律の合憲性は今後、司法でも争われることになります。
安全保障関連法が成立したことについて、各国の反応です。
アメリカ国務省は18日、コメントを出し、われわれは日本が日米同盟を強化し、地域や世界の安全保障により積極的な役割を果たすため行っている取り組みを歓迎するとして、支持する考えを強調し、日本の役割が拡大することに期待を示しました。
その上で、日本は70年間、平和や民主主義などにたゆまず取り組んできた。
その足取りは、すべての国にとって模範となるとして、戦後の日本の歩みを称賛しました。
イギリスです。
ハモンド外相は18日、日本が国際的な平和と安全保障の分野で、より大きな役割を担うことを可能にする法律が議会で可決されたことを祝福するという声明を発表しました。
さらに、インドネシア外務省のアルマナタ報道官は、おとといの定例の記者会見で、法律がこの地域の平和と安定の維持に寄与するならば、日本とよい意味で行動を共にすることができると確信していると述べ、歓迎する意向を示しています。
一方、中国外務省の洪磊報道官はきょう未明、コメントを出し、戦後日本の軍事分野におけるかつてない動きだと指摘するとともに、日本の近年の軍事力の強化や、軍事安全政策の大幅な調整は、時代の潮流と相容れないものであり、日本が専守防衛政策や、戦後の平和の歩みを捨てるのではないかという疑念を引き起こしていると、警戒感を示しました。
では、政治部の内田記者に聞きます。
世論調査を見ますと、議論は尽くされていないという声も多いですけれども、政府・与党はどうして今週中に法案を採決し、成立させることを決断したんでしょうか。
時間をかけても、これ以上法案に反対する野党内に、理解が広がる見通しが立たないと判断したからです。
安倍総理大臣としては、できるだけ多くの政党の賛同を得て成立を図りたい考えでしたが、民主党などは、法案の成立阻止を目指し、維新の党も分裂が確実な情勢で、採決に向けた協力が得られる見通しは立たない状況でした。
また、政府・与党内には、来年夏に参議院選挙が控える中で、審議に時間をかければ、国民世論を背景に、野党を勢いづかすことにしかならないという指摘もあり、今の国会での成立が不可欠という判断に至ったものと見られます。
そして自民党、公明党からは、引き続き丁寧な説明をという声もありますが、これからどうやって国民の理解を得ていこうとするんでしょうか?
安倍総理大臣自身も、法案審議の過程で、国民の理解が十分に進んでいないことを認めていまして、法律の成立後、記者団に対し、次のように述べました。
政府としては、今後も法律の内容を機会があるごとに丁寧に説明するとともに、与党の議員にも、国民の不安や懸念の払拭に努めるよう、協力を求めていくことにしています。
また安倍総理大臣は、今後、中国やロシアなどとの間で関係改善に努め、東アジア情勢の緊張緩和に取り組むことなどを通じて、国民の間に広がった、戦争法案などといった懸念の払拭に努めていきたい考えです。
今の国会の最大の焦点だった法律は成立しました。
安倍政権にとって今後の課題となるのはなんでしょうか?
まさに内政外交、課題は山積みです。
中国経済の減速を背景とした世界同時株安など、世界経済の先行きが懸念される中で、政権発足当初からの目標である日本経済の再生を、確実なものとすることができるかが問われることになります。
また安倍総理大臣は、今後、相次ぐ国際会議などの場を利用して、首脳会合を展開し、中国や韓国との関係改善を進めるとともに、北方領土交渉の推進に向けて、ロシアのプーチン大統領の年内の日本訪問にも道筋をつけたい考えです。
安倍総理大臣は、こうした課題に取り組むため、アメリカのニューヨークで開かれる国連総会に出席したあと、来月上旬にも、自民党の役員人事と内閣改造を断行する意向を固めました。
安倍総理大臣としては、来年夏に控える参議院選挙に向けて、党と内閣の態勢を強化し、着実に実績を積み上げていきたい考えです。
ここまで政治部、内田記者とお伝えしました。
今も内田記者からありましたように、安倍総理大臣は、今の国会で最大の焦点の安全保障関連法が成立したことを受けて、自民党の役員人事と合わせて、来月上旬にも内閣改造を断行する意向を固めました。
安倍総理大臣は、来年の参議院選挙をにらみ、谷垣幹事長と菅官房長官を続投させるなど、政権の骨格を維持する方針です。
安全保障関連法が成立したことを受けて、安倍総理大臣は、来週、自民党の総裁選挙での再選を正式に決めたあと、アメリカを訪問し、国連総会に出席します。
そして帰国後、今月30日に任期が切れる、自民党の役員人事と合わせて、来月上旬にも内閣改造を断行する意向を固めました。
安倍総理大臣としては、内政外交ともに難題が山積しているほか、来年夏には参議院選挙が控えていることを踏まえ、政策の継続性を重視して、政権の骨格を維持しながら態勢の強化を図りたい考えです。
こうした方針の下、安倍総理大臣は、党役員人事では、去年の衆議院選挙の陣頭指揮に当たった谷垣幹事長に加え、総裁選挙で安倍総理大臣の再選支持をいち早く表明した、二階総務会長を続投させる方針です。
また、内閣改造では、内閣の要となっている菅官房長官に加えて、政権発足当初から政権運営の相談役を務めてきた、麻生副総理兼財務大臣、さらに岸田外務大臣、塩崎厚生労働大臣、甘利経済再生担当大臣を続投させる方針です。
ただ自民党内では、総裁選挙で党内のすべての派閥が安倍総理大臣の再選を支持し、内閣改造での処遇に期待する声も少なくないことから、安倍総理大臣としては、こうした声にも配慮しながら、党執行部と内閣の全体像を固めることにしています。
子宮けいがんワクチンを接種したあと、原因不明の体の痛みなどを訴える患者が相次いでいる問題で、厚生労働省は審査の結果、接種当時10代だった6人について、医療費などを給付することを決めました。
この問題での救済は初めてで、ほかに救済を求めている80人余りについても、順次、審査を行うことにしています。
子宮けいがんワクチンは、若い女性のがんの中で最も多い、子宮けいがんを予防する効果が期待されるとして、国内では6年前から接種が始まり、おととしには、小学6年生から高校1年生までの女子を対象に、国と自治体が費用を負担する定期接種に追加されました。
しかし、接種後に原因不明の体の痛みなどを訴える患者が相次ぎ、厚生労働省は積極的な接種の呼びかけを中止し、症状が出た人を対象に追跡調査を行うなど、実態の把握に努めてきました。
この問題で、これまでに救済を求める申請が出された88人のうち、厚生労働省は昨夜、専門家による会議を開いて、接種当時、いずれも10代だった7人について審査を始めました。
7人は、全身の痛みや体を動かしにくいなどの症状が出ていたということで、医療機関の診断書や、症状の経過などを踏まえ、厚生労働省は、このうちの6人について、ワクチン接種と症状との因果関係が否定できないとして、この問題で初めて、医療費や医療手当を給付することを決めました。
もう1人については、継続審査となりました。
厚生労働省はほかの81人についても、順次、審査を行うことにしています。
きょうから、6年ぶりの5連休となる秋の連休です。
行楽地などで出かける方も多いと思います。
そこで、気になるのが交通機関の混雑ですが、下りはきょうがピークで、高速道路では渋滞が始まっています。
日本道路交通情報センターによりますと、高速道路の下り線は、午前6時半現在、中央自動車道で東京の日野バス停付近を先頭に13キロと、神奈川県の相模湖インターチェンジ付近を先頭に13キロ、東名高速道路が神奈川県の大和トンネル付近を先頭に11キロの渋滞となっています。
高速道路はあすの朝も激しい混雑が予想されています。
またJR各社によりますと、各新幹線の下りは、指定席がきょう午前中の多くの列車でほぼ満席になっているほか、自由席は午前中、乗車率が100%を超える列車もある見通しです。
航空各社によりますと、きょう、国内の空の便は、羽田や大阪などから各地に向かう便が、終日、予約でほぼ満席になっています。
一方、上りの混雑のピークは、高速道路が22日の夕方、新幹線と国内の空の便は、23日と予想されています。
さあ、スポーツは向井アナウンサーとお伝えします。
おはようございます。
ラグビーのワールドカップが開幕しましたね。
しましたね。
開幕戦が先ほど行われて、地元のイングランドが登場しました。
そして期待の日本は、初戦に向けて準備万端です。
8回目のワールドカップの舞台は、ラグビー発祥の地、イングランドです。
開幕戦に登場した地元イングランドは、4つの虎…、トライと体を張った堅い守りで快勝。
3大会ぶりの優勝に向け、好スタートを切りました。
一方、日本は初戦の試合会場で最後の調整。
公開された冒頭の15分間では、パス回しや連係の確認を行っていました。
24年ぶりの勝利と、初のベスト8を目指して。
まずは初戦、強豪の南アフリカに挑みます。
日本対南アフリカは、日本時間のあす未明に行われます。
引き締まってましたね。
日本は去年、世界ランキング9位まで上げて、史上最強のジャパンと言われるまでに成長してるんですね。
体格差をはねのけて、世界をあっと驚かせてほしいですね。
そうですね。
さあ、次はプロ野球です。
セ・リーグ、混戦ですよね。
3位の巨人は首位ヤクルトに勝って、ゲーム差を1に縮めました。
先発はマイコラス、チームの勝ち頭です。
2戦2勝と相性のよいヤクルト打線を打たせて取り、5回まで1失点に抑えます。
そして打っても見せました。
6回、満塁でマイコラス。
抜けて。
貴重な2点タイムリー。
逆転でのリーグ4連覇を目指すチームに、大きく貢献しました。
2位阪神は逆転負け。
3位巨人とのゲーム差がなくなりました。
以上、スポーツでした。
続いて気象情報です。
台風20号の影響が心配です。
南さん。
小笠原諸島は、荒れた状態が続く見込みです。
現在の小笠原諸島父島の様子、ご覧ください。
父島では、北寄りの風が強く吹いています。
ここ1時間の雨の量が6.5ミリ、台風本体による雲がかかって、強い雨、または激しい雨が降り続いています。
かなり雨の量、多くなってきました。
土砂災害に警戒をしてください。
では現在の台風20号の位置です。
午前7時の推定では、父島の東北東の海上およそ80キロの所に中心があると見られます。
中心の気圧は960ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートルで、強い台風です。
風速25メートルを超える暴風域の中に、まだ父島などが入っていると見られます。
このあと台風は北、または北東の方向に進んでいく見込みです。
午後になると、小笠原諸島からは少しずつ遠ざかっていく見込みです。
ただ、この台風の影響で、北日本からまた西日本にかけての太平洋沿岸では、連休の期間中、うねりを伴った波の高い状態、続きますので、海のレジャーは十分注意をしてください。
また北日本は大雨の所も出てきそうです。
午前3時の天気図です。
東北の日本海側に低気圧、また太平洋側には前線が停滞して、前線に向かって湿った空気も流れ込み、太平洋側を中心に雨が降り続いています。
きょうのこのあとの雨の移り変わりです。
きょうは北日本は雨の所が多く、特に北海道の太平洋側には発達した雲がかかり続ける見込みです。
夜にかけても雨が降り続き、雷を伴いながら、激しく降る所もあるでしょう。
あすにかけても雨の所が多くなる見込みです。
雨の量が多くなるおそれがあります。
またここ24時間の雨の量です。
父島、小笠原諸島では250ミリを超えています。
また東北の太平洋側でも100ミリを超えて、ここまでの雨の量もかなり多くなっていますし、またこれから先も雨が降り続いて、小笠原諸島ではまだ130ミリ、そして北海道の太平洋側など120ミリほど雨が降る見込みです。
地盤の緩んでいる所も多くなっていますので、土砂災害などには警戒をしてください。
そして、連休の方も多いと思いますが、この連休の期間中の天気です。
北海道はあすまでは雨の所が多いでしょう。
そのほかの所は、しばらく晴れの天気が続く見込みです。
また名古屋から那覇にかけても、しばらく晴れの天気が続きそうです。
日中と明け方の気温の差が大きくなる所もありますので、体調を崩さないように、十分注意をしてください。
ではきょうの各地の予報です。
2015/09/19(土) 07:00〜07:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース おはよう日本[字]
▼安全保障関連法案をめぐる与野党の攻防は最終局面に。採決の行方は。戦後日本の安全保障政策の大きな転換となる法案について詳しく伝えます。
詳細情報
番組内容
▼安全保障関連法案をめぐる与野党の攻防は最終局面に。採決の行方は。戦後日本の安全保障政策の大きな転換となる法案について詳しく伝えます。▼秋の連休の空模様は?南気象予報士が解説します。
出演者
【キャスター】近田雄一,上條倫子,【スポーツキャスター】向井一弘,【気象キャスター】南利幸
ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
スポーツ – スポーツニュース
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