埼玉県熊谷市で6人が殺害され、ペルー人の男の身柄が確保された事件。
リマの中心地から1時間ほどのこちらの住宅で育ちました。
子どもの頃は優しく、おとなしい性格だったとのことで、兄弟たちは信じられないと口をそろえます。
ペルー在住の姉が、JNNのインタビューに答えた。
ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者は家族に家を建てるためと、18歳で日本へ渡ったと言う。
日本からペルーに帰ってきたときはこのような毛布など多くのお土産を家族などに買ってきたということなんです。
そしてこの毛布は今でも大切に使われているということなんです。
しかし2006年、容疑者の兄であるペドロ・パブロ受刑者が17人を殺害したとして逮捕される。
この事件の影響なのか、家族は里帰りしたナカダ・ルデナ容疑者の異変に気づく。
久しぶりの再会にもかかわらず、家族とほとんど会話もせず、精神的に不安定になっていたと言う。
そして現在、日本に住む別の兄も容疑者が父親から虐待を受けるなど、劣悪だった家庭環境も要因の1つではないかと指摘する。
兄は弟に対し、事件について正直に話してほしいと語った。
今月14日、夫婦の殺害現場から見つかった遺留物のDNAがナカダ・ルデナ容疑者のものと一致。
警察は、ナカダ・ルデナ容疑者が6人の殺害に関与しているとの見方を強めている。
ペルーの刑務所にいる兄のペドロ・パブロ受刑者は事件を知ると泣き叫んだとのこと。
今日の未明、成立しました。
民主主義とは何か、立憲主義とは何か。
戦後という言葉はまだ意味を持っているのか。
今日の「報道特集」はこれらの問いを総力特集で考えたいと思います。
戦後70年、国の形を大きく変える安全保障関連法が成立した。
この安保法制について野党・民主党は、来年夏の参議院選挙の最大の争点として訴えていく構え。
集団的自衛権の行使を可能にすることなどを柱とした安保関連法は今日未明、与党などの賛成多数で可決・成立した。
一方、野党・民主党は、東京・銀座で街頭活動を行い、改めて安倍政権を厳しく批判した。
休日の銀座で多くの方が足を止め、民主党の街頭演説に耳を傾けています。
また、枝野幹事長は来年夏の参議院選挙について、安保法制の是非は最大の争点にならなければおかしいと今回成立した安保関連法を争点として国民に訴えていく考えを強調した。
今日から5連休という方も多いのではないでしょうか。
秋の大型連休、シルバーウィーク初日の今日、各交通機関が混雑した。
東京駅では午前中から子ども連れの家族や大きな荷物を持った人々で混雑した。
JRによると東京発博多行きの新幹線「のぞみ1号」の自由席が乗車率170%となるなど、下りは今日午前混雑のピークを迎えた。
今日午後は一部の新幹線を除き空席があるとのことで、上りのピークは23日と予想されている。
続いて空の便。
日本航空によると、羽田発の便は午前中満席で、こちらも下りのピークを迎えた。
上りのピークは23日の午後と予想されていて、予約でほぼ満席になっているとのこと。
一方、高速道路だが、日本道路交通情報センターによると、午前中に中央道の下り線で38kmの渋滞があったものの、現在は10km以上の目立った渋滞はないとのこと。
下りのピークは明日で、上りのピークは22日と予想されている。
一方、大阪・岸和田市では岸和田だんじり祭が今朝始まった。
重さ4tのだんじり34台がはっぴ姿の男たちにひかれ、全速力で街を駆け抜ける。
祭りの最大の見せ場は、勢いよく走りながら交差点で直角に向きを変えるやり回し。
明日はだんじりが3つの神社に入る宮入りが行われる。
鬼怒川の堤防決壊で大きな被害が出た茨城県常総市では、大型連休に入り多くのボランティアが詰めかけた。
今日から大型連休に入ることを受け、茨城県常総市の災害ボランティアセンターでは朝7時から受け付けを開始。
多くのボランティアが片づけなどを手伝おうと詰めかけた。
ボランティアたちは浸水被害に遭った住宅の片付けや泥のかき出し作業などを行った。
ボランティアセンターによると、市内には今日だけで少なくとも1000人以上が参加していて、県外からの参加者も多く見られたとのこと。
この連休中はおよそ5000人の参加が見込まれている。
また、午前には把握できていない被災者がいる可能性があるとして、警察などが900人態勢で市内の捜索を行った。
塩爺の愛称で親しまれた塩川正十郎元財務大臣が亡くなりました。
塩川氏の関係者によると、塩川氏は今日午前、大阪市内の病院で肺炎のため亡くなりました。
93歳でした。
塩川氏は1967年に衆議院議員に初当選。
その後、運輸大臣や内閣官房長官を歴任し、2001年、小泉内閣が発足したときに79歳と高齢ながら財務大臣に就任した。
小泉内閣ではご意見番的な役割を務め塩爺の愛称で親しまれた。
外務省は岸田外務大臣が明日からロシアを訪問すると発表した。
岸田大臣はモスクワでラブロフ外相らと会談し、北方領土問題などを協議する予定。
日本とロシアの関係は北方領土へのロシア要人の相次ぐ訪問で悪化しているが、政府は会談を通して年内のプーチン大統領の訪日の地ならしとしたい考え。
今日午前10時半頃、北海道小樽市の交差点で信号待ちをしていたゴミ収集車に観光バスが追突し、バスの乗客・乗員49人のうち本州から来た観光客9人が軽いケガをした。
バスは今朝8時半に登別温泉を出発して小樽や余市の観光に向かう途中だった。
午前6時過ぎ、国宝や世界遺産になっている。
兵庫県の姫路城の大天守に小型無人機、ドローンが衝突するのを巡回中の警備員が目撃した。
現場付近を調べたところ、大天守の6階の窓枠の銅板に衝突の際にできたと見られる傷が見つかったとのこと。
ドローンを操縦していた人物は見つかっておらず、警察は文化財保護法違反容疑を視野に捜査している。
ソウル中心部を太鼓や鐘を鳴らしながら練り歩くのは、室町時代以降、日本へ派遣された外交使節団、朝鮮通信使を再現した行列。
これは日本と韓国のそれぞれの文化に親しんでもらおうと開かれた日韓交流おまつりの一幕で、色鮮やかな衣装に身を包んだ通信使のほか、あの憲法解釈変更の閣議決定から1年2カ月あまり。
安倍政権の安保関連法が今日の未明、成立しました。
過半数の国民が反対する中、戦後70年、専守防衛を貫いてきた安全保障政策が大転換しました。
立憲主義と国のあり方は、どう変わっていくのか、徹底検証しました。
今、本会議場の扉が閉められました参議院本会議での安保関連法案の審議は今日の未明から始まった。
ちょっと聞こえるでしょうか。
中にまでデモの音が響く。
午前2時過ぎ、採決が始まった。
反対票を掲げる野党議員。
1人牛歩を続ける山本太郎議員に、議長が速やかな投票を促す場面もあった。
この国のあり方を変える安保関連法案。
安保関連法案をめぐる動きは、今週水曜から目まぐるしい展開を見せた。
この日、参議院の特別委員会を開会しようとした与党だったが、予定の午後6時を回っても開くことができない。
採決に持ち込まれることを恐れた野党が抵抗していた。
理事会室の前ですけれども、その前に今、女性議員たち、参議院の野党の女性議員たちが集まってきて、これから委員長に対して十分な審議をするよう申し入れを行うところです。
委員会の議事進行を決める理事会。
鴻池委員長を理事会室に入れまいとピンクの鉢巻きを巻いた衆参の女性議員が詰め寄る。
もみくちゃにされながら鴻池委員長が入室。
午後6時半頃から理事会は始まった。
中谷防衛大臣と岸田外務大臣は、午後6時過ぎから委員会室に入り、開会を待ったが…理事会は紛糾した。
休憩を挟みながら断続的に行われたが、一向にまとまる気配はなかった。
扉の奥では与党がとったある行動に野党の理事たちが反発していた。
この日の朝、安倍総理と公明党の山口代表は次世代の党など3つの少数野党の代表と会談し、自衛隊を海外派遣する際、国会の関与を強める付帯決議などで合意。
3つの野党が法案に賛成することとなった。
その上で与党側は、採決も視野に締めくくりの総括質疑に入ろうとしていた。
こうした動きに民主党などは強く反発した。
今日、5党で合意をしたと聞いておりますが、我々、何の説明も受けていません。
てことは昨日の時点と法案の中身が変わってるわけです。
幾ら法文が修正がないにしたって、運用も含めて中身が変わっているわけですから、そのことも質疑しないのかと、全体の中身が変わっているじゃないかと。
それは完全に別のこととして質疑させろという話を申し入れておりまして。
8時45分になるところです。
まだ理事会での協議が続いていますけれども、今、休憩という声が一斉に上がりました。
もしかすると3度目の休憩にはいるのかもしれません。
与野党の攻防が繰り広げられていた頃、国会正門前には大型の警察車両がずらりと並び、巨大な壁をつくっていた。
特別委員会での採決が迫る中、集まってきた人たちが歩道から車道の真ん中へあふれ出るのを防ぐため。
こちらの道路側に人があふれてしまって、非常に今までと比べてテンションが高いというか、緊張感が高まっています。
デモ隊と警察のもみ合いは時間がたつにつれ、激しさを増していく。
鉄柵が今、一部壊されて、そこに人が殺到して非常に危ない状態になっていますけれども。
危ない、危ない。
機動隊員の胸を押すなどした公務執行妨害で疑いで男女13人が逮捕される事態となった。
間もなく10時10分になりますけれども、今、理事会室の前で与野党の議員が入り乱れてもみ合いのような状態になっています。
既に委員会室には安倍総理を初め、外務大臣、防衛大臣も委員会の開始を待っているわけですけれども、その前に理事会室の前で与野党の議員たち、もみ合いの状態になって、怒号が飛び交っていると。
委員会室にまで響き渡る野党議員の抗議の声。
安倍総理は、何を思い聞いていたのか。
日付が変わった木曜未明になっても理事会は紛糾し、結局、朝8時50分から再開されることになった。
この日、委員会を開かせなかった民主党。
党の幹部は…その頃、国会の前では日付が変わった後も、まだデモを続けている人たちがいた。
声を上げていたのは若者たち。
午前4時です、とんでもない今、真夜中未明ですけれども、まだこのようにまとまって抗議のコールを上げているという状況が続いていまして、ずーっと激しい雨が続いているんですけれども。
そして、夜明けを迎えた頃、国会前ではゴミを拾い、デモの後片付けをする若者たちの姿があった。
混乱の翌朝。
理事会までまだ時間があるにもかかわらず、鴻池委員長と与党議員らは理事会室ではなく委員会室にいた。
与党側はこの日、幾つもの奇策を用意していた。
委員会室前なんですけれども、看板がつけ替えられています。
特別委員会の看板が、特別委員会の理事会の看板に付け替えられました。
野党議員に阻止されないように委員会室で理事会を開き、そのまま特別委員会を始める。
それが与党の目論見だった。
理事会室の前に立っていた野党議員たちがみんな第一委員会室に移動します。
理事会の場所を突然、変えられた野党議員は猛抗議する。
混乱の中、午前9時45分、委員長が特別委員会を再開すると宣言。
これに対抗して、野党は委員長の不信任動議を提出した。
誰に憲法の枠内で権力の行使を認められているかといえば、それは国民です。
主権者である国民です。
それを多数だからといって、憲法違反の法律を政府と与党が一緒に出してくるなどというのはとんでもない暴挙です。
野党側は、長々と演説して引き延ばしを図る。
そして午後4時半。
不信任動議が否決され、鴻池委員長が席に戻る。
この後、総理への質疑が行われるはずだったが…そのとき、自民党議員ら若手議員を手招きする。
委員長をガードしろという指示。
遅れた野党議員が、一斉に議長席に向かう。
与党側は質疑をせずに一気に採決に持ち込む作戦に出た。
大混乱の中、安倍総理は1人退出する。
怒号が飛び交い、委員長の声もかき消された中、自民党の佐藤議員らが起立するよう合図を送る。
午後4時半過ぎ、安保関連法案が特別委員会で与党などの賛成多数で可決された。
テレビ各局が生中継する中、国民にも何が起きているのか、全くわからない状況で採決が強行された。
委員長が復席されたわけですから、これから休憩して議題を設定しましょうといって、普通に歩いていったら、突然自民党の議員がドーッと走ってきて、暴力的にドーンと委員長のところに、あんな人間の垣根みたいなのつくって、さらには暴力的にうちの議員にもしてですね。
特別委員会での採決強行を受けて、国会前には、様々な人たちが集まり抗議の声を上げた。
そしてデモの輪の中心にいたのはこの日も若者たちだった。
大学生らの団体、SEALDsの中心メンバー、奥田愛基さん。
今週、特別委員会の中央公聴会に招かれた。
国会議員たちに向かって奥田さんは、こう意見を述べた。
強調しておきたいことがあります。
それは私たちを含めこれまで政治的無関心と言われてきた若い世代が動き始めているということです。
これは、誰かに言われたからとか、どこかの政治団体に所属しているからとか、いわゆる動員的な発想ではありません。
私たちは、この国の民主主義のあり方について、この国の未来について主体的に1人1人個人として立ち上がっているのです。
どうかどうか、政治家の先生たちも個人でいてください。
政治家である前に、派閥に属する前に、グループに属する前に、たった1人の個であってください。
自分の信じる正しさに向かい、勇気を出して孤独に思考し、判断し行動してください。
だが…あの特別委員会の光景に、奥田さんは、強い失望感をあらわにした。
採決に向けた参議院本会議が始まった今日の未明も、奥田さんら若者たちは国会の前にいた。
スマートフォンやタブレットで国会の状況を見守りながら声を上げ続ける。
午前2時を回り、投票が始まると、自然と場が静まり返った。
そして…ついに法案は可決された。
世論調査では最後まで8割の人が政府・与党の説明が不十分と答えていた。
今の国会での採決に反対する人も6割に上っていた。
法案可決を受け、安倍総理はこう語った。
まだまだこれから粘り強く、我々で丁寧に法案の説明を行っていきたいと思います。
こういう大事な法案は、やはりできるだけ合意形成というのに近づけたかったというのが私の思いだし、反省であります。
戦後70年、戦争をしない国というこれまでの国のありようが変わってしまった瞬間、この国会前の抗議行動には激しい怒りの声が渦巻いています。
国会の中で聞こえる言葉と、この路上からの言葉、そのどちらに未来につながる希望があるのでしょうか。
国会前の反対集会には、この人も通い詰めていた。
公明党の支持母体である創価学会の会員、天野達志さん。
天野さんは、公明党の山口代表にあて、法案の白紙撤回を求める署名活動をおよそ1カ月かけて行っていた。
先週火曜日、天野さんは東京・信濃町にある公明党本部に集めた署名を届けようとしていた。
署名の数は最終的に9177人分に及んだ。
しかし、党の対応は冷ややかだった事前にアポというかどなたかにされたんですか?お名前はうかがわなかったんですけれども、電話口では私は今週まいりますと伝えました。
事前にアポがないんで。
先週お電話しましたけれども?天野さんは、党の職員を話をするため党本部に電話をかける。
ガードマンさんに止められまして。
直接、職員さんとお話がしたいということでお電話したんですが。
しかし、電話口の職員は職員が対応する制度はないとして面会を拒み、署名はガードマンに渡すよう繰り返したと言う。
この日、夕方まで立ち続けた天野さんだったが、党の職員との面会さえかなわなかった。
天野さんは翌日の水曜日にも党本部前で待った。
この日、台風18号の影響で東京都心でも大雨警報が発表されていた。
公明党の山口代表は会見で、天野さんへの対応について、こう述べた。
事態が動いたのは、党本部前に立ち続けて4日目だった。
署名を受け取ると連絡が入ったと言う。
対応するのは山口代表ではなく、党の職員となった。
署名を手渡す際、報道陣の立ち会いは許されなかった。
その様子は党の職員によって撮影され、天野さん側に渡された。
参議院の特別委員会で法案が可決された直後、天野さんは国会前で語気を強めてこう述べた。
今の公明党は何なんだ!私たち学会員はだまされないんだ!おかしいじゃないか、こんな法案。
本来あるべき創価学会、公明党に戻ってほしい。
だけどもそれがかなわないんであるならば、私は公明党は来年の参院選は、私は公明党を応援しません!国会前と同じ激しい雨が、沈黙を守る防衛省にも降っていた。
奇しくも戦後70年の節目。
安保関連法案の成立は日本の安全保障体制の根幹の転換点を意味するものです。
24万人という日本最大の組織の1つ、自衛隊がその渦中にあって、今何を考えているのか。
制服組トップ、統合幕僚長の記者会見で直接聞きました。
茨城の水害とか、東日本大震災人命救助に当たっては、国民から多大な信頼が自衛隊に寄せられている。
そういう意味で民意というのは非常に重要な、つまり支えになっていると思うんですね。
そういう回答が返ってきていますけれども。
民主主義国家においては、様々な議論があると思います。
でも、1つの表現として許されていると思います。
ただ、あくまでも国会で結論が出されたならば、それに対しては我々組織は従わないと秩序が保てないと思いますので、我々は結論に従うということです。
渦中の自衛隊だが、発言には神経質な様子がうかがえる。
記者会見という公式な立場ですので、法案に対する評価については控えさせていただきたいと思います。
シビリアンコントロールの立場から政治的と受け取られかねない発言は一切封印されている。
法律ができることで地球規模で紛争地に派遣される可能性が高くなる自衛隊員。
その家族は今、何を思うのか。
今も私の隣でも相談が来ているわけですけれども、やっぱり、なるべくそういう声を上げていただいてですね。
先週土曜日、札幌市の弁護士グループが開催した自衛隊員とその家族のための緊急電話相談。
法案の内容に対する不安の声が全国から寄せられたが、その大半は、現役自衛隊員の母親、そして妻からのものだった。
相談はメールやFAXでも寄せられ、2日間でその数は35件に上った。
自衛隊員を家族に持つ人たちの不安。
現役自衛隊員の両親から聞くことができた。
体力があり、運動も好きだったという息子は災害救助やPKOでの復興活動を通して社会に貢献できる仕事に魅力を感じ、陸上自衛隊への道を選んだ。
息子が望んだ道を歩ませてやりたいと思う一方で、隊員への保障の議論もないままに進む国会審議を見ると、命が軽んじられているように感じると言う。
相談会を主催した札幌市の弁護士グループの代表を務める佐藤博文弁護士。
今週月曜、元自衛隊員と一緒に防衛省を訪れ、家族の訴えと中谷大臣あての要請書を提出した。
その後、足を運んだ参議院の院内集会で、こう訴えた。
自衛隊員は兵士である前に市民であると、ここをはっきりさせたいということですね。
そして、たとえ1人であっても、その兵士の人権を守ることはここからは政治部の総理官邸キャップ、岩田記者とともにお伝えします。
長いこと安保法制を取材していて、一番感じたことって何ですか?本当にいろいろなことがあり過ぎて整理するのは難しかったんですけれども、この出来事をどう考えたらいいか目を閉じて考えてみたんですが、やはり安倍総理のあるメッセージに行き着いたんです。
総理が今年の年頭所感ですとか、国会の演説などでもたびたび使ってきたフレーズです。
この世界の中心というのは一体どこなのか、そもそも世界に中心というのがあるのかですとか、輝く国というのがどういう状態のことなのか、そして、再びと言う以上、これまでに日本が世界の中心で輝いていたことがあるということになるんですが、それは一体いつなのか、疑問はいろいろあるんですけれども、総理の中では恐らく明確なイメージがあるんだと思うんですよね。
そして今回の安保法制、総理は憲法の範囲内で抑止力を高めて戦争を防ぐためのものなんだと、国民の命と平和な暮らしを守りにくためのものだと繰り返し説明してきたんですが、同時に総理にとって今回の法律というのは、安倍総理は国民に選ばれた国会議員、その国会議員に選ばれた総理大臣であるわけですから、むしろ使える権力はしっかり使って、自分の理想の実現に向けて全力を尽くすこと、それこそがむしろ総理として果たすべき責任であって、使命だというふうに考えているんだと思うんですね。
だからこそ総理は自分の考えに近いメンバーを集めた懇談会に報告書を作成させて、内閣法制局の長官も代えて、現時点でベストだと確信できる法律をつくって最終的に一文字も修正することなく法律の成立にこぎつけたということです。
「報道特集」ではこれまで安保法制に関して様々な人たちの声を伝えてきました。
安全保障はもちろん、立憲主義や民主主義、様々な議論を引き起こしたこの法律の成立をどう見ているのか。
改めてお話を伺いました。
一貫して賛成の立場を示してきた元航空幕僚長の田母神俊雄氏。
安保関連法案については今の動き、どう見ていますか?この法案によって日本の自衛隊が世界の軍と同じ行動ができるということではないけれども、少なくとも一歩近づきますよね。
今、野党もこれはできるか、あれはできるかと、よく国会で質問したりしますよね。
こんな議論やってる国ないですよ、日本以外には。
あれは作戦計画に類することなんですよ。
作戦計画に類する議論を国会でやってる国ないですよ。
国益を損なうだけですから、ばかなことだと思います。
しかし、田母神氏は憲法を改正して安保法制に取り組むのが本来あるべき姿だという。
だけれども今回、解釈でとどまったのは、そこをもう1回聞かせてください。
これは現実的に憲法改正を打って出た、成功するか、まあ難しい情勢だと安倍総理は判断したんでしょうね。
憲法改正が実現可能だという情勢判断になれば、その手続をとってやれば、一番すっきりはするでしょうね。
僕はやっぱり安倍さんの会見だけ見てるとやはりきれい事を言い過ぎていて国民を守れますとか、リスクはありませんとか、何で断言できるんだろうということがいっぱいあると思うんですよね。
自衛官のリスクは多くのことをやれば、それだけリスクは高まりますよ。
自衛官のリスクが高まることは職務上しようがないんですよ、当たり前ですよ。
自衛官のリスクは高まります。
しかし、その代わり国民のリスクは減るんですというふうに防衛大臣が防衛大臣が初めから言えばよかったと思うんですよ。
そっちの方がわかりやすいですね。
安保法案に対する街の若者たちの反応は…一方、戦争を知る世代の人は…憲法審査会で法案は違憲だと表明し、流れを変えるきっかけをつくった憲法学者の長谷部恭男氏。
先生から見た昨日の委員会採決ですとか、今の国会周辺での動き、どう見ますか?今のように政権与党が自分たちの判断で憲法の意味内容を変えられる。
国会の中で起きていることと国会周辺で起きていること、これは全く次元の違うことが起きていると思うんですよね。
今回がまさにそうだと思いますが。
これは162カ国を対象に調査した世界平和度指数。
世界で8番目に平和だと認められている日本は、安全保障政策を変えるべきではないと長谷部氏は言う。
ちなみに、このインデックスによると、アメリカは94位。
中国は124位。
最下位は当然ですがシリアなんですが、教員は、よくテストの点数でたとえ話をするんですが、50点を60点にするって割と簡単です。
ただ、90点を100点にするのは非常に難しい。
90点今とってるんでしたら、今までどおりの勉強するっていうのが一番いいんですね。
世界で8番目に平和で安全な国だというのでしたら、あまり余計なことはしないで、今までどおりのことをしているというのが私は一番いいんじゃないかと思っておりますが。
採決が強行された参議院の特別委員会。
元自民党副総裁の山崎拓氏はかつて防衛族のドンと呼ばれていた。
しかし、今回成立した安保関連法については将来に禍根を残すと危惧している。
今回、解散・総選挙に訴えるべき手続をしないで、いきなりこういうことをやっているから、禍根を残したという。
参議院の特別委員会で安倍総理は採決の直前、委員会室から退室していた。
これに対し、採決を最後まで見届けた中谷防衛大臣について山崎氏はこう話す。
僕は中谷さんの人柄あるいは経歴をよく知っていますのでね、同情を禁じ得ないんですけれども。
今の野党の政権にまた戻る可能性だってあるから、そうなると、また解釈改憲で今度は集団的自衛権の行使はだめだという閣議決定される可能性ありますからね。
なぜその中谷さんが解釈改憲の方にかじを切ったんでしょうか。
それは安倍政権の一員になったから、内閣の一員になったからで、政権の方針、簡単に言えば安倍総理の方針に従ったと。
今回のこの法案成立というのは将来に禍根を残すというふうにおっしゃっていましたが、この禍根というのは修復可能ですか?再び政治部の岩田記者です。
今回は多くの国民の理解が進んだとは言えない中での可決・成立になったと思うんですけれども、今後の安倍政権の動き、どうなっていくんでしょうか?官邸が今、一番強く意識をしているのは来年7月の参議院選挙だと思うんですね。
安全保障の問題というのは今回、成果を出して一区切り。
安保の問題というのは国民の広い支持をなかなえ得にくいテーマでもあるので、安倍政権はここで一気にギアをチェンジして、次は外交あるいは経済の問題に取り組んでいくと見られます。
しかし参議院選挙ですけれども、改めて総理が目指す世界の中心で輝く国というのがどんな国なのかというのを堂々と訴えて、対する野党も総理の価値観が、あるいは考え方と違うというのであれば、自分たちが目指す国家像をはっきり打ち出して、日本をどんな国にしていくのかという一番の根本的なテーマこそ最大の争点にすべきではないかと思います。
安保法案の成立が日本の岐路だ、分かれ道だという言われ方も今回してきたんですが、来年7月の参議院選挙こそ日本の行き先を考える岐路にすべきだと思います。
岩田さんの話を聞いたり、実際に国会の審議を見ていると、今の政権与党のやり方というのは、とにかく目標に向かってグイグイ進んでいく。
ある意味、わかる人にわかればいいんだと。
結果的につまり大分取り残される人が出ると思うんですね。
そういった中で1つ気になった、心の中に残ったのは、イギリスで労働党のリーダーたちが一斉に代わって、副党首になった方の就任演説があるんですけれどもそれを紹介したいんですが、彼はこう言っています。
労働党は人々の最後尾に立って、現政権、保守党ですけれども、現政権の政策に苦しめられている取り残された後ろの方にいる数百万人を助けたい、守りたい、こういったことを言っているんですね。
今の日本の政治というのは、こういった立ち位置から話をする政治家っていない、もしくは本当に極めて少ないと思うんですよね。
そういった意味ですごくイギリスの民主主義の成熟を感じて、ちょっとうらやましいような気もしました。
今回の一連の動きを取材してきて絶望と希望という両面を見たような気がして、政治の世界での絶望というのが非常に色濃く感じたのは、例えば、特別委員会のあの採決を見ると、参議院では良識の府と言われてたでしょう。
あれは子どもの世代にほとんど説明できないような醜悪な振る舞いですよね。
後から何て言い訳しようと、あれは残ってしまうんでね。
そういう絶望的な状況が政治の世界を覆っている一方で、国会の外、路上とか街頭からの声っていうのは特に若い世代に引っ張られているような持続的で新しい文化運動のような、それは例えばアラブの春とか、香港の雨傘革命、台湾のひまわり革命ってありましたよね。
ああいう若者たちの運動と連動しているような、永田町だけじゃない、もっとダイナミックな動きの変化に着目したいと思いますね。
今日の未明、法案成立した直後にSEALDsの奥田さんが賛成議員を落選させようと、選挙に行こうよ、デモに行こうよというふうに非常に明るく訴えていたというのが非常に力を感じましたね。
主権在民、主権は国民にあるんだという言葉の重みを改めてかみ締めたいと思います。
この後はスポーツ、林さんです。
テニスの国別対抗戦、デビスカップワールドグループ残留をかけ、日本はコロンビアと対戦しました。
第1試合を落とした日本は、ワールドグループ残留をかけ、エースの錦織圭が世界ランキング6位の実力を発揮する。
海抜1500mの高地で、いつもよりボールが飛ぶ難しい環境にもしっかり順応。
正確なショットでコロンビアのファジャを攻め立てる。
しかし、ここは敵地コロンビア。
完全アウェーの大ブーイングと微妙な判定の連続にペースを乱され、2セット続けてタイブレークにもつれ込む大接戦となる。
ならば文句のつけられないショットを決めるだけ。
得意のストローク戦で粘る相手をストレートで下した錦織。
日本を1勝1敗のタイに戻した。
地区予選にもかかわらずこの大観衆。
注目の早稲田実業、清宮幸太郎の第1打席。
鋭い打球を弾き返し、先制点をたたき出す。
そして圧巻は第4打席。
高校通算18号は、ライト後方の林に飛び込む場外ホームラン。
この秋、清宮は2試合で3本目、夏・春連続の甲子園出場へ怪物の進化が止まらない。
続いては飛び込みです。
日本女子初の記録に高校1年生が挑みます。
日本選手権女子高飛び込みの決勝にリオオリンピック期待の星、15歳の板橋美波が登場した。
最大の武器は、世界で彼女にしか跳べない前宙返り4回半抱え型。
予選から大技に成功。
この種目初の日本選手権優勝を狙う。
そして迎えた決勝。
着水でまさかの失敗。
5週連続で試合に出場している疲れもあり、惜しくも2位に終わった板橋。
悔しい思いを胸に、秋からオリンピック代表選考会に臨む。
日本卓球協会は今日、理事会を開きリオオリンピック日本代表候補を発表した。
女子代表候補にはロンドン団体銀メダルの石川佳純・福原愛、そして14歳の伊藤美誠が団体戦のメンバー候補に選ばれた。
女子テニス東レパン・パシフィックオープンの組み合わせ抽せんが行われた。
日本のエース・奈良くるみは今日、ワイルドカードで出場が決まった土居実咲との対戦が決定。
初戦からいきなりの日本人対決となった。
元世界ランク1位のウォズニアッキは2回戦から登場。
月曜日から本戦が始まる。
大相撲秋場所7日目。
ここまでただ1人、全勝を守っている大関・照ノ富士が佐田の富士と対戦した。
寄り切って全勝をキープ。
2度目の優勝も見えてきた。
今日からシルバーウィークですけれども、今回の安保法制に関して、シルバーウィークを挟めば今回のことを国民が忘れると思ったら大間違いだと話している方がいらっしゃいました。
まとめて若者たちの動き見ていろいろ感じるところがあったんだけれども、日本って、ちょっと若者に冷たいなというのは先ほど、金平さんが言っていた香港と台湾の場合、私、取材に行ったんですよ。
批判対象である政府・与党も若者とのパイプをちゃんと持ってたんですね。
日本はどうなんでしょう。
山崎拓さんがSEALDsのことをいいねと言っていたんです。
2015/09/19(土) 17:30〜18:50
MBS毎日放送
報道特集[字]【攻防はヤマ場に!安保法制と国のあり方】
あまたのニュースの中から、伝えるべき情報を厳選し、報道特集というフィルターを通して、責任をもって視聴者にお伝えします。
詳細情報
番組内容
【攻防はヤマ場に!安保法制と国のあり方】
安保関連法案をめぐる与野党の攻防は参議院での採決という局面を受け、最大のヤマ場を迎えた。金平・日下部両キャスターが国会の中と外で取材する。報道特集は今年5月以降、13回にわたって、安保法制を取り上げてきたが、これまで取材した人々は何を思うのか。憲法学者、元防衛庁長官、元自衛官、創価学会員らに取材、安保法制とこの国のあり方を問う。
出演者
【キャスター】
金平茂紀(TBSテレビ報道局)
日下部正樹(TBSテレビ報道局)
小林悠(TBSテレビアナウンサー)
林みなほ(TBSテレビアナウンサー)
公式ページ
◇番組HP http://www.tbs.co.jp/houtoku/
公式ページ2
◇twitter
@tbs_houtoku
http://twitter.com/tbs_houtoku
◇facebook
http://www.facebook.com/tbs.houtoku
おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。
ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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