週刊 ニュース深読み「命をかけた大移動 シリア難民400万人はどこへ」 2015.09.19


戦後日本の安全保障政策が、大きく転換したその瞬間から、6時間。
けさの国会議事堂です。
おはようございます。
週刊ニュース深読みです。
今の国会の最大の焦点である、安全保障関連法が、きょう未明、参議院本会議で可決され、成立しました。
集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ、安全保障関連法案。
政府・与党は今週中の成立を目指してきました。
法案に反対する人たちは、国会の前の道路を埋め尽くしました。
国会だけでなく、横浜市で開かれた地方公聴会でも。
反対する人たちが、警察官ともみ合いになりました。
そして参議院本会議での採決を前に、委員会での与野党の攻防が激しさを増します。
理事会室の前に野党の議員が多数詰めかけ、日付が変わっても、委員会が開けない状態が続きました。
その間も、国会周辺では抗議の声が。
一方、法案に賛成する人たちも。
政府、頑張れ。
おととい、ようやく委員会が開かれますが。
誰だよ、こんなことやらしてるのは!
委員会を開会…。
だめだって。
鴻池委員長の委員会運営を巡り、野党の理事らが激しく抗議。
委員長に対する不信任動議が提出されました。
不信任動議は否決され、鴻池委員長が席につきましたが。
議員たちが、一斉に取り囲みます。
混乱の中、法案は賛成多数で可決され、本会議へ緊急上程されました。
街の人は。
そして舞台は、参議院本会議に。
採決を阻止したい野党側は、安倍内閣に対する不信任決議案を衆議院に。
参議院にも、安倍総理大臣の問責決議案などを相次いで提出し、抵抗を続けます。
時間が大幅に経過しております。
1時間近くに及ぶ趣旨説明も。
これに対し与党側は。
問責決議案などを順次、否決していきます。
そして、日付がきょうに変わって午前2時過ぎ。
安全保障関連法案の採決が行われました。
憲法違反!
両案は可決されました。
本日はこれにて散会いたします。
安倍総理大臣は。
一方、民主党の岡田代表は。
戦後日本の安全保障政策を大きく転換する、安全保障関連法の成立。
今後、自衛隊の活動はどう変わるのでしょうか。
歴代政権が認めてこなかった、集団的自衛権の行使が初めて可能になり、限定的とはいえ、アメリカなどが武力攻撃を受けた際に、日本が武力攻撃を受けていなくても、武力行使をすることができるようになります。
また、武力攻撃までには至らない侵害、いわゆるグレーゾーン事態の際にも、アメリカ軍などを防護することが可能になり、安全保障面での日米同盟がより強化されます。
国連のPKO活動でも、任務と武器使用の権限が拡大され、国際貢献のための自衛隊の活動も新たな領域に踏み出すことになります。
ただ先ほどのVTRでもありましたように、法案の成立には、根強い反対意見もあり、大きな議論となりました。
政府は、法案の成立をもって議論は決着したとするのではなく、法律をどう運用し、それが日本の安全保障にどう資するのか、国民の不安や懸念にも丁寧に答えていく必要があると思います。
埼玉県熊谷市で、小学生を含む6人が相次いで殺害されました。
こちらは現場付近の地図です。
1キロ余りの範囲にある、3つの住宅で、月曜日から水曜日にかけて、3日間、6人が殺害されました。
警察はペルー人の30歳の男が6人の殺害に関わった疑いがあると見て捜査を進めています。
騒然とする住宅街。
この住宅で殺害されているのが見つかった、独り暮らしの白石和代さん。
100メートルほど離れた住宅では、加藤美和子さんと長女の美咲さん、それに次女の春花さんの3人が殺害されているのが見つかりました。
警察は加藤さんの住宅に刃物を持って侵入した、ペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者の身柄を確保しました。
2つの現場から1キロ余り離れた住宅でも、この2日前に、田崎稔さんと妻の美佐枝さんが殺害されているのが見つかっています。
警察は、ナカダ・ルデナ容疑者が6人の殺害に関わった疑いがあると見て調べています。
ナカダ・ルデナ容疑者、どのような人物なのでしょうか。
一連の事件の前の12日までは、群馬県伊勢崎市にある食品工場で働いていました。
その翌日の13日、ナカダ・ルデナ容疑者は、熊谷市にいました。
しかも警察署です。
片言の日本語で、意味の分からないことを話していると、熊谷警察署に連れてこられたのです。
所が。
たばこを吸いたいと外に出たあと、突然走り去り、行方が分からなくなりました。
その後、近くの物置や住宅の敷地に、男が侵入しているという通報が相次ぎました。
通報した男性は、男に金を要求されたといいます。
しかし警察は、外国人の男が逃げ出したことなどを、住民に知らせていませんでした。
そうした中、翌14日に、田崎さん夫婦の殺害事件が起きたのです。
次の15日、警察は13日の住居侵入事件で、ナカダ・ルデナ容疑者の逮捕状を取り、捜査を始めました。
しかし、こうした情報も住民には伝えられませんでした。
そして次の事件が起きます。
1人暮らしの白石さんは、15日の夕方から16日の朝の間に殺害されたと見られています。
加藤さん一家3人は、16日に殺害されたと見られています。
警察の対応に問題はなかったのか。
埼玉県警の貴志浩平本部長は。
ナカダ・ルデナ容疑者は、身柄を確保された際、住宅の2階から転落して頭の骨を折り、現在も意識不明だということです。
警察は事件前の行動などを調べています。
先週、関東や東北で大きな被害が出た豪雨についてですが。
この豪雨、きのう気象庁は、平成27年9月関東・東北豪雨と名付けました。
鬼怒川の堤防が決壊した茨城県の常総市では、依然として1500人余りが避難生活を余儀なくされています。
私、先週に引き続き、おととい、再び現地を取材してきました。
水の量はずいぶんと減りましたね。
この中州も見えるようになりましたね。
現場に入ったのは、決壊から1週間となる、おとといです。
水につかった地域に入ると。
この前はこのぎりぎりの所まで水がたまっていたんですけれども、今はずーっと水が引いてなくなっています。
その先、田んぼも道も見えています。
街の様子が1週間で見違えるようになりました。
一面、泥に覆われていた道路も。
すっかり泥がかき出されてきれいに。
道を塞いでいた建物の一部は。
撤去されて車が通れるように。
決壊した堤防も。
ブロックを積み上げて、元に戻す作業が行われていました。
復旧が進む一方で。
こちらの風景は大きく変わっていません。
壊れた車、そして流された家、そういったものは、今もそのままの状態となっています。
そしてまた雨が降っているんですね。
はい。
傾いてしまった家も、先週と同じまま。
大きな被害が出た地区は、ほとんど手つかずの状態でした。
その雨によってですね、新たな問題も。
どうなってるんでしょうか、水がたまっていますね。
泥が排水溝に詰まって、水が抜けないんです。
雨が降り続くと、再び家が水につかるおそれがあります。
近所の人どうしで助け合っていました。
この地区の区長は。
次に訪れたのは、1週間前に取材したお宅。
菊地慎二さんです。
1週間前、菊池さんの家は、床上まで水につかり、掃除の真っ最中でした。
大変でしたね。
今週、電気と水道が復旧。
掃除も一気に進んだといいます。
しかし、ここでも。
見た目はきれいになった床の下に、大量の泥がたまったままで、これから取り出す予定だということでした。
ご家族に今どんなことが心配か聞いてみました。
長男の暁さんは、友人の家に泥棒が入ったと聞きました。
お母さんはそれを聞いて、自宅を離れることができなくなったといいます。
長女の香菜子さんは、周りにまだ困っている友人が多いことに心を痛めていました。
厳しい状況の中、全国から寄せられる善意に、感謝の気持ちを伝えたいという人もいました。
石川幹夫さんです。
石川さんは、自分の住む地区で、支援物資の取りまとめを担当しています。
大量の飲み物や食べ物。
泥を拭き落とすためのタオルなど、これから配られます。
さらに。
ティッシュ、体ふき、おしりふき、これ、赤ちゃんのものだったりしますね。
そうですね。
必要とされているものをメモして、それを届けてくれた人もいるといいます。
中には、応援のメッセージが添えられたものもありました。
泥を掃き出すデッキブラシには。
力を合わせて頑張ってください。
みんなで大切に使うとおっしゃってました。
浸水したエリアは、1週間でこんなふうに変化をしています。
これ、オレンジ色で示したのが、最も広く浸水した時点です。
今週水曜日には、この青い部分、ここまで減っていると見られているんですが、運ばれた泥は、ご覧いただきましたように、家の中ですとか、道にまだたくさん残っています。
かき出すのは、やはり機械だけでは難しくて、たくさんの人手が必要だということを強く感じました。
現地にこの連休中に、ボランティアに行きたいという方は、どうしたらいいですか?
茨城県常総市の場合なんですが、この連休中は、県と市が共同でボランティアを受け付けています。
こちらに今、ホームページのアドレスが出てきたんですが、行き方ですとか、準備するものについては、常総市災害ボランティアセンターのホームページをご覧いただきたいと思います。
電話番号をご紹介したいところなんですが、問い合わせが殺到すると、受け入れ、対応が間に合わないおそれがあるということで、まずはホームページを見て、確認してほしいということでした。
分かりました。
さあ、今週はこのほかにもこんなニュースがありました。
月曜日、熊本県の阿蘇山が噴火しました。
中岳第一火口から2000メートルまで噴煙が上がり、周辺に大きな噴石が飛びましたが、けがをした人はいませんでした。
この噴火で気象庁は、噴火速報を初めて発表しました。
去年9月の御嶽山の噴火を受けて、先月から運用を始めた情報です。
噴火から5分以内をメドに発表するとしていましたが、今回は、7分後でした。
気象庁は、今回のように次第に規模が大きくなる噴火の場合には、情報を発表するまでにある程度時間がかかることもあるとしています。
沖縄県名護市の辺野古沖で先週から再開した、アメリカ軍普天間基地の移設に向けた工事。
これに対し、沖縄県の翁長知事は月曜日、移設先の埋め立て承認の取り消しに向けた手続きに入ったことを明らかにしました。
防衛省は工事を続けるとともに、取り消しが決まれば、不服審査請求など、法的措置を取ることを検討していて、最終的には政府と沖縄県が法廷で争うことも予想されます。
自称、ミュージシャンの野田伊佐也容疑者。
東京・品川区のJR東日本の変電所で先月、敷地の一部が焦げた事件に関わったとして、威力業務妨害の疑いで逮捕されました。
調べに対し、やったことはやった。
業務妨害とは思っていない。
大量に電力を消費するJRが許せなかったなどと供述しているということです。
東京都内のJRの施設などで相次いだ放火事件。
ケーブルや架線の一部が焼けるなど、8件に上っています。
野田容疑者は、このうち4件の現場で写真を撮影し、事件との関連をうかがわせる書き込みとともに、インターネットに投稿していました。
複数の放火に関わったという趣旨の供述もしているということで、警視庁が調べを進めています。
南米チリの沖合で、日本時間のおととい、マグニチュード8.3の巨大地震が発生。
倒壊した建物の下敷きになるなど、これまでに12人が死亡しました。
沿岸では、4メートル80センチの津波を観測。
家屋や車などが流されました。
気象庁は、日本にも津波のおそれがあるとして、きのう、津波注意報を発表。
岩手県久慈港で80センチなど、北海道から沖縄の各地で津波を観測しました。
避難した人も。
津波注意報は、14時間近くたって、すべて解除され、大きな被害はありませんでした。
さて、きょうから5連休という方も多いのではないでしょうか。
秋の大型連休が始まります。
秋に大型連休って、これまでありましたっけ?
実はですね、あったんです。
6年ぶり。
6年前にありました?
9月の5連休は6年ぶりなんです。
これ、ことしのカレンダーなんですが、土曜日ですよね、日曜日、敬老の日があって秋分の日。
22日はなんでしたっけ?
これ、平日なんですけれども、祝日と祝日に挟まれた平日は休日とするという法律の規定がありまして、ことしは休みになって、5連休になった。
でもこの5連休って、なかなかないことなんです。
敬老の日って、9月の第3月曜日って決まってるんですね。
昔は9月15日で決まってましたけどね。
秋分の日っていうと、22日だったり23日だったりするんですよ。
ことしはたまたまそれが水曜日の23日だったんで、これが挟まれて、22日が休みになった。
じゃあ、次はいつかっていうと。
こんな先。
2026年?
2026年、11年後。
貴重な休みなんですね、今回は。
だから大事にしなくてはならないということなんですが、気になる交通機関、5月の大型連休並みの混雑が予想されています。
新幹線、空の便の混雑のピーク、下りはきょう、そしてUターンの上りのピークは23日になる見通しです。
しょうがない、車にするかと思ったら、今度は車も混んでるでしょ。
そういうことなんですね。
日本道路交通情報センターから伝えてもらいます。
古屋さん、お願いします。
下り線の渋滞がすでに激しくなっています。
それでは早速、現在の様子をご覧いただきます。
こちらは現在の東名高速道路神奈川県の大和トンネル付近の映像です。
名古屋方面に向かう下り線は、車の量が多くなっています。
午前8時半現在、東名高速道路下り線は、この大和トンネルの先にある綾瀬バス停付近を先頭に、20キロの渋滞です。
このほか関越自動車道の下り線は、高坂サービスエリア付近を先頭に17キロ、中国自動車道の下り線は、宝塚インターを先頭に名神高速道路に伸びて23キロなどとなっています。
高速道路の下り線というのは、あすも混雑しそうなんですね?
そうですね。
あすの渋滞予測ですが、東名高速道路が伊勢原バス停付近を先頭に35キロ、関越自動車道が花園インターチェンジ付近を先頭に50キロ、東北自動車道が岩舟ジャンクション付近を先頭に45キロなどとなっています。
古屋さん、Uターンの上りの混雑はどうなんでしょうか。
上り線は、21日から22日の深夜にかけて、渋滞が多く発生すると見込まれています。
東北自動車道が、上河内サービスエリア付近を先頭に、21日に40キロ、関越自動車道が高坂サービスエリア付近を先頭に22日に45キロ、東名高速道路が大和トンネル付近を先頭に21日、22日ともに35キロなどと予測されています。
時間に余裕を持って、安全運転でお出かけください。
なお、古屋さんはこの5連休はいかがお過ごしでしょうか。
仕事に励みます。
大変失礼しました。
ありがとうございました。
さあ南さん、この5連休の天気が気になりますが。
408万6760人。
この数、中東のシリアから国外に逃れた難民の数です。
第2次大戦後、最大の危機とも言われる難民問題にいま世界が大きく揺れています。
ヨーロッパに押し寄せる難民や移民たち。
幼い子どもを連れ家族で祖国を逃れる人も少なくありません。
銃撃音
難民を生み出す大きな要因となっているのがシリアで4年前から続く内戦です。
これまで命を落とした人は22万人にのぼり国民の、実に2人に1人が住む家を追われました。
失われたあたりまえの暮らしを求めてゴムボートで海を渡り…警備の目をかいくぐりいくつもの国境を超え…シリアの人々が目指すのは数千キロ離れたヨーロッパです。
しかし、急増する難民に対して、国境を封鎖し受け入れを拒む国も出て来ました。
命の危険を冒しシリアを逃れた難民はおよそ400万人。
平穏な暮らしを取り戻すことは出来るのでしょうか?
きょうもメール、ツイートでのご参加、お待ちしています。
日本は今週は、安保法案一色の1週間でしたが、世界は難民問題一色の1週間でした。
きっかけはこの写真です。
家族でヨーロッパを目指し、トルコからギリシャへ渡る途中に、ゴムボートが転覆。
溺れて亡くなった3歳の男の子の写真が、世界中で報道されて、目にした方も多いかもしれません。
あまり亡き骸の写真をそのまま私たち、放送することはないのですが、悲惨さをお伝えするために、きょうはあえてきょうはこのままお伝えします。
この男の子の写真をきっかけに、なぜこの男の子が死ななきゃいけないのか、一体どういう状況になっているのかと、世界の関心が非常に高まっています。
きょうもそこからスタートです。
徳永アナウンサーです。
おはようございます。
深読みらしく、一から分かるように、ひも解いていきたいと思います。
どうして男の子は悲劇に遭ってしまったのか。
もとをただせば、シリアが内戦で泥沼化しているということなんですよね。
もともとシリアは、アサド大統領が治めている国です。
4年前にアラブの春ってあったの覚えてますか?この辺りの国々で、民衆が立ち上がって政権を倒すっていうのが続きました。
このシリアに関しては、反政府勢力、立ち上がったんですが、決着がつかないまま、内戦になっていると、今も続いているということです。
話をややこしくしているのは、それぞれの勢力に大国がついてるからですね。
ちょっとおさらいします。
一貫してアサド頑張れと言っているのが、ロシアです。
昔から軍事のつながりがあって、この絵で分かるとおり、武器も提供しています。
このシリアの領内にロシア軍の基地もあって、倒れられては困るっていう思惑があるんですよね。
じゃあ、反政府を支援しているのはというと、もういつものパターンですよね。
アメリカを中心とした欧米などの国です。
アメリカの価値観って、独裁者はやめて、民主化っていう考え方ですから、アサド大統領のことを独裁者だといって、政権を去るべきだといって、こちらを支援します。
だから、ずっと決着がつかないまま、庶民が亡くなっていくというんです。
で、ややこしいのは、その混乱に乗じて、この過激派組織IS・イスラミックステート、これが入ってきてることなんですね。
三つどもえになっている。
ISが出てくると、アメリカはシリアの領内に直接空爆を始めて、よけいにこじれていきます。
こういうときは、国連が出てくるんですが、停戦を呼びかけていますが、収まりません。
この数字です。
シリアは大体2200万人ほど人口があるんですが、国内で家を失って逃げ惑っている方が、今、760万人です。
760万人。
国内避難民っていうことば、私は聞いたことがないんですが。
ということはです。
家を失った人?
家を失って迷っている方だけで、760万です。
全人口、どのくらいいるんですか?
2200万。
2200万のうちの760万?
これから言うことは、もっとすごくて、これ国内です。
国外もいるわけです。
それを、この模型で見ます。
いつものシリアがこのような混乱になっている。
そうすると、隣国に逃げる方がいます。
西隣はヨルダンやレバノンです。
たくさんの難民があふれて、もう人が入りきれないぐらいあふれ返っているところもあるそうです。
一番多いのは北隣のトルコです。
ここが、隣国に逃げた方で、さっきの760万と別に、408万人の人が、隣の国に逃げている。
それぐらい今、混乱しているというわけです。
男の子の話ですが、トルコに逃げたんです。
シリアからトルコに行って、ヨーロッパを目指したんです。
ところが、ギリシャに行く途中、船に乗ってて、その船が沈没して、流れ着いて遺体で流れ着いたというお話なんです。
なんでそんな危ないことをしないといけないのかっていうと、ここが大変な環境になっているからです。
4年たって、人がどんどん増えて、食料の支援もなかなか行き届かなくなっているという話も聞きます。
そして、当然ですが、仕事も、医療も、教育もなかなか受けられてないんじゃないかという話も聞こえてきます。
実はきょうは、このトルコを見てきた方がいます。
景平さんです。
2週間前までトルコの難民のところにいらっしゃったんですが、ちょっとお話を聞かせていただけますでしょうか。
景平でございます。
今、トルコは、皆さん難民というと、難民キャンプの中にいて、食料とか食べ物をいつももらっているというふうに思うかもしれないんですけれども、トルコの場合は、難民キャンプに入っている人っていうのは1割ぐらいなんですよね。
1割?あとは?
1割ぐらいで、あとの人たちは、本当の街なかに住んでて、自分でお金を払って、家を借りて、自分たちで自活をしているんです。
それはなぜそうできているかというと、本当に、貯金を切り崩してとかっていう生活をしていると思うんですね。
なので、非常にこう、生活の基盤がない所でそういう生活をしていて、仕事も日雇いのような、非常に賃金の安い仕事は就けるんですけれども、ことばも違いますので、いい仕事には、なかなか就けなくって、子どもの教育ですよね、子どもも学校に行けなかったりするので、非常に、なんですかね、トルコ人、すごい親切なんですけれども、それでもやっぱり、生活が非常に難しいので、もうヨーロッパに行けば、もっとよくなるんじゃないかというふうに思う人が多いのが現状だと思います。
難民っていうのは、その場にいることができなくなって、やむをえず出ていく、でも、そのあと、そこで生活できなくなって、どっかに移るっていうと、これ、移民ってことですか?
そこの定義は難しくって、今、ヨーロッパでも、じゃあ難民と呼ぶのか、移民と呼ぶのかっていうのは、たぶん、言う人によって言い方はたぶん変わってますよね。
難民っていうのは、宗教だとか人種の違い、それから政治的な考え方、そういうことによって、迫害を受ける、あるいは迫害を受けるおそれがあるということで、逃げた人たちを、国外に逃げた人ですね、を難民と定義してるんです。
そうでない、より豊かな生活を目指して、ほかの国に行く、そういう人たちを移民というように名付けてますね。
いや、でも、シリアの場合は内戦で家がなくなったり、そしてそこにとどまったら命の危険があるという意味では、移民っていう感じじゃないんじゃないですかね。
ですんで、ただヨーロッパに逃げ込んでる人たちは、いろんな人たちがいるんですよね。
ですので、行ってから難民なのか、移民なのかということを審査をすると。
ヨーロッパでは7割以上は、シリアの人たちも含めてですね、7割以上は難民だとして認められているということなんですけれども。
ただ、途中で海を越えていくとき、この人たちは難民だから、この人たちは移民だから帰すとか、そういうことはできないんですよね。
区別つかないですね。
また詳しい聞いていただきたいと思いますが、今週のニュースをざっとおさらいしてまいります。
これだけの方がいらっしゃる、今、景平さんの話もあると、当然、難民の方は思うわけです。
人らしい生活をしたい。
着のみ着のまま爆撃されて逃げてきた人も大勢いるわけです。
ですから、こういう思いをするのは当然ですよね。
そんな中で、私の国がありますよと声をかけた方がいます。
この人ですね。
ドイツのメルケル首相が、積極的に受け入れますと言ったんです。
さっきの話と全く逆でして、ドイツというのは、難民の受け入れをしますと、衣食住の保障もしますと、積極的に難民と認めますと、認めるまでの半年間も衣食住、保障しますと。
職業訓練も語学も、場合によってはやりますよという、いろんなメニューを出したんです。
そうすると、難民とはいえ、スマートフォンなどもある時代です。
ドイツがあるよと、みんなに知れ渡ります。
そして、前、深読みでもやったんですが、地中海を南北に渡ると危ないっていうか、距離が相当ありますので、このルートが比較的、リスクは低いよっていうのが知れ渡っています。
それがトルコから陸や海を使って、ギリシャに行く。
あとは陸続きだというものなんです。
トルコに一番難民の方が多いので行こうとするんですが、ここにも出てきます。
また密航業者。
行きたいならば難民の皆さん、高いお金を払ってください。
平均的なシリアの方の年収の5倍を吹っかけてくる業者もいるそうです。
年収の?
そうです。
臓器を売って、お金を工面している人もいると聞きました。
乗っていいよと用意される船は、こういう船だけじゃなく、もろいゴムボートもあります。
乗った家族が沈んでいく、これがさっきの男の子のことです。
どんな感じか、写真があります。
これです。
これはもうあれじゃないですか、定員オーバーですよね。
そうなんです。
異常なほど乗ってますよね。
この地中海で、あの男の子と同じ境遇で命を落としている方、実はどんどん増えていて、この模型を作ったときよりも増えて、最新だと2900人を超えているともいわれているんです。
それでもですね、新天地求めて、乗って、ギリシャに入る人は後を絶たないんです。
なんとか命からがら着いた方が、ある街を目指します。
それは、ハンガリーのブタペストです。
なぜ?
ご覧のとおり、列車があります。
ドイツにちょうこうするというか、そのまま行けるんです。
ここまで行けば、ドイツに入れます。
そしてEUのいくつかの国の決まりがあるんですが、ハンガリーより北のドイツに行くには、国境を通るときに、チェック受けないんです。
パスポートとかビザとか逐一見せろとか言われないんです。
つまりハンガリーにさえ入れば、なんとかドイツへの光は差すと思ってみんな、陸路たどっていくのです。
ところがです。
そのハンガリーが。
移民難民、移ってくる人に、大変厳しい対応を取ってるんです。
世論がそういうふうに、反対が多いと。
難民の受け入れを反対している?
はい。
セルビアとの国境にこのような有刺鉄線を張って、もう、入れなくしちゃった。
それなんでハンガリーはそんなに反対してるんですかね。
国民の世論というのを聞いているんですね。
実はこれまでもたくさん来ているんですね、難民とか移民が。
ただもう、これ以上、来てほしくない。
というのは、国民の多くが反対してるんですね。
もう経済的に重い負担だということもあります。
それから東の国って、特にそうなんですけど、イスラム教徒が多いんですよね、シリア人とかはですね。
そうなると文化も異なるということで、国民の強い反対があって、今の政府が、もうブロックしようとなってるんですね。
でもですよ、でもですよ、それでもあの写真を見てください。
有刺鉄線を子どもを抱えた女性が、それでも抜けようとします。
あれよく見るとね、相当鋭利なんですよ、あの有刺鉄線。
痛いんですね。
なんか、痛そうな顔してますよね。
それでもくぐる人が後を絶たないんです。
なんとかハンガリーに入って、電車に乗れたとします。
出発といって行くんですが、実はニュースで、この電車がなかなか行かないというニュースが聞こえてきます。
どういうことですか?
それはね、もう一回写真を見ましょうか。
この様子を見てください。
ああ。
それが、難民の方なんですか?
さっきのVTRにもありましたが、大混乱、主に難民や移民の方だと思います。
たくさんの方が乗ります。
途中で降ろされる人も出ます。
そうすると、街にあふれかえっています。
ハンガリーやオーストリアで、このようなことが続いています。
そうすると、こんな人たちも出てきます。
陸路、車にしませんか?乗りませんか?って誘ってきます。
もちろんお金を取ります。
実は高速道路上で保冷車を捕まえてみて、荷台を開けたら、移民が、難民がいっぱいいた。
71人が死んでいた。
窒息死していた。
こんなことがざらに起きています。
それでも彼らはドイツを目指します。
なんとか電車に乗って、ドイツにたどり着いている人もいるんです。
そのうちの一人が、あの子です。
あー。
あの女の子です。
ジャーマニー・ラブ。
やっとの思いで、ドイツに生きてたどり着けた子も、中にはいると、こういうわけなんです。
ドイツは去年発表したんですが、2年間で2万人規模の難民を受け入れますって公表してるんです。
ところが、この混乱で、こんなことが起きます。
そんなに?
一日で?
多い日は1日で1万人、週末2日間で、もう2万人超えちゃったんです。
うわー。
とんでもない数です。
そうすると今週、ドイツの態度が変わります。
ちょっと制限しなきゃいけませんと。
国境を越えるときに審査をさせてください。
これ、EUの戦争のない平和なヨーロッパつくりたい、国境は自由に行き来するようにしましょう、そのモットーが、ちょっと例外的になってしまったと。
そのドイツがやるんだったらと、オーストリアも始めます。
っていうことは、ハンガリーは、もっと厳しくします。
水かけました。
催涙スプレーかけました。
くぐったら、壊したら罪だって法律も作りました。
それでもたくさんの人があふれかえります。
実はこの模型を作ってから、また状況が変わりました。
この地図見てほしいんです。
あの有刺鉄線は、セルビアとハンガリーの間にあります。
ここで人が滞留します。
そうすると、ここ、クロアチアなんですけども、クロアチア来てもいいですよって行かれたんです。
そしたら、1日で1万5000人以上の人が入ってきちゃった。
クロアチアもちょっと、ちょっと待ってって、ここも止めます。
このあたりで今、難民の人たちがどこに行っていいか、行き場を失っているというぐらいの状況です。
ヨーロッパは受け入れようよとは言ってるんですが、こんだけの窮状です。
EU諸国は、これにどう対処するんでしょうというのが、世界の今週のニュースなんですよね。
でもこの状況の責任がEUだけにあるわけじゃないですからね、これは。
善意ですもんね、難民を受け入れるっていうことは。
ただだいぶ前から、ギリシャとか、その前にイタリアとか、どんどんどんどん来てたんですね。
ただこれまでEUは、そこから先には来ないでくれとブロックしていたわけです。
ところがもうもはや、新しいルート、トルコからギリシャ、そこからどんどんどんどん来てしまうんで、もう止められなくなってしまったんですね。
ですので、いかにこれを各国が、今、分担しようかという動きが出ているんです。
ちょうど、こちら、ご覧いただきたいんですけれども、ことしの6月に4万人を受けましょうと、ギリシャとかイタリアにたくさん来ているので。
4万人を各国で分担しましょうと、いったんはそこまでだったんですけれども、さらに、この夏、増えましたので、プラス12万ということになりましてですね、その人たちを、各国が人口だとか経済規模に応じて、みんなで分担する、義務化しましょうということを提案したんです。
そうしたら、この赤の国々は、とんでもないと、なぜ義務で数を決めるんだということで、今、反対していましてですね、なかなか決着しないという状態なんですね。
16万人で済むんですか?だって1日1万人来たら、もう16日で16万人ですよね。
そうなんですね。
これ、見えるかな?
なんかはがすとこありますね。
実はですね、もうすでにことし、地中海を渡った人だけでも、40万人がヨーロッパに来ています。
実はこの40万人といってるんですけども、さらにこの辺りからも、難民としてヨーロッパに入っている人がいるんですね。
バルカン半島から、そういう人も入れるともう50万とか、もっと多くなってしまうんです。
今、いっている16万っていうのは、ここに来ている人たちの40万からしたら、ほんの一部なんですよね。
じゃあ、ほかの人たちはどこへ行ったらいいのかというのが、今、一番の問題ですね。
行ってもだめらしいよっていう、今度は情報が、それこそスマホでばっと広がって、難民キャンプにとどまろうかっていう決断をする人も、いたりしないんですか?それからツイートでは、難民になる人たちは、自国を混乱させているリーダーたちをどうにかしようとはしないのでしょうかという声も来ていますが。
そうですね。
トルコからヨーロッパに逃れていくんですけれども、大体3パターンあるんですね。
トルコにずっととどまり続けようっていう人たちと、今、話に出ているように、ヨーロッパに新天地を求める人と、もう一つ、言っておきたいのは、シリアに戻る人も結構いるんですよね。
私、2週間前にトルコにいたときも、シリア人と話していると、来週、シリアに帰るというふうに言ってて、もうそれはもう、どうせ死ぬならシリアで死にたいっていうふうに言って帰るんですね。
なので、難民というのは本当に、いろいろで、そういうシリア、戦争してますけど、そこに帰るって決断する人もいますね。
シリアの人に国内を自分たちでなんとかしろっていうのは、それはもうとても無茶なこと?
たぶん、日本とかと同じなんだと思うんですけれども、政治とか例えば軍事に積極的に関与する人の数ってやっぱり限られていますよね。
今回、被災している人とか、避難している人っていうのはやっぱり、政治的には、すごく受動的な人たちで、政治家がイニシアチブを取って、なんとかしてくださいっていうような。
本当に普通の、私たち、そういうことですよね。
恐らく自分の住んでいる所が危なくなったら、日本の災害のときもそうですけど、まず最初に逃げるわけじゃないですか。
恐らく多くの人が、形でまず逃げて、具体的にシリアで起きている現実を、やっぱり少しずつ知っていくと、やっぱりこれはなかなか、解決できないしということ、あとは先ほども徳永さんの説明でもありましたけれども、周りの国がいろいろちょっかいを出しているわけですよね。
仮にシリアの人たちが自分たちで問題を決めれたとしても、やっぱり周りの国もそれをサポートしてあげないとだめで、恐らくその一つのひずみが、ヨーロッパへの移民の流入っていう形で出てきているのかな感じはしますよね。
逃げて、難民のシリアの方たちは戦いの事態に対してどういう思いなんですかね。
私の知っているいろんなシリア人の人たちに聞くと、まず最初にとにかくやめてほしいと。
とにかく戦うのをやめてほしいっていうことですよね。
こういう政治の問題になると、例えばアサド政権倒す、あとイスラム国・ISを放逐するというような武闘派的な、はっきりしたような解決策っていうのを、まず考えてしまうんだけれども、実際に暮らしている人たちっていうのは、そういうのはどうでもいいと、とにかく、まずやめてもらわないとというのがかなり、ほとんどの人がそういうことを言います。
もう実際、シリアっていう国は、国としてもうないということですか?
微妙なところですけれども、シリアのアサド政権が支配している地域は限られているし、ほかの反体制派のところはもっと深刻で、ISが支配している地域、あと反体制派ってひとくくりにしてしまうことができなくて、ものすごい小さい集団に分かれていてとなると、ある種、無政府状態みたいな所も多くてということですよね。
そこに例えばアサド政権が空爆をするということになると、せっかく戻ってきた人たちがまた犠牲になってしまうとか、そういう状況ですね。
だからもうあれですよね、結局、難民を生んでいるもとのシリアの状況をなんとかしないとだめなんじゃないかということに話は移ってますよね。
そうですよね。
そのためにはこれを。
この地図をもう一回出します。
この状況をなんとかしないと、つまり内戦が終わらないと、またあの男の子の悲劇が繰り返される、難民が止まらない。
この火種を止めなきゃいけないわけです。
そのためには、何が糸口なのかですが、なかなか答えが見つからない状態です。
実は難民問題が出て以降、いろんな動きがありました。
みんな、平和のためにと言ってやってることです。
見てください。
まず、アメリカです。
打倒IS、ずっと空爆などしていますが、どうやら言われているほど、戦況はよくないんじゃないかというのが最近、ニュースで言われ始めました。
さっきおっしゃっていましたよね、青山さんが、反政府勢力も一枚岩じゃありませんというのがあります。
そうこうしてるうちに、このシリアに空爆していたのはアメリカと中東の周辺国だけだったんですが、ここは支援だけしてたんです。
難民を解決するにはISだと言って、空爆に踏み切ったり、空爆する方針を表明したりする国が増えてきました。
そうすると?
さあ、混乱してきます。
つまり、また空爆が増えかねない状況です。
空爆が増えると。
今度は、こっちの動きが出てきます。
アサド大統領が、今週ですね、テレビのインタビューに答えました。
こう言ってます。
かいつまんで言うと、難民のあなたたちの国、出しているけどって言われて、それは欧米がこんなことをやってきたからです。
ISの支配地から難民は逃げているだけなんです。
そしてこう言いました。
ISの対策のために、僕の下に集まりませんかって言ってきました。
平和のために僕の政権続けたらどうですかと言ったんです。
ここのもめてるのが始まりだったのに、反政府勢力に一緒になろう、従いなさいと呼びかけます。
そして、ロシアも追随します。
今週、われわれは平和のために武器を提供し続けますと、また表明し、アメリカは怒りに湧きかえる、これをずっと続けています。
みんなシリアの平和のためにと言ってばらばらのことをしているわけです。
すみません、一見すると、IS対策のためにアサド政権と反政府勢力が、一つにまとまってくれたら戦禍も少しは収まるから、いいことのような気がするんですけれども、なんでアサド政権じゃだめなんでしたっけ、そもそも。
そもそも、ここがもめて内戦が始まったんですよね。
アサド政権が独裁政権だから?
そんなに悪い政権だったんですか?
でも反体制勢力は、そもそも、おっしゃるとおり、アサド政権が民意を反映してないということで、打倒するっていうことを目的に戦っているわけですよね。
なので一緒に戦おうということは、存在、認めちゃうということになるので、そこは、自分たちの最初のステップなので、決して譲れないっていう。
ちなみにこういう国連なども言ってるんですが。
そうそう、国連は何をしているんだっていう声は、実は、ツイートでものすごい来てるんですよ。
ちょっと読みましょうか。
どこいったかな、結構、たくさん来ているんですけれども。
国連の役立たずって言えばいいのに、なんのための国連なのよっていうのが一番強い言い方の声ですけれども。
国連は何をしてるんですか?
国連なんですけれども、恐らく、国連が介入するっていうときには、例えば国連安保理決議でアサド政権を倒すための決議を作ってっていうようなことを最初は考えてたんです。
ところが、この図見れば分かるとおり、ロシアがいますし、この後ろには中国もいますので、拒否権発動すると、国際社会で一致団結できない。
そもそもそういう大国どうしの意見の対立で紛争が長引いているんだけれども、ここ最近、別の動きがあって、それは何かというと、この紛争を解決するための特別な任務を帯びた共同特別代表というのを作って、アサド政権と反体制派を和解のために話し合いをさせましょうということをずっと、ジュネーブプロセスっていうんですけれども、それを2012年から実はずっとやっていて。
ここにきて、ようやっとそれが、少しずつ軌道に乗り始めてる感じ。
日本はなんかそれに関わっていますか?
日本はいわゆるそういう準備会合とかには出席しているんですけど、ここにある大国の中で一番、イニシアチブを取っているのはやっぱロシアですよね。
なぜかというと、対話というと、アサド政権とっていうので、対話するので認めるわけですから、それがロシアにとってものすごく都合がいいと。
逆に、アメリカとかは、対話するっていうのは、一見いい話ですけれども、これまでアサド政権、倒すと言ってきた都合上、しかもそれ、人権に基づいて倒すって言ってるんで、受け入れちゃうと、やっぱし人道的な自分たちの本質に抵触しちゃうというので、なかなかうまくいかない感じですよね。
なるほど。
ほかにもですね、こんな声が来ています。
京都府、50代の女性から。
内戦が起きるたびに同様の問題が中東、アフリカで起きています。
それに対して何もできない、何もしない日本の姿勢に疑問を感じます。
でも何ができるんでしょうね?何がしたいんですか?
そこですよね、難民を受け入れる状況では、日本はないというのが正直なところ、とかですね、難民受け入れに関しては、いろいろ来てますね。
今できることといえば、難民の支援ですよね。
周辺国に逃げている難民の人たちを支援する、財政的な面、あるいは人道支援、こうしたNGOの方たちが現地で支援するという形はあると思うんですね。
それから先ほどもありましたけれども、じゃあ、難民を受け入れること、できるのかどうかという問題なんですけれども、例えばヨーロッパ以外でこちらですけれども、今回、3歳の男の子の写真で世界の指導者が動いたわけですね。
アメリカも1万人を受け入れましょうと、シリア難民を受け入れましょう。
それから、オーストラリアも1万2000人を受け入れますというように、世界各国が今、受け入れをどんどんどんどん表明しているんですね。
じゃあ日本はどうする?というところなんですが、でも日本はいきなり1万人とか、受けることはできないですよね。
いきなり1万人来ても、どこで勉強、日本語を覚えて職業訓練するのか、そしてその人たちをどこの町とか都市が受け入れるのかと、まだ。
治安とかいろいろ気になりますし。
受け入れる態勢もできてないけれども、そもそも、態勢は意思がなければできないものではありますよね。
そこでちょっと、こんなアンケートをしてみました。
日本は、難民を積極的に受け入れるべきだと思いますか?という質問をしたところ、はいと答えた人が21%、これどうですか?
21%もいるっていうのはちょっとびっくりですよね。
5%ぐらいかなと思ってましたけど。
これまでは少なかったと思うんですね。
ただ、やはり今、ニュースでヨーロッパの難民が、どんどんどんどん出てるというニュースで、この数っていうのは増えてきたんだと思いますね。
なんか、思うんですけど、ドイツのメルケル首相じゃないけど、受け入れますよって言った瞬間に、地中海を渡って亡くなる方も多いわけじゃないですか。
その行く間に国の中でもトラブルが起きるとか。
日本が受け入れますよって言った瞬間に、じゃあ、シルクロードをずっと渡ってとか分かんないですけど、その中で失われてく命も多くなってくって思うと、なんか簡単には言えないことかなとは思うんですよね。
ただ、やはり世界のいろいろな国、ほとんどの国が今、難民を受け入れている状態なんですね。
もちろん日本は財政的な面で巨額の資金を出しているわけです。
ただ先進国の中で、難民をほとんど受け入れていないっていうのは、日本が一番少ないですね。
ドイツも職業訓練をして、あとあと労働力として受け入れるっていう。
そうすると、日本っていうのが、直接支援している分を、教育に向けて、労働力として育てるっていう、ちょっとなんか変ですけど、そういう形で受け入れるってことはできないんですか?
日本も労働力人口がどんどん減っていってるし、チャンスという見方はあるのでしょうか。
そうですね。
ただ、なかなかですね、ドイツはもう毎年、50万人とかですね、そういった移民も受け入れているわけですね。
50万人!
ですので。
一つの都市よね。
まだ日本はその態勢整っていないんですね。
ただ、日本も1970年代、80年代に、1万人以上のインドシナ難民を受け入れたことがあるんです。
あー、そうですね。
だから決して、日本は実績がない、経験がないわけではないんですね。
いやでも、それは経験がない人のほうがほとんどじゃありませんか。
実際、難民を受け入れるっていうのは、どういうことなんですか。
私たちの暮らしにどんな変化が起きるってことなんですか?
難民を受け入れると、やっぱりその人たちが、その社会でどうやって生きていけるかっていうのは、まずことばも違いますし、ことばも教えていかなければいけないし、文化、習慣も違いますから、本当に何から何まで違うことがあるので、それをちゃんと一番初めに、ことばを教えて、じゃあ、例えば日本に来た人たちに、日本での習慣っていうのは、こういうことですよというふうに教えていかなければ、疎外されて、例えば先ほど二村さんが言われた、インドネシア難民の話ですけれども、今もう20年、30年たってるんですけれども、その子どもたちが今、どういうふうになってるかっていうと、やっぱり高校生とかになっても、中退する子どもたちが非常に多いんですよね。
やはりそういう問題っていうのは、ずっと残っていきますので、そういう人たちをどういうふうにサポートしていくかっていうのは、非常に長く続けていかなければならないんですよね。
そもそも、シリアの方が、日本に来たいと思われますかね。
何人かの方は実際に難民申請されている。
ただ数的には、ヨーロッパの国と比べるとかなり少ないっていう。
難民問題、たぶん日本で考える場合、むしろシリア人というふうに考えるよりは、もうちょっと広い枠で考えなくちゃいけないのかなという感じはします。
そうすると今度また今、シリアの問題が話題になっているのに、シリアのほうがおざなりになりという、ものすごくシリア人にとっては微妙なところではあるんだけれども、そういうなんていうんでしょうね、どちらかを優先しなくては、軸足を置かなくてはならないのかなという感じはしますよね。
例えばですけど、今、ヨーロッパのほうでシリア難民の対応に今、非常に頭を痛めている、であれば、そのアジアのほかの難民もいっぱいいるんですよね。
ミャンマーから難民で日本に来てる方もいらっしゃいますけれども、そういったアジアの難民を、日本はもう少し考えてもいいんじゃないかなと、それぞれの地域で分担してですね、そうすると日本って非常に近い国の人たちを受け入れやすいということはできると思うんですよね。
恐らく今の問題で、シリア人をどうするっていうふうに考えちゃうと、たぶんそういう例えば受け入れるっていう形になるんだけれども、たぶん、シリアの人たちにとって、最も考えなくちゃいけないのは、避難民の数がものすごいたくさん数がいて、例えばわれわれが善意でたくさんのシリア人を受け入れるっていっても、やっぱり限りがありますので、なので、どういうふうにこの紛争にわれわれとして関与するかっていったときには、やっぱり紛争そのものを解決して、彼ら、皆さん帰りたいわけですから、そのためのケアっていうのもシリアに関しては、併せて行うと。
難民に関しては、シリア人とということですので、ちなみに数を、先ほど、説明もあったかと思うんですけれども、こんな感じですよね、全体の数は1100万人ぐらいいてっていうところになるんです。
日本が難民を受け入れるかどうかという話になったとたんに、ものすごくたくさんツイートが来ていて、言うは易し行なうは難し、日本がすぐできることは、難民を受け入れる諸国への財政的支援ではないか。
というか日本も間接的に難民の支援してるなんて初めて聞いたとかですね。
それから確かに日本は難民を受け入れたとしても、交通手段でもまた命の問題あるし、金子さんの意見を受けて、日本も日本でそんな余裕ないと思う。
ほかのことで支援できないのかな。
難民を受け入れたら混乱が起きるだけだ、日本で難民受け入れは無理、ことば、宗教など問題が多い、無責任な受け入れは、難民の人たちをさらに不幸にするというご意見のある一方で、東アジアもひと事ではない。
いつかは日本も受入国にならなければ、世界の信頼は得られないのではないかということが、なんとなく、この、なかなかそう簡単に受け入れというところに踏み切れないだろうなと。
紛争を終わらせるときに、例えば難民を受け入れる、あとは政治的に解決するっていうところになると、なかなか日本としてやることはないと思うんですよね。
ただ、実際にシリアの人たちが、この紛争を終わらせるために、何をしようとしてるのかっていうところは、私たちも知っておく必要があるかなというふうに思います。
さまざまな試みがあって、先ほど大国の思惑が錯綜して、混乱が続いてるっていうのが、この国連の安保理レベルのものですよね。
ここではやっぱし対話をしようっていうふうに言ってるんだけれども、国と国との問題で利害が対立してしまうんで、なかなかうまくいかない、ただ、国連の下部組織では例えばESCWA・エスクワという組織があって、この組織って、シリア人の専門家ですよね、いろんな農業の技術を持った人とか、本当だとか、300人ぐらい、どういう政治、立場かを別にして、招へいしてそこでもし紛争が終わったら、どのように復興しようかって考えるわけですよね。
例えば戦闘員の人たちをリハビリテーションしてるとか、あとは焼け野原になってしまった所を、どうやって農業で再開発するか、あとは女性の雇用をどうするかっていうような、恐らく、われわれが支援できるという場合は、ここをものすごく強く支援して、シリアの人たちに、戦闘を終わらせれば、どれだけ明るい未来が待っているのかっていうことを、言うのがたぶん、われわれがその政治的に何か、影響力を行使することはなかなかできないし、これだとわれわれ一人一人もできるわけじゃないですか。
ここのところをやっぱり、重点を置いていくことで、シリアの紛争っていうのを、われわれとして終わらせるという努力はできるかなという気がします。
やっぱりシリアの皆さんって、先が見えないんですよね。
希望がないので、やっぱりヨーロッパに行くと、ヨーロッパに行くと大変な生活待ってるんですけど、絶対に、それでもヨーロッパに行くと、何かが変わると思って行っているので、だから本当にいろんな支援をすることによって、シリア人の人たちが先に希望を持てるような、何かそういう支援をしていかないと、シリア人の人たち、本当につらいと思いますよね。
難民の受け入れもそうなんですけれども、日本がじゃあ、何ができるかっていうの宮崎さんから、今一つありましたけれども、例えば今、日本が積極的平和主義ということばを最近、よく、政府も使っていますけれども、むしろ平和を積極的に進めるんだったら、こうした紛争を調停する、この紛争当事国で、両者に働きかけて平和を構築していくと、これが一つ、日本の役割だと思うんですよね。
アフガニスタンだとか、フィリピンでもすでに実績を積んできているんですね。
ですので、やはり日本は平和国家だということで、平和のために世界で尽くすということが非常に重要じゃないかなと思いますね。
じゃあ、国としてそれに取り組んでもらい、例えば町内会とかでも、何かできることってあるんですね、そうやって。
それで今度は、社会で難民を受け入れるかどうかっていう問題なんですけど、やはり、社会保障だとか、いろいろな支出が多くなるとか、これはあるんですけれども、決して、お荷物ではないですよね。
全く違う文化、違う考え方の人たちが来ることによって、私たちも学ぶ点が非常に多いわけですし、それからシリアの人たちっていうのは、非常に優秀な人たちなんですね。
技術もあるし、それから非常に勤勉な人たちです。
だから日本のためにも決して損にはならないわけです。
かえって、私はメリットっていうのは、非常に大きいと思うんですけどね。
そういうことを考えて、やはりわたくしたちも、意識も変えていかなきゃいけないんじゃないかなと思うんですね。
日本も自国のことだけ報道するんじゃなくて、世界についてみんなが知らないと気付いたら、世界から取り残されるよという声も来ています。
日本の立ち位置は、安保法制の成立で変化はあるのでしょうかという質問も来てますが。
この紛争の中での日本の立ち位置、やっぱり基本的に日米同盟ありますから、アメリカ側なんだけれども、あの地図の中で、書いている国というのは、世界でも実はかなり特殊なんですよね。
アメリカ、イギリス、フランスっていうのは、これまで一貫してアサド政権を倒すっていうことを前提条件に話を進めてきた国なんですけれども、日本は若干そうではなくて、むしろたぶんドイツに近くて、ドイツからやっぱり、どういうのかというと、アサドが悪いと。
ただそれだけなんですよね。
でも紛争を解決しなくちゃいけないっていって、アサド政権を倒すかどうかっていうのは、シリア人に任せなさい。
日本はそういう立場で、若干、強硬な姿勢とは一線を画してきているので、そういうところをフルに生かすことはできるかなという気がしますね。
なるほど。
日本の受け入れに関するツイートがものすごく多いですね。
受け入れって言ってるけど、日本人を受け入れるのとはわけが違うよ。
今を転機にして、難民を受け入れられる国になれればいいと思いますという声も来ています。
日本も何かしてあげればという方、国に丸投げするのではなく、自分は、何ができるのかを考えたいとおっしゃっていますね。
2015/09/19(土) 08:15〜09:30
NHK総合1・神戸
週刊 ニュース深読み「命をかけた大移動 シリア難民400万人はどこへ」[字]

中東やアフリカからヨーロッパに殺到する難民や移民。最も多いのが、内戦が続くシリアからの難民だ。難民急増の背景に何があるのか、世界はどう向き合うべきなのか読み解く

詳細情報
番組内容
今月上旬、シリア難民の幼児の遺体がトルコの海外に漂着した写真は世界に衝撃を与えた。今、ヨーロッパにはかつてない規模で中東やアフリカから難民や移民が押し寄せている。最も多いのが、2011年以来、内戦が続くシリアからの難民だ。その受け入れを巡ってはヨーロッパ各国の対立が激化し、混乱は深まっている。難民急増の背景に何があり、世界はどう向き合うべきなのか、難民問題の知られざる実態と解決の糸口を探る。
出演者
【ゲスト】金子貴俊,宮崎美子,【解説】東京外国語大学教授…青山弘之,NPO法人 難民を助ける会…景平義文,NHK解説委員…二村伸,【キャスター】小野文惠,高井正智,【気象キャスター】南利幸ほか

ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
スポーツ – スポーツニュース

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